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オヤカク オヤオリ

僕の同級生には、成人するまでの間に父親、母親共に病気で亡くしている人がいる。

お父さんのお通夜は、僕にとって人生初めての葬儀参列で、物心が付くか付かないかのおぼろげな年令だったが「親って死ぬものなんだ」と認識したことはずっと覚えている。

そして十年ほど経って、お母さんも亡くなってしまった。

息子である同級生とは学校は離れていたけど訃報はすぐに届き、けれど密葬だったようで、まだ一度も手を合わせることができていない。

彼は大学進学している様子も、就活をしている様子もなかった。

すでにお父さんの年齢を超えた彼には、自由に楽しく生きていることを願いたい。


親が両方いなければ、オヤカクも何もない。

僕は、オヤカクの際に親の異常性を見抜けないような会社には就きたくないけれど、親の異常性を見抜かれたら見抜かれたで採用取り消しになりそうだ。

給料交渉や、親の口座に給料振り込めくらいのことは、当たり前に注文をつけるような人間たちだ。

今の時代、僕みたいな家庭の就活生はきっと取り残される。

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