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プレスリリース分析 ヤマダHDがナイスの筆頭株主に

建築資材事業などを営む東証1部上場のナイスは16日、ヤマダホールディングスと資本・業務提携することを発表しました。

株式会社ヤマダホールディングスとの資本業務提携、
第三者割当による新株式の発行及び主要株主の異動に関するお知らせ
https://www.nice.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/07/2021_07_16.pdf

ヤマダホールディングスは、傘下に家電量販店のヤマダ電機を有する持ち株会社です。ヤマダホールディングスは、ナイスによる約39億円の第三者割当増資を引き受け、18・30%の株式を保有する筆頭株主になる見通しです。ナイスは20年に金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で、元代表取締役2人が起訴され、東証から内部管理体制等の不備を指摘され、一時特設注意市場銘柄に指定されました。その後、一連の不祥事に関与していた取締役の辞任などコーポレート・ガバナンス体制と企業風土の再構築を図るとともに、子会社の整理・統合、有利子負債の圧縮、不採算事業のダウンサイジングなどにより、21年3月期の最終損益は前年の37億円の赤字から、20億円の黒字に転換を果たしました。

プレスリリースによると、ナイスは今年創業70周年を迎え、21年度を「新創業の年」と位置付けているとのこと。住宅関連業界は、人口減少や少子高齢化等の人口動態の変化などへの対応が必要となっているほか、木材事業の分野で、ウッドショックといわれる世界的な木材の不足、価格高騰が起こり、ビジネス再構築の機会ととらえ、「新創業の年」にふさわしい新たな施策を検討していたとのこと。ヤマダホールディングスの完全子会社で、住宅事業を行うヤマダホームズと数十年来の取引関係があったことで、今回の提携につながったようです。

ヤマダホールディングス公式ページ https://www.yamada-holdings.jp/

このヤマダホームズ、もともとは小堀住研→エス・バイ・エルという企業でした。11年に連結子会社、18年に完全子会社になりました。実はここ数年、ヤマダホールディングスは、企業買収を積極的に進めています。デンキ、住建、金融、環境、その他の5つのセグメントに分けて、事業を展開しています。主力のデンキセブメントでは、ヤマダ電機のほか、九州が地盤のベスト電器、秋葉原のパソコンショップで知られる ツクモ、ルーツや大阪が地盤の家電量販店だったマツヤデンキを傘下に収めています。また、住宅では先述のエス・バイ・エル、今回のナイスのほか、斎藤工のCMでも知られる元は埼玉が地盤の住宅メーカーのヒノキヤグループが連結子会社にしています。そして、直近では、経営者一族の「骨肉の争い」で一時話題になり、その後経営不振に陥った大塚家具を完全子会社としています。また、資本提携ではないものの、住信SBIネット銀行とともに、ヤマダ電機の会員向けに金融サービスも始めています。

ヤマダホールディングスでは、ただの家電量販店から住宅、金融、家電と親和性の高い家具など、「生活」という観点から今後も買収を進めていくと見られます。ナイスは建築資材で、今回の増資調達資金は物流センターの構築資金に充てるとのこと。ヤマダホールディングスが、今後物流方面へ何らかの事業展開をしていくことも十分考えられます。