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トビタテ留学を終えて inスウェーデン

初めまして。
ドルトン東京学園高等部2年、トビタテ高校8期生のRです。

2023年、トビタテ8期生として
スウェーデンのストックホルムに探究留学をしました🇸🇪
(途中、フィンランドでも活動を行いました!)

留学を終えて、早4ヶ月が経ちました。
人と人との繋がりで出来た留学だったと、心から感じています。

私は、エージェントを使わない留学をしました。(施設の見学などは視察エージェントを利用しました。)
きっとエージェントやプログラムを利用した方が楽だったでしょうが、自分でアポどりをしたり、知り合いを辿ったり、それも経験だったと今 振り返ると思います。

私の経験が少しでも、トビタテ留学に挑戦したいと思っている方、
何かに挑戦したいと思っている方の役に立ったら嬉しいです😊


🌿トビタテ留学に応募するまで🌿

トビタテ留学そのものに応募しようと思った理由は、
一言でいってしまうと「先生に勧められたから」

なぜ、勧められて「応募しよう!」と決意したのかと言うと、
自身の「モヤモヤ」を留学で挑戦したいと思ったからです。

中学生の頃から、環境問題に対しアクションを起こしたり、色々なイベントに参加したり、様々な活動を通して様々な壁にぶつかりました。
それは、「無関心層」を動かすことの難しさです。
完全な無関心ではなくて「興味はあるけど『動けない』人」
また、悪気がないとはいえ「意識高い系」の一括りにされることにモヤモヤを感じることも。
そんなことから次第に1人1人に「環境負荷のかけない選択をしよう!」などと変化を促すこと以上に、社会に大きな影響を与える、国や大きな企業の根本の変革に興味を持つようになりました。
そして、自分自身も改革に携わりたいと思うように。

「環境意識の高さ、低さに関わらず、全ての人が無自覚に環境に配慮できる社会」

じゃあ大企業や国が環境中心になれば、変わるのか?

そんなことを言ったって、私は社長じゃないし、総理大臣でもない。
現実的でもありません。
そもそも社会づくりってどうやったらできるのかも分からないし、
どういう職業に就いたらいいのか分からない。

私はこのモヤモヤに留学で挑戦してみよう!という考えに至りました。

そして書類と面接を経て、「環境意識(の高さ、低さ)に関わらず、全ての人が無自覚に環境に配慮できる社会づくりを学ぶ」をテーマにスウェーデンの環境に関する産学官の取り組みを学びに行くことになりました。

💫留学中のこと💫


私は学校には通いませんでした。

留学中は、ストックホルムで活動している「気候変動ムーブメント団体」に属しながら
環境問題(廃棄物問題)の解決を目指している企業のプレゼンテーションに参加させていただいたり、
環境にやさしい街と言われているストックホルムのHammarby Sjöstadという地区の行政の方にインタビューをしたり、
ストックホルムで行われた「世界気候アクション」でNPO greenpeace Swedenのボランティアをしました。
それから、楽しみにしていた幼稚園と小学校にて環境教育の見学など。


幼稚園の環境学習を訪問の写真 あぁかわいい…

また、前述しましたがフィンランドにも訪れました。
ここでは、幼稚園、高校、大学を訪問したり、
EUで最も優れた気候変動対策と表彰されたオウルのIiという地域を訪れ、
Iiのシステムを自治体の方にお話しいただいたり、小学校の取り組みを学びました。いつも日本でお世話になっている大学の先生とそのゼミの皆さんがこの時期にちょうどフィンランドで視察をされるということで、偶然にもついて行かせていただくことができました。

色々な立場から環境問題へのアプローチをしている人の話を聞きながら
「私は将来どんな立場(産学官)での職業が良いのか」考えていました。
ちなみに普段の課外での活動ではNPO NGOの方と関わることが多いのですが、なんだか私には向いていない気がしています…

結局、その答えが留学中に出ることはなかったけれど、
それぞれの雰囲気は掴めたと思っています。
決断を焦る必要はないと思っているので、これからも色々やってみて、向き不向き、やりたいことと照らし合わせ、決めるつもりです!

