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『シリーズ・企業トップが学ぶリベラルアーツ 宗教国家アメリカのふしぎな論理 (NHK出版新書)』

『シリーズ・企業トップが学ぶリベラルアーツ 宗教国家アメリカのふしぎな論理 (NHK出版新書)』森本 あんり著


「異なる文化圏の人たちの価値観や行動原理を歴史や哲学、宗教などのリベラルアーツを学ぶことできちんと把握すること」グローバルな時代を生きるビジネスパーソンには、このことがもはや必須といってもいいのです。」ということで読んでみようと思った。


グローバルな時代を生きるビジネスパーソンすべてにお勧めの一冊ということになろうか?。


著者は、1956年、神奈川県生まれ。国際基督教大学(ICU)人文科学科教授。国際基督教大学人文科学科卒。東京神学大学大学院を経て、プリンストン神学大学院博士課程修了。プリンストンやバークレーで客員教授を務める。専攻は神学・宗教学。

「日本では一代で成功した「成り上がり者」や「にわか成金」にはどこか冷たいまなざしが向けられますが、アメリカの判断基準では違います。なりあがりこそが正しい成功方法なのです。」

ポイント
① 「アメリカという国がさまざまな側面において、宗教という鋳型で作られているからです。現状を読み解くうえでは、神学的な理解が不可欠です。しかもこれは、ニュースの表面にはけっして出てこないことなのです。」
② 「自己啓発の元祖  ピールは、教会の地下室で始めたカウンセリングをアメリカの一大ビジネスへと成長させ、ラジオや雑誌などのメディアを通して全米に知られるようになりました。  しかしそれ以上に、彼の名が歴史に刻まれることになった理由は、なんといっても一九五二年に出版された『積極的考え方の力』( The Power of Positive Thinking)です。1960年代の終わりごろ、このピール牧師の説教に心酔した一人の青年がいました。これが若きドナルド・トランプです。トランプ青年はピールのことばを徹底的に受け入れまさに、「積極的思考」の生ける模範となりました。」
③ 「ヴェーバー理論はアメリカにこそ適合する しかし、やがてこの論理は逆回転を始めます。「正しい者ならば、神の祝福を受ける」が逆になり、「神の祝福を受けているならば、正しい者だ」となるのです。  この逆の推論を中核部分としているのが、マックス・ヴェーバー(一八六四―一九二〇)の理論です。」
④ 政治とは本来、妥協と調整の世界です。一方的な善の体現者もいなければ、一方的な悪の体現者もいません。しかし、ひとたび全国民の「声なき声」を代弁する立場をまとうと、彼らの闘争には「悪に対する善の闘争」という宇宙論的な意義が与えられ、にわかに宗教的な二元論の様相を帯びてくる。だからポピュリストの発言は、妥協を許さない「あれかこれか」の原理主義へと転化しやすいのです。」

本書の目次から印象的な言葉をいくつか抜粋するので、気になった言葉があれば是非本書にあたってみてほしい。
●アメリカをつらぬく「勝ち組の論理」
●神を持ち出し「幸福」を正当化する
●反知性主義という伝統
●アメリカとイスラム世界の共通点
●ハーバード主義への反発
●知性があっても大統領になれない
●「なんでもできる」精神


成功したということは、神様も味方してくれているからなのだ。。だから自分は正しい。。
正しそうな論理にも聞こえるが、一方的な気もしてしまうが。。。

「反知性主義」は面白い考えだ。。巨人は嫌いだに近い発想かな?
#森本あんり #リベラルアーツ#rubiconbookreview


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