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The New York Timesの既成概念の破壊力について語らせていただく

2023年の年の瀬に駆け巡った大ニュース

歴史が動く。
生成AIバブルに沸く界隈が一気に凍り付いた。

「The Times Sues OpenAI and Microsoft Over A.I. Use of Copyrighted Work」

年の瀬に駆け巡った衝撃。
アメリカ・ニューヨークに本社を構える高級日刊新聞紙「The New York Times」が、生成AIの巨頭を「著作権侵害」で訴えたのだ。

ジャーナリストが汗水たらし、長年の経験から培った人たらしの技術でつかみ取った貴重な情報を、無断で軽々しく扱わないでくれ。
これは、「ジャーナリズムの尊厳」を懸けた戦いなのだ。

実は、OpenAIが訴えられた事案はThe New York Timesが初めてではない。
他にも多くの団体などからよこやりを入れられているが、今回の訴訟が「歴史的意義を持つ」と大騒ぎしているのには理由がある。

訴えているのが、天下の「The New York Times」だからである。
相手が悪すぎる。

ハリウッドの闇を命がけであぶり出した告訴記事

SHE SAID シー・セッド その名を暴け

これは、ハリウッドを牛耳っていたハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ・暴行事件を世の中に明るみにした、一大スクープを題材にした映画。
実話をもとにした社会派の映画で、極めて私好み。
映画館で鑑賞した。

2人の記者が命がけで世界的エンタメ業界の闇を暴いていくストーリー。
ジャーナリストの誇りを懸けた、体当たりな取材を事細かに描き出し、思わず涙が溢れてしまった秀作である。

The New York Timesが公表した「告訴記事」の影響はすさまじく、性暴力被害などを訴える「#MeToo運動」を一気に拡大、加速させた。

ハーヴェイ・ワインスタインには有罪の判決が下され、ショービズ業界の常識が問われる歴史的出来事として刻まれることとなった。

この告訴記事から私が言いたいことは、The New York Timesの記事には巨大すぎるほどの社会的影響力があるということだ。
世の中の既成概念を覆すほどの威力。
世界のジャーナリストが羨む最高の頭脳を持つ記者たちが、満を持して発表する記事である。
取材内容、分析内容、すべてにおいて隙がなく、緻密かつ論理的。
反論の余地を許さない厳格さによって、悪は再起不能なまでに追い込まれ、木っ端微塵、社会的地位を完全に失う。

彼らの正義に睨まれたら、終わりなのだ。

The New York Timesはジャーナリズムの尊厳そのもの

#MeToo運動に関しても多大なる影響を及ぼしたが、これはほんの序の口。
もっと大きな「権力」に対して戦ってきた歴史がある。

国家権力の闇。
「ペンタゴン・ペーパーズ」や「ウォーターゲート事件」は、教科書にものっているような一大スキャンダルなので、是非これを機に歴史を振り返ってみてほしい。

(参照:映画「ペンタゴン・ペーパーズ」
(参照:映画「ザ・シークレットマン」
(参照:映画「シチズンフォー スノーデンの暴露」

メディアの人間にとって、文字通り「雲の上の存在」。
マスメディアの在り方を記事を以て示していく、まさに「ジャーナリズムの尊厳」を体現している新聞紙なのだ。

2024年、AIと人類はどんな共存を目指していくのか

いまだにOpenAIとMicrosoftからは、The New York Timesの記事に対してコメントが示されていない。

AIは今後も引き続き、我々の生活、仕事、価値観など、様々な領域において影響を及ぼしていくことに違いない。
この「人工知能」という脅威に対して、我々は「人間としての在り方」を自ら問い、優位性のラインを模索する戦いを続けなければならないのだろう。

生成AIによる驚異的な能力に感嘆するフェーズは終わり、「人としての価値の創出」を全力で示していかなければならない。
そんな戦いの幕開けを高らかに宣言したのが、The New York Timesの提訴であったと考えると、いよいよAI時代に生きる人材の「大量淘汰」が始まると予感せずにはいられない。

2024年。
先端技術とともに人類はどう生存していくべきなのか。
今後も私はそれを、「eスポーツの土壌」で模索し続けたいと思う。

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