X(コンテンツプロバイダ)に開示請求を行い、入手したメールアドレスと名前を使って示談を持ちかける示談金ビジネスについて
情報開示請求の仕組みや、X(旧Twitter)での担保金の扱いが変わるようですので、この記事にどこまでの有効性があるかはわかりませんが、私が理解した限りにおける、示談金ビジネスのスキームについて記しておきます(2024年3月7日現在)。
X(旧Twitter)での発信者情報開示請求について
以下のページから要点を引用します。
発信者情報開示請求は、権利侵害を受けた側が行い、問題の書き込みを行った者のIPアドレスなどを取得できるというものです。IPアドレスしか取得できない場合は、アクセスプロバイダーに対して開示請求をかけることで、相手の個人情報を取得します。Xではメールアドレスと電話番号を加害者が登録していれば、それも入手できます。
開示請求された側について
Xに対して開示請求が行われ、「発信者情報開示に係る意見照会書」が自分の元に届いた場合、どうすればよいでしょうか。
調べてみてわかったこと
自分がネット上の書き込みに対して発信者情報開示請求を受けた場合、自分の行動に問題はなかったと考えていたとしても、拒否することはけっこう勇気が要りそうです。上に引用したように、ネット上で弁護士事務所などによって提供されている情報を参照すると、開示請求を拒否することのリスクが書かれていたり、拒否する場合は、弁護士に相談するよう書かれていたりします。そのため、おおごとにしたくなければ示談で和解するのが一番てっとり早く、安上がりに住みそうだと考えてしまいそうだからです。自分の書き込んだ言葉がどの程度アウトなのか判断することは素人には難しく、開示請求に応じて相手の怒りを鎮めたほうが得策だと考えてしまう人が多いでしょう。相手側の主張が正しくない可能性については申し訳程度にしか記されていません。
そこで恐ろしいのは、示談金を得ることを目的として活動している人物が存在した場合です。ネット上で顰蹙を買うような活動を行い、たくさんの人の注目を集めたうえで、もしかすると、ときに別人に成りすまして当人に対する誹謗中傷にあたるような発言をします。これに乗せられた人たちが少し過激な発言をするのを受け、待ってましたと情報開示請求をかけます。うまくいけば、書き込んだ人たちのメールアドレスと名前を入手できます。裁判は費用がかかる割に勝てても得られる賠償金は少ないため裁判は起こしません。得た個人情報を使って和解を持ち掛け、数十万円ほどの示談金を得るのです。ひと月に3人ほどを相手に成功すれば、十分暮らしていけるでしょう。自分が書き込んだ内容がそれほど問題のないものであったとしても、開示請求され、メールが届いたとなれば、示談に応じてしまう可能性は低くなさそうです。
自分にも非があったかもしれないと思えるような言葉を書き込んだ側にも問題はありますが、相手のやっていることは示談金詐欺のようなものだという言い方もできるのではないでしょうか。相手が裁判を起こす気がないのであればなおさらです。こうした人物に当たらないとも限りませんので、ネット上で炎上事件があり、過激な書き込みを見かけたとしても、それに乗せられて同じように書き込むような行為は慎み、節度と常識を持つようにしたいものです。
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