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#19 スペインでも食欲の秋 

長かった夏もついに終わりを告げ、一気に秋めいたバルセロナ。もう11月なので涼しくなるのは自然なのだけれど、それでも季節の変わり目は寂しくなる。10月中旬まで半袖で過ごしていた人々も、どんどん重ね着をするようになっている。中には薄手のダウンを着ている人もいて、ヨーロッパの人はやはりけっこう極端だなと思う。

秋の街並み

街を歩いていても、街路樹の葉っぱが色づいていたり、空の青さが夏とは違ったり、季節の移り変わりを目で見ることができる。そして、食材を買いに出かけると、どんどん旬な食べ物が変わっていく。夏は、いろんな種類のモモ、ネクタリン、スイカなんかが並んでいた。少し季節が過ぎると、イチジクやザクロがみんなの視線の先に。最近は、バターナッツカボチャ、ミカン、サツマイモ、クリ、キノコなんかが並んでいる。日本でも秋の味覚といわれる食材たちだ。

夏の食べ物

こんなことを考えていると、やはり都市的な暮らしの中で自然とつながる方法を知るというわたしの問いの答えは簡単に導かれる。それは旬の食材を知り、調理し、いただくことではないだろうか。

秋の食べ物

さて、11月1日はスペインの祝日。Todos los Santos(諸聖人の日)と言われる日らしい。バルセロナのあるカタルーニャ州では、Castanyadaと呼ばれるそうで、クリ、サツマイモ、そしてPanelletsを食べるのが伝統らしい。10月の半ばくらいから、道にはクリ・サツマイモスタンドが出現。モクモクと煙を出しながら、クリやサツマイモを焼いている。

山積みのクリ

Panellets はパン・お菓子屋さんやスーパーマーケットなどいろんなところで売っている。伝統的なマサパンのものに加えて、ココナツ味、チョコレート味など最近はバリエーションも豊富で、日本では『スペインの宝石箱』という名前で売られている商品もあった。

いろんな種類のpanellets 

恋人のお姉さんが、毎年手作りをしているそうで作り方を教えてもらった。まずは生地?土台の部分から作る。材料は、ジャガイモ、アーモンドパウダー、砂糖、卵白。ジャガイモの皮をむいて、茹でて、潰す。レシピによってはサツマイモを使う場合もあるみたい。そして、アーモンドパウダーと砂糖、卵白を混ぜて、ひとつのまとまりにする。そして、3時間以上、放置。

松の実やアーモンドをつけて

そのあとは、シンプル。直径3センチくらい?にまるめていく。そして、松の実やアーモンドダイスを周りにつけて、飾付け。けっこうシンプルなレシピだ。

たくさん並べると可愛い

生地は砂糖たっぷりのため、けっこうベタベタして丸めるのが難しい。なので、手袋をつけてやるとよいというアドバイスももらった。松の実やアーモンドは落ちてきてしまうけれど、そこはご愛嬌。

こんがり焼色をつけるために、卵黄を塗って

今回は、だいたい35個くらいできた。最後にちょっとずつ卵黄を塗って、落ちてしまった松の実をくっつける。そしてオーブンで焼く!

ドキドキ

冷めてからが食べ頃です。ジャガイモのねっとりした食感に、松の実の歯ごたえが合わさってとても美味しい!濃厚だけど、そんなにくどくない甘さです。

完成!

美食の国としても知られているスペイン。地域ごとにすごく特色があって面白い。今住んでいるのがカタルーニャ州だから、この地域の料理や食材、ワインなんかを楽しんでいるけれど、留学していたアンダルシアに行けば全然ちがう食を楽しむことができる。

そして、旬を食べるのは本当に幸せなことだと思った。自然の恵みに感謝して、人間は少しだけ手を加えて調理して、みんなで食事を楽しむ。そんな日常がずっと続けばよいのです。

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