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青のフラッグを全力でおすすめしたいけど、なにを言ってもネタバレになってしまう


青のフラッグを全力でおすすめしたい。
でもなにを言ってもネタバレになるので、なにも言いたくない。
どうしても、ネタバレを知らないまま読んでほしい。

可能であるならば、この時点で読んでくれる人がいればいい。そして読み終わったあとに感想を教えあいっこできるなら、もっともっといい。

でもきっとそんな人は稀なので。
ネタバレにならない範囲で、なんとか言葉を尽くしてみます。

知らない漫画があるのがゆるせないなど、我こそは!という方はこちらのリンクからどうぞよろしくお願いします。



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青のフラッグとの出会い

さて、リンクをふまずに生き残ってくださったみなさま、ありがとうございます。
青のフラッグは、ジャンプ+で連載されていた漫画です。すでに最終回を終えて完結しています。あらすじとなるようなキーワードは、
【高校3年生】【恋愛】【青春】【進路】
甘酸っぱくてきらきらして、心臓がきゅうっとなる。

この時点で、おいおい大好物だよ、となった方はこちらです。

わたしは最近まで漫画より小説派で生きてきました。
なので、ジャンプとジャンプ+の違いもよくわかっていません。ジャンプもONE PIECEしか知りません。
有名な少女漫画は、高校時代、となりの席から回ってきたものを机の下で読んでいましたが、背徳感が勝ったのか内容をまったく覚えていません。

そんな漫画初心者のわたしが、在宅応援で有名なジャンプ作品が無料公開され、この機会にどれか読んでみるかと、なんとなくジャンプ+のアプリをダウンロードし、なんとなく青のフラッグが目に留まり、なんとなく読み始めたら止まらなくなって、気づいたら1日で読破してしまった、それが最終回が公開された4月8日の出来事でした。運命かよ。

よくよく調べてみると、ジャンプ+で連載されている漫画は「初回無料」で「全話」読めるようです。ただし連載中に限る、とのことで、最終回の更新日に出会えたわたしはあまりにも運がよく、一気読みできてしまったわけです。
(現在は1~5話が無料で読めるようです。)

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青のフラッグがすごいのがここからです。

それから3日間、わたしは仕事そっちのけで青のフラッグのことばかりを考えていました。
Twitterで感想やら考察やらを検索し、読み返そうにも2回目は課金が必要なことにやきもきし、とりあえず友だちに「やばいの見つけたよかったら読んで」と勧め、またTwitterで検索をかけ、やっぱり読み返してぇなと思い悩み、気づいたらコミックスをネット注文していました。

青のフラッグが伝えたかったメッセージは、きらきらキーワードからはまったく想像できなかったものでした。
あまりにもリアルな人間関係やスクールカーストを通して、登場人物それぞれの気持ちや言葉が、わたしの思考に訴えかけていました。


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なぜか読み始めたら止まらない

なぜ、、、なんでしょうか、、?(聞くな)

高校3年生のクラス替えのシーンから始まり、体育祭、テスト期間、夏休み、文化祭などの行事を経て、恋や友情や進路に悩みながらの1年間。

物語の前半を読んでいるときのわたしは「あ~だれの恋も実らないようなよくあるやつか~」というテンションでした。
ドラマでもよくある三角関係で、「片思いが実らない1人あぶれちゃう人」のことがいつも推しになるわたしは、あのパターンだなあと展開を予測しながら読んでいました。

夏休みくらいまではまだ、あ~この人はこうであの人はああなんでしょ?で、こうなるんでしょ?と俯瞰しながら、読むのと同時並行して、話を頭で整理する余裕がありました。

でも文化祭くらいから急に、物語が新幹線のスピードでぐわんぐわん進むんです。登場人物ひとりひとりの感情がものすごい勢いで流れ込んできて、振り落とされないように必死にしがみついて、それでいて続きが知りたくて。

どんどんページをめくって、気づいたら最終回まで全力疾走し、エンディングを迎えたところで、あれ、なにがどうしてこうなったんだ、と震えます。

全速力で足を動かしていた(実際にはスクロールする指)ところに急ブレーキせざるを得なくなって、渦に巻き込まれた感じが抜けなくて、ぐるぐるぐるぐる、3日間、青のフラッグのことを考え続けたわけです。

もちろん急いで読みすぎて内容を把握し損ねた、ということではなく。
新幹線に乗っているときには気づかない、道端の花の形とか色とか、そういう細かい描写を確認したくなりました。

ネット注文したコミックスをぺらぺらしながら、青のフラッグは、誰目線で読むかによって、何回目でも新鮮に感じるなあと思いました。

わたしは群像劇がとても好きで、青のフラッグがその様式で描かれていることもハマった理由のひとつです。
群像劇の魅力は、最初はいい印象をもっていなかった登場人物も、その人の背景や心の中を知ってしまうと嫌いになりきれない(なんなら好きになってしまう)ところ。

まんまと箱推し不回避です。

なぜ読み始めたら止まらないのか、わたしには解明できませんが、とにかく止まりません。おすすめしたらすぐ読んでくれた友だちも、「止まらないのわかる」と2日で読破していました。仕事そっちのけで読みたい!という気持ちを抑え、仕事はちゃんとしていました。えらい。

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たぶん表現方法がすごい

前述のとおりわたしは漫画初心者なので、表現方法とかもよくわからないのですが、青のフラッグは表現の仕方がきっとものすごいのだと思います。

セリフがめちゃくちゃ多いところと、完全に絵だけでコマが進んでいくところの緩急がすごい。
セリフがなくても登場人物の表情、目線、しぐさで感情がありありと伝わってくるところがすごい。
人物の表情だけじゃなく、背景がめちゃくちゃ細かくてすごい。
第三者の視点で見ているのか、登場人物の視野なのか、その切り替えがすごい。
ちがう場所で進んでいる話を、同時並行して描いて、それがリンクしているのがすごい。たぶんめちゃくちゃうまい。

