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時給で見るキャリア考察

こんにちは、RtoRの井川です。
 
皆さんは年収1000万円の人と、年収800万円の人がいると年収1000万円の人のほうが稼いでいると思われるのではないでしょうか?
 
もちろん総額だと年収1000万円の人のほうが稼いでいることは確かでしょう。しかし、年収1000万円の人はマネジメントも行っておりハードワークで毎日出社、年収800万円の人はフルリモートワークでフルフレックス、月の残業時間は0時間だとしましょう。
 
年収1000万円の人(Aさん)…
8時間労働×21日(月の稼動日数)+残業時間月60時間×12か月=2736時間
通勤時間片道1時間×2×21日=42時間×12か月=504時間
会社に直接的に献上している時間は3240時間
 
年収800万円の人(Bさん)…
8時間労働×21(月の稼動日数)×12か月=2016時間
通勤時間なし
会社に直接的に献上している時間は2016時間
 
この2人の1時間当たりの時給は、Aさんが3086円でBさんは3968円になります。何とBさんのほうが時給換算すると900円近く高いのです。
 
しかも、Bさんはライフワークバランスもとれているので、プライベートも充実しており、心身ともに健康です。
 
Aさんは年収1000万円もらっているものの、朝から晩まで働いて、週末も疲れを取るため時間になり、家族サービスなどがある場合はもう疲労困憊状態です。
 
このように年収総額だけみると「世の中水準と比較してイケてる」と思いがちですが、時給に置き換えると「案外そうでもない」ことなどがわかります。
 

「残業時間と通勤時間を減らそう」


上記の通り、個人の働く生産性を左右する大きな要素として、「残業時間の差」があります。また、以前は多くの会社員は毎日出社することが当たり前でしたが、現在はリモートワークが多くの企業で導入されており、アフターコロナも継続する考えの会社が多いように思います。
 
したがって、「通勤にかける時間の差」も個人の生産性を見る上で私は重視すべきだと考えます。(企業の論理としては誰がどの程度通勤に時間を割いているかは関係ない)
 
例えば、下記のような例で考えてみましょう。CさんもDさんも同じ年収600万円です。
 
Cさんはハードワークで有名な大手人材会社で働いており、基本毎日出社している。
8時間×21日×12か月=2016時間+残業時間(60時間×12か月)
=2736時間+通勤時間(片道1時間×2×21日×12か月)=3240時間
 
Dさんは残業時間がそれほど多くない中堅人材会社で働いており、基本リモートワーク。
8時間×21日×12か月=2016時間+残業時間(20時間×12か月)
=2256時間+通勤時間0時間=2256時間
 
2人の給料を時給換算すると、Cさんは1851円でDさんは2659円です。
同じ年収でも時給換算するとDさんのほうがCさんよりも約144%も時給が高い計算になります。

 

「残業時間・通勤時間だけに捕らわれるなかれ」


 他方で、そうは言うものの、このような観点だけで仕事を選ぶのも良くありません。

特に若いうちは多少残業時間が多くても、「得られる経験」を重視したほうが良いと思います。
 
残業時間が多くハードワークでもその分得られる経験が多ければ、将来その経験が生産性を上げていく糧となるでしょう。
 
また、仕事は非対面よりも対面のほうが得られる情報や経験が多いことは明らかだと思います。その面では出社して仕事をすることにこだわる会社や経営幹部が多いのも頷けます。

 
しかし、上記の通り出社の頻度により「通勤時間の格差」も出てきているため、通勤時間がある人とない人では満足度が大きく異なってくることもまた事実でしょう。毎日通勤させてそれが理由で社員が辞めてしまっては元も子もありません。
 

「時間生産性を高めよう」


 結局のところ、「年収○○万円稼いでいる」という観点は、仕事が1つしかないという前提や、仕事に「全集中」している前提の話であることが多く、これからの働き方の価値基準に合っていないように思います。
 
これからは、副業や業務委託でメインの業務以外の仕事で収入を得ていくこともあると思いますし、自分が家事育児を受け持つことによるパートナーの収入増加など、様々な捉え方が必要になってきます。
 
正社員の仕事が月給40万円で時給換算したら2000円だとして、副業の仕事は月に5万円程度の収入でも時給換算したら5000円もあるとなると、副業の方により力を入れていくほうが経済合理性は高いわけです。
 
20代、30代は仕事そのものから得られる経験や実績を重視してハードワーク一辺倒でも良いと思いますが、30代半ばから40代以降はその経験や実績から仕事もプライベートも充実させるべく、生産性の高い仕事の仕方をしたいものですね。
 

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