コント交換note⑥

コント交換noteとはリレー形式でいろんな芸人がコント台本を書き進めていく交換ノートです。6話目の担当はわたくしザ・マミィの林田です!よろしくお願いします。

https://note.mu/polanakata/m/me431e3bc9b22

こちらにこれまでのみなさんのコントがまとめられています。ぜひ1話から楽しんでください!



第6話 ザ・マミィ林田


【明転】

※とあるお店。カウンターに店主と新人店員。

店主「いくらなんでもじゃん!ちょっと考えたら分かるじゃん!」

新人「・・・。」

店主「なんで?なんでこんなもん買い取ったの?」

新人「依頼してきた人が、やけに真っ直ぐな目してたんで・・・そういうやり取りが当たり前にあるのかなーって・・・」

店主「あるわけないよね?あるわけないよね!?日本中、いや世界中どこ探しても、へその緒買い取る質屋なんてあるわけないよね!?」

※店主、カウンターの上にへその緒が入った箱(ふたは開けておく)を放る
※新人、それを悲しい顔して見つめる

新人「・・・。」

店主「・・・。」

新人「・・・。」

店主「・・・。」

新人「でもこれだけは信じて欲しいんですけど本当にそれはそれは真っ直ぐな目してて・・・僕あんな真っ直ぐな目見たことないっていうか・・・というのも僕昔から人の目みたら大体分かるんです・・・この人本気だなとかこの人嘘ついてるなとか・・・で今回の目はマジ本気の目だと思ったんです・・・だから疑う余地なかったっていうか・・・でも正直言うと疑わないようにしてたようなところもあった気もします・・・あんな目見ちゃっといて・・・あんな目見せられちゃっといて・・・疑うのって何か違うかなって・・・それってこれまでの自分を否定することなんじゃないかって・・・だったら何があっても僕が買い取ってやるぞって・・・言うなれば質屋根性に火ぃつけられたっていうか・・・火ぃつけられちまったっていうか・・・まぁそんなところですね。」

店主「急にすげーしゃべるじゃん。しかも全然意味分かんなかったし。怖いよ。」

新人「・・・それに何より、このへその緒、きれいじゃないですか?」

店主「は?」

新人「ほら、よく見てくださいよ・・・この辺の曲線と、それに意外と光沢があって・・・かわいい・・・」

店主「え、お前、まさか、そもそもへその緒が好きなの?」

新人「いや、こんなにもへその緒のこと考えたの、これが初めてです。でも、自分、もしかしたらへその緒が好きなのかも・・・」

店主「そのおかしな扉、ただちに閉めな!」

新人「・・・どう思います?」

店主「は?何が?」

新人「性別ですよ・・・性別・・・このへその緒の先に繋がっていたのは、果たして男なのか女なのか・・・」

店主「・・・お前、ずっと何言ってん・・・」

新人「ていうか!!!このどちらか先は絶対、女になるのすごくないですか!!?〈女・女〉〈女・男〉はあっても〈男・男〉は絶対にないんですもんね!!!ふぉー!!!」

店主「どこで急にテンション上がってんだよ!怖いよ!」

※新人、へその緒を机に置く

新人「あれ?僕、なんか今急にテンション上がってました?」

店主「は?いや、いま相当上がってただろ。」

新人「うーん」

※新人、再びへその緒を手に取る

新人「僕、分かった気がします!これ絶対、男の子です!いまなんかビビッときました!」

店主「もういいよ、とりあえず落ち着けって・・・」

新人「あー!確かめたい!店長!僕、確かめたいっす!このへその緒の謎、解明させてください!」

店主「悪かった!悪かったよ、俺が働かせすぎて、頭がおかしくなっちゃったんだな?」

新人「僕の・・・?頭がおかしい・・・?」

店主「あぁ、そうだ。今日はもう上がっていいから、家でゆっくり休んで・・・」

※店主、新人からへその緒を取り上げようとする

新人「触るな!」

店主「・・・!?」

新人「・・・確かめる・・・僕が確かめるんだ・・・やーーー!!!!」

※新人、シャツをまくり、へその緒を自分のへそに合わせる

店主「お、おい!いよいよ何やってんだ!」

新人「うおーーーーーーーー!!!」

※新人、へその緒を自分のへそに当てたまま、激しく腰を振る

店主「な、なんだ?空気が重い!頭が痛い!うわーーー!!!」

※ここで照明を激しく点滅させる
※新人、白目になる

新人「男!年齢は18!B型だけど少し几帳面!バンドマンになるという夢を追って上京するもどこか覚悟は決まっていない!童貞!包茎!意外と女好き!好きなお笑い芸人は!サンドウィッチマン!ぶはぁ!」

※新人、床に倒れこむ

店主「おい!お前!大丈夫か?!何だ今のは!」

新人「・・・僕がへその緒を動かしたんじゃない、へその緒が僕を動かした・・・」

店主「・・・え?」

新人「やめろ、やめてくれ!!!!」

店主「おい!どうした!?しっかりしろ!しっかりするんだ!」

新人「やーーー!!!!」」

※新人、へその緒に導かれるように、さっきとは反対側を自分のへそに合わせる

新人「うおーーーーーーーー!!!」

※新人、へその緒を自分のへそに当てたまま、激しく腰を振る

店主「空気が・・・!頭が・・・!うわーーー!!!」

※照明を激しく点滅
※新人、白目になる

新人「女!年齢は44!AB型で少し天然!探し物?何かを探してる?強く願ってる?・・・へその緒だ!探してる!緒を探してるぞ!あ!来る!来る!もうすぐここに来る!ぶはぁ!」

※新人、床に倒れこむ

店主「おい!大丈夫か!?何だ?何が来るんだ?」

【SE】うぃーん(自動ドアが開く音)

女「ごめんください・・・あのー、つかぬことをお聞きしますが・・・ちょっと探してるものが・・・(照れながら)へその緒って・・・」

店主「・・・ひぃ!!!」

女「え?」

店主「なんなんだよ!なんなんだよ!金もいらない、へその緒でも何でも持ってきな!その代わり、俺とこいつの命だけは!命だけは・・・!」

※店主、新人を抱えて逃げるようにはける

女「あら・・・どうしちゃったのかしら?まぁでも、無事にへその緒も見つかったことだし、そろそろおうちに帰りましょうかね。」

【暗転】



次は、ドドん石田さんです。石田さん!なんかすいません!よろしくお願いします!

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