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占いをきっかけに転職を決意した話

去年あたりから、なんだかモヤモヤする日々が続いていた。

打ち込めることがない!

自分で言うのもなんだが、学生時代は勉強に部活にサークル活動、留学などなど色んなことをコツコツ努力してきた自負がある。そしてそんな自分がちょっと好きだった。

社会人になって、入った夢の業界。
世界と関わる仕事、社会貢献の高い仕事、夢だったんでしょと自分に言い聞かせても、何故か心から頑張れない。

自分の仕事を楽しそうに語る友達、夢を見つけて海外にチャレンジする友達、大学院に行く友達、結婚する友達、、、
周りは皆、自分の生きる道を見つけて、私だけが人生を進めていないような、息苦しい気持ちが募るばかりだった。

でも、今の仕事をやめてどうするの?
スキルも何もない。
今の仕事も素晴らしいよ。
もう少し頑張れば、楽しくなっていくんじゃないの?
そういった思考が常に付きまとって。

もう考えても考えても、なにを正解にすればいいか分からない!
そんな時に、私が頼ったのが占いだった。

訪れたのは、渋谷の占い館。
ネットで占いの記事を読んで見つけた、優しそうな占い師さん。その記事でもライターさんに仕事のアドバイスをしていて、安心して相談できると思った。

少し早めに到着したけど、受付を済ませたらすぐに案内されて緊張。
広い部屋のなかに何人か占い師さんがいるんだけど、一人一人パテーションで区切られてブースになってる。個人情報は守られそうだ。

「初めまして」
初めて出会った占い師さんは、おしゃれで可愛いお姉さんだった。
「初めてで緊張してるんです」と言うと「そうなんですね、ゆっくりメモ見ていいですよ」と言ってくれた。

その後も、占いに必要な本名を書いていると「友達に同じ名前の人いますー!」と言われて盛り上がったりして、雰囲気をほぐしてくださり感謝でした。。。(珍しい名前なので驚いた)

そして早速占いスタート。
「未経験からライター・編集職に転職するか迷っていて、そのことについて助言が欲しいです」と伝えた。

最初に、机に広げられたカードのなかから3枚を選ぶ。
パワーストーンのカードのようで、裏返すと石の絵。

「この3つの石を見て、何か思いつくことありませんか?なんでもいいです」
と言われたんだけど、
うーん、あんまりパッとしない、、、笑
なんとか絞り出して「う~ん…色が好き?」とか答えたけれど、うまく言えた気がしなかった。

次に、タロットカードの束を2つに分けるように言われた。
「すごい、タロットカードも私が選ぶんですね」と言うと、
「そうですね、私結構お客さんにいろいろやってもらうタイプの占い師なんです」と占い師さんは笑った。
でも、いい。その方が、私の中から出てきた結果な感じがする。

そして、開いたカードを見た占い師さんが言い放った第一声が

「あ〜〜ぜひ転職してください」

だった。

占いって、未来のことを的確に言い当ててもらうことだと思っていませんか?
私もそう思っていました。でも実は、違う。
自分の抱いていた想いや今の状況を、言語化してもらうことかもしれない。

「毎日同じことの繰り返しだと思っていないですか?」
「そして、そのことにどこかで罪悪感を感じている」
「今の仕事は、安定していますよね。こんなに悩むの、人生で初めてじゃないですか?」

そうなんですー!と、すべての言葉に激しく同意していた。
確かに、毎日代り映えのない日々で、大学を卒業するまで順調に進んでいた自分の人生が止まってしまったように感じていた。
そして、自分のことが好きになれなくてモヤモヤした日々を過ごしていた。

でも、それを「罪悪感」という言葉で自分で表したことはなかったのだ。
言われてみれば、このモヤモヤは、今まで努力して人生を歩んできた自分への「罪悪感」だったんだ……

自分の気持ちに言葉を与えてもらったとき、うるうるしてしまったけど、なんとか涙はこらえた…
占いに行って涙を流す人の気持ちが初めて分かった瞬間だった。
今まで苦しんでた自分を理解してあげられて、涙が出てくるんですね……

「今は、人を支える仕事だけど、本当は自分が感じたことを表現する仕事があってますよ。だから、メディアはいいと思います。」
そう自信になるような一言もくれた。現職の詳細は話していないのに当たっていて驚いた。

そして一通りタロットカードについて話した後、最初に選んだ石のカードの種明かしをしてくれた。まずは、水晶のカード。
「いろいろな経験をしてください。
磨かれて、水晶のようになっていく。これが、これからさぼてんさんが経験していくことです。」

私の人生の目標は、おばあちゃんになって「あ~!色んなことを経験して楽しかった!」と言って人生を終えること。
今の環境は優しくて過ごしやすいけど、やっぱりここを飛び出さなきゃいけないんだ…とごくり。

そして、もう一枚選んだカードも、「人生の岐路に立っている」人のカードだという。
どの方向に行っても正解。自分の人生を切り拓いてくれる石とのこと。

「不思議ですね、自分のことを言い表してくれるようで…」
と私が震えた声でつぶやくと
「あ、そうですね、占い初めてですとそう思われるかもしれませんね」
と、さも当たり前かのような反応。

こんなことが、日常茶飯事に行われているのか…
占い、しゅごい……

その後、私が選んだ石の入手方法を説明いただいたり(もちろん怪しい押し売りとかではない)、これからくる転機の説明を受けたり、30分間はあっという間だった。

「今日は、本当にありがとうございました。すごく心がすっきりしました」
正直半信半疑で訪れた占いの館だけど、もうすっかり占いに魅了されていた。
怪しいスポットとかではなく、ただ自由に第三者に人生相談をしていい場所なのかもしれない。

「こちらこそ、人生の大切な転機を占わせていただいてありがとうございます。私を選んできてくださったのも、何かのご縁かと思います。」
最後まで、丁寧な対応の占い師さん。
占い師さんって、ふわふわして特殊な力を持った人たちだと思っていたけど(偏見ごめんなさい…)この方は、いい意味で普通の人っぽく、とても信頼できた。
うん、本当にいい意味で、とても普通だった。

占いの館を出た私は、もう転職する気でいた。

人生の舵取りをするのはあくまで自分というのは大前提。
でも、もう進むべき高校も大学も志望企業もないとき。レールや目標を自分で作っていかなければいけないとき。

未来の責任を全部自分で背負い込まなきゃいけないのがちょっと苦しいとき。あると思うんです。
そんなときこそ占いのせいにして、責任をちょっと一緒に背負ってもらうのもいいかもしれない。


占いという体験を通して、知らない誰かに背中を押してもらって、私は未経験転職を乗り越えここに立ってます。
動き出すきっかけがないなら自分で作る。
その選択肢の一つとして、占いはちょっとおすすめです。

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