コミックスの装丁が美しい。空がきれい。
登場人物が急に二頭身になってのほほんモードになるのがかわいい。

とりあえず、いろいろすごい。あれとか、これとか、ネタバレありで話したい気持ちです。

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青のフラッグをもし読み終えたら

青のフラッグを読み終えた人がいらっしゃったら、こんな質問をしたいし、語り合いたいです。

・どの登場人物にいちばん近いなと思いましたか
・好きなセリフ、場面はどこですか
・恋愛と友情はどっちかを優先させますか
・そもそも好きってなんでしょうか
・友情が成り立つのはどんな条件においてですか
・子供のころ、周りにいた大人はどんなひとでしたか
・正直な気持ちを話せる人や環境はありましたか、ありますか

だれかひとりの登場人物に深く共感したり、自分に近いな、とおもうかもしれないし、何人かの登場人物が気になったりするかもしれません。
もし、推しができたら教えてください。そこから派生したトークテーマが300個くらいあります。

続きはwebで、、じゃなくて、続きはネタバレありの世界で待っています。

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ただの恋愛漫画ではない

高校生・青春・恋愛・進路、、、この単語の羅列から想像できる、青春漫画や恋愛漫画というくくりに入れるのはもったいない作品です。
26歳(わたし)にもぐさぐさ刺さる「人生をどう生きるのか」がテーマの漫画だと思いました。

もちろん学生のみなさまにも読んでほしいけれど、大人になった、これからも大人として生きていく、あなたにこそ読んでほしい。

「あのとき誰かにこの言葉をかけられたかったな」と少しせつない気持ちになったり、これから何度も繰り返すであろう大切な言葉と出会えたり、そして、失敗も後悔もふくめた自分を肯定してそっと背中を押してくれる、そんな漫画です。

人生は選択の連続で、(いまも混沌とした見えない未来が浮かんでいるなかで、)迷ったり間違えたり傷ついたりしながら、それでも自分で考えて選んでいくしかないんだという、どこまでも現実的できびしくもやさしい青のフラッグをたくさんの人に読んでほしい。

そして願わくば、青のフラッグが大量増刷されたあかつきには、祝!増刷!番外編スペシャル!として5話くらい追加されますように。
5話がむりなら15話でも大丈夫です。

それでは満を持して、3度目の正直。

あと、コミックスのリンクも。e-honで買うと本屋さんの応援にもなるようです。心のオアシスである本屋さんを応援したい。

現在は物流やもろもろの影響で、書籍自体の供給も安定していないようですが、じわじわ復活するはずなので。
やっぱり紙をぺらぺらしながら読むのって、いいですよね。

ラストの8巻は6月に発売予定なので、わたしはそれまで絶対に生きます。

みなさまもそれぞれの場所で。
うっかりネタバレが目に入るまえに、青のフラッグを手に取ってみてください。

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あとがき

人になにかをおすすめする、が本当に苦手でいままで避けてきました。絶対に絶対に気に入ってくれる!と確信がもてるような、気ごころのしれた友だちにしか、いやそんな友だちにさえも、どきどきしながら「よろしければ、もし仮に、ものすごく暇ならこれを。」と言ってきました。

なにかをおすすめすることは、自分の心底すきなものことを他人にさらけ出すことで、つまりわたしは自分を出すことが苦手で、自信がないのだと思います。
好きだな大切だなと思っているものを、好きじゃなかったと言われると、自分まで嫌われたような、そんな気がして。自意識過剰なんですよね。

広大なネットの海にわたしの意見をほそぼそと垂れ流したところで、宣伝しなければ見つけてもらえないし、見つけてもらえないのなら自分の意見は言っても言わなくてもおなじ。
なにも、変わらない。だったら、言わなくていいか。

と、思ったところで「んなわけあるかー!!」とわたしの中のマミが顔を出しました。(これは盛大なネタバレです、本当にすみません、青のフラッグのどこかでマミが「んなわけあるかー!!!」と叫びます)

自分の意見は言っても言わなくてもおなじで、なにも変わらないなら、言ってもいい。言えばいい。言っちゃおう。

もしこのnoteをなにかの拍子に見つけて10人が読んでくれたとして、10人とも半分くらいでリターンする可能性と、そのうちの1人が青のフラッグを手にしてくれて、あんまりハマらなかったなと思う可能性と、うわこれものすごく好きだ教えてくれてありがとうと思う可能性は、おそらくそんなに違わない。

青のフラッグを読んだだれかが、そんなに好きじゃなかったと思っても、そりゃあ好みの問題で、わたしの好みが否定されたことにはならないし、なんなら、もう、好きじゃなかった理由を聞きたい。青のフラッグをもっといろんな視点から見たい。議論したい。

少なくともわたしは青のフラッグ沼にひたひたになっていて、それだけが紛れもない事実ならもう十分なのだけれど、もし、このnoteがきっかけで青のフラッグと出会ってくれる人がいるならうれしいなあ、これくらいは高望みしてもいいのかなあとおもって書きました。

高望みをひとつ言うとさらに強欲になってしまうもので、キナリ杯に応募すれば岸田奈美さんという読者を、半分でリターンせずにまちがいなく最後までたどり着いてくれる読者をひとり得られる、という心強さを求め、あとがきまで書いてしまいました。

あとがきに共感してくださった方は、きっと青のフラッグ沼にハマりますよ。(商売上手か)

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殻をやぶる勇気をくれた、青のフラッグと岸田奈美さんに感謝します。
あとはあなたが青のフラッグを読んでくだされば、もう大大大満足です。


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