ただ、ふたりの会話



「あたしたちがカップルだと思われないのには訳があると思わない?」



「何それ。」



「格好がじじくさいんだよ。」



「でも俺はこの格好が好きなんだ。」



「何それ。」



「とにかく俺はこれが似合ってる。」



「似合うか似合わないかはこっちが決めることだから。」



「何それ。」



「そんなんだから、あたしあなたをお母さんに紹介しようって思えない。」



「俺は紹介とかに向かない人だから。」



「何それ。」



「どうせ俺なんか滑稽に生きてくしかないんだよ。」



「何それ。」



「俺はそうやって生きてきたらから。」



「どうせとか言ってる人の隣にいても何も楽しくないよ。」



「・・・。」



「・・・。」



「ちょっと発した言葉を全部いじくるなよ。」



「・・・。」



「心が疲れる。」



「じゃ何で毎回あたしに電話する?」



「お前のことが好きだから。」



「・・・あんた頭おかしいよ。」

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