活動をPick Up

全ての活動を書くと、話すと大変な長さになってしまいますので、
スウェーデンとフィンランドで、特に印象に残っている探究活動と出来事をそれぞれ書こうと思います(_ _)

スウェーデン編🇸🇪

若者の気候変動ムーブメント団体での活動

受け入れ先機関として
若者の気候変動ムーブメント団体で週2~3ほど活動していました。

毎週金曜日はスタンディングでオーガナイザー以外にも多くが集まります。
日曜日や平日の午後には少人数で集まって、SNS発信について話し合ったり
世界気候アクションに向けてバナーの準備をしたり、気候危機に詳しい大学の先生などがいらっしゃって、みんなでディスカッションをしていました。

決して絵画にトマトスープ投げたりしてないので、ご安心を…

英語とスウェーデン語が混ざり混ざりの会話の中…
何も発言できず、作り笑いonlyで終わってしまう日もあり
自分の出来なさに、とても落ち込みました。

移民大国スウェーデンだからこそ、
オーガナイザーの中にも英語しか話せない人がいます。
そのためか、普段の会話は英語とスウェーデン語ごっちゃごちゃになっています。英語だったのに、急に会話の言語がスウェーデン語にチェンジしたりするんです!

最初は少し辛かったですが、次第に理解できないことは、「英語で言ってほしい」と伝えられたり、時にはgoogle翻訳を活用できたので良かったです。

ストックホルムのスマートシティHammarby Sjöstadを訪問

「ここに住むと自然と環境に優しくなれる」と言われているこの地区。

Hammarby Sjöstad にて

Hammarby Sjöstadを歩き回った後、
行政の方にインタビューをさせていただく機会を設けてもらいました。

この街の歴史を教えていただきながら、「住むだけで、自然と環境に優しくなれる」とはどういうことか?お話を聞きました。

街の全てが公共交通機関で移動できるように、開発がされていたり
(写真でわかるように、結構車走っていたのだけど…笑)
この地域は区営の集合住宅が多いのですが、全ての屋上に太陽光パネルが設置されていて、ここの住民が使用する温水の半分を太陽光で供給していたり。またバイオガス調理器が設置されているそうなのですが、この街の廃棄物からバイオガスを抽出しているそうです。
*拙い英語でインタビューをして分かったことなので、もしかすると間違いがあるかもしれません

そして、この街のゴミ収集はとても面白いんです。全て地下から自動回収!
元々、日本にいる時からこのごみ収集システムを知っていたので、間近で見れてテンション上がりました。

Envacという会社の廃棄物自動回収システムです

後悔しているのは、住民の方にインタビューできなかったこと。
案内してくださった行政の方と話すのに精一杯すぎて、すっかり忘れて帰ってしまいました…

フィンランド編🇫🇮

スウェーデンでの留学の間に、1週間フィンランドのヘルシンキ・オウルへ。

アーランダ空港からヘルシンキ空港まで1時間もかからず。それなのに、時差は1時間だから(フィンランドの方が進んでいる)から不思議な感覚。

EU圏内のため入国審査無しに外へ出れた。分かってはいたけどなんだか爽快な気分!

スーパーに場所へ行くと、商品がエコラベル認証だらけだったり、ホテルの「環境配慮してくださいね!」の押し出しがされすぎていて圧倒された。
きっと興味ない人でもここまで「取り組んでください!」と全面に出されたら無視はできないだろうな。

ホテルの一室にて。いたるところに書かれている文字はなんでも翻訳。要約。

また次の日、アアルト大学で教授をやられている日本人の方に、大学を案内していただいたのですが、
その際に「ここでは車に乗っていると良いイメージを持たれない。通勤には電車を使っている。」という話をお聞きました。

元々、私の頭の中にあった考えとは違いますが、「環境に配慮することが当たり前」という、良い意味での同調圧力があるのかなと思いました。

実際、ヨーロッパでは「飛び恥(Flight Shame)」:「環境負荷の高い飛行機を使うのは良くない、恥だ。」という言葉があります。

フィンランドのIi自治体を訪問

フィンランドで1番楽しみにしていたのは、オウルのIi という地域の訪問

この地域はEU内で優れた気候変動対策をしている地域として、欧州のRegioStars Awardsを受賞しています。

Iiに到着 自治体の教育担当者の方のお話を聴く

Iiでは、再エネがこの地域で使う量の10倍つくられているそうですが、サステナビリティシステムを維持するために特に「教育」に力を入れています。

50/50と呼ばれる環境教育のプログラムは、
それぞれのクラスで節電を行い、基準値から削減できた電気代の半分で自分たちの好きなものを購入できるというシステム。

私の学校の電気の使用量、とんでもなく多いと聞いたので取り入れたい(笑)

