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JAPAN を改めて聴きました。 David Sylvian

CD整理を進めていて、一旦は処分する箱に詰めたものの、
「しっかり聞いてないのに処分するのはいかがなものか」と思い直して、
サルベージして聞き直しました。

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その時点では、「しっかり聞いていた」と言えるのは名盤とされる「ブリキの太鼓」と「クワイエットライフ」のみ。

で、「クワイエットライフ」は、あまり気に入らなかったのでした。

以下は聞き直しての感想。
一応、10点満点での個人的評価をつけておきます。

10点をつけるのは「コレを処分することは死ぬまで無いだろう」という、本当に一握りのお気に入り作品になります。なんだかんだ1万枚近くはアルバムを聞いてきた私ですが、そういった作品は100枚は無いです。
なので一般的には、9点が最高点です。
8点が「傑作」
5点になると「資料的に聞いてよかった」程度 (傑作を生むプロセスとして必要だったのだな、とか、カリスマが抜けてもやれる意地を見せるために続けたんだろうな、などと納得する感じ)
4点は「悪くないけど聞くまでもなかった」。それ以下はそれなりです。

スタジオ・アルバム

『果てしなき反抗』 - Adolescent Sex (1978年、Hansa) 8点

メンバーからの評価は高くないけれど、ごった煮の楽しさが味わえる傑作。
たぶん私はコレが一番好き
どっちかというと、70年代前半のプログレっぽいロックのよう。

メンバーからの酷評の割には、冒頭がSEで始まるなど、作り込まれた形跡はちゃんとある。
シルビアンが本作を評価していないのは、プロデューサーやギタリスト主導の作品ということだろうか。

ALLMUSIC の評価も、一般に最高傑作と呼ばれる「ブリキの太鼓」と並ぶ、ジャパンの中では最高点の「4.5点」。ALLMUSICはファーストアルバムや、音楽性を確立した作品、またはブレイクした作品の評価が高い傾向があるけれど、それを加味しても、海外での評価が低いわけではないようです。

『苦悩の旋律』 - Obscure Alternatives (1978年、Hansa) 6点

シルビアンいわく「ファーストは良くない、セカンドはまだ許せる」

レゲエ風のタイトル曲、ニューヨークパンクっぽい前半から、アルバム本編ラストの2曲は、後年の耽美派の作風になる。
最後のインストは、「ベルリン時代のボウイが好きなんです!」という感じ。

『クワイエット・ライフ』 - Quiet Life (1979年、Hansa) 5点

シルビアンいわく「真のファーストアルバム」

デビッドシルビアンの歌唱方法は、ここでひとまずの完成を見た。というか、はじめの2枚での歌い方が異色 (だけど魅力的)。

私はピコピコし過ぎていて、あまり好きではないが、良いメロディの曲が多く、名盤と言われるのはわかる。

とはいえ、一番の名曲はベルベットアンダーグラウンドのカバーのオールトゥモローズパーティ。なので、この曲のバージョン違いがボーナストラックで入っています。

編集版 アセンブラージュ Assemblage 6点

傑作カバーとされるセカンドザットエモーションは、私自身はスモーキー版に耳慣れしすぎているため、良いとは思わなかった。

ヨーロピアンサン、ライフイントーキョーなど、アルバム未収録の重要な楽曲が含まれているため、総合的には「ジャパンを知るためには、聞かないといけないだろうな」という編集盤

『孤独な影』 - Gentlemen Take Polaroids (1980年、Virgin) 6点

全体的にはピコピコしていて、あまり好きではない。初期は中心的な役割を果たしていた、ギタリストの居場所がなくなっている。

坂本龍一が8曲目 Taking Islands In Africa に参加。坂本龍一ファンは、その曲一曲のために買っても損はしない気がする。この曲は、当時の坂本龍一の音楽とあんまり変わりないかも。本作中では明らかな名曲なため、11曲目にリミックスが入ってたりする。

スティーブジャンセン、ミック・カーンのリズム隊が本領を発揮しだした感はある。その意味で「スイング」は名曲というか、名演。

『錻力の太鼓』 - Tin Drum (1981年、Virgin) 8点

本国では一般的には「デビッドシルビアンのいた、ゴースト一曲の一発屋」なのかもしれない。
その「ゴースト」を含む作品。

その後のシルビアンの活動の道筋をつけた作品。

「こういう音楽がやりたかった」のであれば、1STと2ndに対して本人たちが批判的なのは、よく分かる。
3作目でバンド名を変えればよかったのかもしれない。

ライブ・アルバム
『オイル・オン・キャンヴァス』 - Oil On Canvas (1983年、Virgin) 8点

傑作ライブ。

スタジオでの加工が結構わかる中、ほとんど手を加えていないらしいスティーブジャンセンのドラムが素晴らしすぎる。

中盤の耽美派な箇所は辛かった。けれどアップテンポもしくはリズミックな箇所はスタジオ・アルバム以上。「ジャパンで何か一枚」と問われれば、私は本作を挙げる。

なお、このアルバムでの土屋昌巳さんのギターは、評価する人も多いけど、自分は「エイドリアン・ブリューの縮小版」と思った。

もちろん、ここでの土屋昌巳さんはサポートメンバーとしてやるべき仕事を行っているのであり、本作をして音楽性の判断はできないところ。

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