タピオカ

タピオカってあるじゃないですか。


昨今やたら流行ってますよね。


でもあれ、もっと昔から存在しててみんな飲んでませんでした??


デ○―ト王国(イマドキのスイーツ店に恵まれない田舎の女子中・高生のオアシス)でクレープとともに威厳を放ってましたよね。


私あれ、小さい頃から好きで。お母さんがよくスーパーで買って来てくれて、隔週ペースくらいで飲んでました。


だから私にとってタピオカって、インスタ映えする武器ではなく、実家にあった肌触り最高のタオルケット的存在であって、その、全然特別なものじゃないんです。
え、なんで今更ブームになってるの??そもそも昔から当たり前にあったじゃん??
ってめちゃくちゃ思ってしまって。


小学生の時一緒に公園で泥まみれになって遊んでた友人が、テレビで有名になってしまったような、そういう感情を勝手に抱いてるんですね。


私どうも流行に乗るのが得意じゃなくて。


何年か前ガウチョパンツなるものがファッションブームの頂点に君臨したあとに、それから派生?して、ワイドパンツとか、似てるけどちょっと違うものがバンバン出て来ましたが、(情報に疎いため、なんかもっとあった気がするけど名前が出てこない)私その派生したガウチョ族のパンツたちがあまり好きになれなくて。


可愛い人が履けばそりゃなんでも可愛いですけど。寸胴な人をさらに寸胴にしていくあのスタイル、あまり良さがわかりませんでした。


あと私背が低くて、あれらのパンツ、丈が長すぎるんです。私はギリギリ床につかないくらいでしたが、私よりも背の低い高校時代の先輩は、「なんか童顔も相まって、七五三の袴みたいなんだけど」と嘆いていました。


それ以外にも、私はどうしても流行を敬遠してしまうタイプの人間なのです。


中には好きになれる流行もありましたけど、なんか気にくわねーな、って奴が多くて。
人間でもそういう人いませんでしたか??あいつ顔も頭も良くて部活でも活躍しててリア充て、毎日タンスの角に順番に足の指ぶつけてくれないかな、みたいな。そういうこと思っちゃいます。


結局は私が、「流行に流される安い人間になどなるものか」というしょうもない意地を張ってるだけなんですけどね。


そんなめんどくさい私なんですけど、そもそもタピオカ自体は小学生時代からの友人であり、それ自体に何ら罪はないことはわかっているんです。


タピオカブームが思ったより長く続き、そろそろ私も旧友に会うのを我慢できなくなってきました。


それで先日、とうとう負けて、ブーム到来以降初めてタピオカとの会合を行いました。


場所はドトー○コーヒー。タピってみる?と書いた旗を見つけ、私は突入しました。
店員さんに「こいつもまたタピりに来たのかよ」と嫌がられるのを覚悟で(私の前後に並んでいた人はどちらもタピっていた)商品を注文。
作っている様子を見て「あ…タピオカってあんな感じでタッパーに入れてるんだ…」と感心しているうちに、いよいよタピオカとご対面しました。
空いている席に着き、緊張しつつも、ピッチャー第1粒目を、吸いました…!


え…!?歯ごたえすごくない…??


そこにいたのは、私の知っている友人ではありませんでした。
私が思い描いていたのは、もっとプニプニと柔らかい食感だったのですが、そのタピオカは弾力がすごかったのです。


友人は…知らない間に筋トレを頑張っていて…お腹の脂肪を筋肉に変えていたのかな…。


私は謎の寂しさを覚えて店を出ました。


しかし結果として、これをきっかけに私はタピオカブームとの間の壁を薄くすることが出来たのです。


いくら友達が筋トレでシックスパックになって芸能界で大活躍していたとしても、友達であることに変わりはないじゃないか…!!そう思い直しました。


そして数日後、二度目の会合を行いました。
今度は家の近所のファ○リーマートです。今は本当にどこでもタピオカが売っていてすごいですね。キャッサバ農家さんはさぞかし忙しいでしょう。
入店後すぐに商品棚に陳列されたタピオカミルクティーを手に取り「あいつもタピるのかよ」と思われる恐怖を感じる暇もないくらいスピーディーに購入。
きっとこいつもパンプアップした歯ごたえ抜群タピなんだろうな、と思いながら飲みました。


あれ…プニプニやん…!!
シックスパックじゃない!!脂肪のままだ!!
私の知っているタピオカだ…!!


私はとても嬉しくなりました。


今度こそ私は友人と再会できたのです。あの筋トレ前の、仲が良かった頃の友人に!
そんなわけで私は友人と和解しました。


これを機に、流行をなんでも敬遠する癖を改め、楽しい世界を生きていこう。そう思いつつ結局はプニプニをタピるんですけどね。


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