やり方を見せてくれました その日ごとに節電できていたら⭐️を貼るらしい

この日の夜に、現地の環境保全団体に属している方と一緒に夕食をとらせてもらう機会をいただきました。

話をさせていただいて感じたことは、
無理をして取り組むことが、1番持続可能ではないということ。
「エコ」「環境に配慮」なんていう言葉を聞くと、自分が無理をして取り組むようなものな気がしている人も多いと思います。
私も実際、そう思うこともあります。
でも、Iiの方とお話をして感じたのは、環境に配慮した暮らしという言葉と共に、自分自身も楽しいからやる、という想いがあるなと。

50/50も同様に「無理して頑張る」のではなく、ポジティブな気持ちを大切にする取り組みを感じられました。

もっと気になる方がいらっしゃれば、こちらの動画をごらんください⛄️⬇️

約1週間の滞在後、先生と大学生たちと別れて、スウェーデンに戻りました。
1人で慣れない地に「戻る」というのはなんだか変な言葉。

番外編


最後の土日、デンマークに留学しているトビタテ生の仲間2人が、
スウェーデンへ遊びに来てくれました。楽しかったです🎶

夜は、それぞれの留学テーマや将来を語り尽くすことができました。
興味関心は全く違いますが、だからこそ話していて、新たな視点を与えてくれます。

博物館、美術館は23歳以下なら誰でも無料です 若いうちにぜひ!

少し話がズレてしまいますが、自分と同じ考えを持っている人、同じ関心分野の人ばかりと過ごすことの危うさを、最近 感じるようになりました。

決して悪い!ということではありませんが、自分とは対照的な考え方の人や全く違う分野に夢中になっている人と共に過ごすことは、やってみるべきだなと私は思います。
そういう意味で、全く興味関心の違う人と出会えることは、トビタテ留学の魅力の1つではないでしょうか!

とても省略した内容になってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。

-留学を終えて思うこと-

私はとある方に言っていただけて、大切にしている言葉があります。

それは、「経験自体に価値はない。経験から何を得て、学んだのか、そこから何をしたのか、そこに価値がある。」という言葉です。

初めてこの言葉をかけられた時は、意味がよく分からず、自分の中でうまく噛み砕くことができませんでした。

ですが留学を経て、自分なりの解釈ができた気がしています。

留学は「留学をした」ということだけで価値を感じるほど、大きなものに見えませんか?
それほど留学は何かを得られる・学べるものであるのだという共通認識があるからだと思います。

ですが、私が何より大切にしたいのは、「その後」です。
短い留学を終え、日常に戻り、「まるで留学期間は夢のようだった〜」で終わりにしたくはありませんし「留学経験がある」というステータスだけにもしたくありません。

私は「留学後何をしたのか」の内容が決して立派なものではないのですが、ここで得たものを、今やっている活動に繋げているつもりです。

「経験から何を得たのか、そこから何をしたのか」があるからこそ経験は輝くのかなと思います。

最後に、家族をはじめとする留学前、留学中、留学後を支えてくださった全ての方々、本当に感謝しています🍀

そして家族と同じくらい先生方に感謝しています。

学期の途中でいなくなり成績がどのようにつくのか不安だった私に、「安心して行ってきて!」と声をかけてくださった先生方、先にテストや課題をやることを許してくださった先生方に感謝しています。
トビタテ留学で学校を休むのは、私が初めてでしたので、とても不安でした。ですが、応援してくれる学校でよかったと思っています。
(決して、学期末の成績処理期間だからといって先生に媚びているわけではないです。笑)

そりゃ、学校の先生がトビタテ留学を勧めてくれたんだから、応援してくれなきゃ困る!
とも思いますが、私はトビタテに合格して、全国の高校生と会う中で、
留学や探究活動を全然応援してくれない学校が沢山あることを知りました。

自分のある環境が基準だと思ってはいけないですね。
生徒の夢中になっているもの、それがたとえ勉学に関係なかったとしても、応援してくれる学校や大人が増えたらいいなと思います。

私は全面協力×応援できる大人になります!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました⭐️


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