最近の記事

17歳

さっきまでの事がまるでなかったように、彼女はセブンイレブンでどっさりと買い込んだ食べ物を貪っていた。 彼女の名前は、ひな。苗字は……解らない。恐らく、「ひな」という名前も偽名だろう。 彼女はまだ17歳だった。きっと、世の中の17歳は青春を謳歌している最中だろう。 彼女は普通の17歳とは違った。いや、普通の17歳が何かは僕も解らないが。 ひなは幼い頃から可愛いものが大好きだった。可愛い洋服、可愛い雑貨、可愛いアクセサリー。いつも買ってくれるのは優しい母親だった。ひなは母

    • 心中

      彼の目がとても怖かった。この数十年で見るのは2度目だったから予想はついていたが、何度思い出してもこの時の人間の眼、いや決めた貴方の眼は私にとって怖かった。本当に心の底で本当に生きていたいのはこの私ではないか。なんて最低なんだ。私はその感情に今までとは違って、更に立腹して心に決めた。嗚呼、本当に終わりなんだなぁ、と。 今年の秋からは本当に楽しいことばかりだった。だからこそ、今の自分が受け入れられなかった。今までの生活では考えられないほどの出来事だったので、私は生きている実感が

      • 罪悪感

        こんなクソみたいな世界をまだ生きてみようと思えるほど、僕はあの子を、愛していた。 大抵の人間はまさかインターネットで流れてきた子供とか、身近のクラスの他人が消えてしまうなんて思わない。 人はいつ消えちゃうかわからないよ。っていう人間だろうが、いざその経験をしてしまえば自分の周りに何が起こってるかなんて理解し難い出来事だと思う。 それでも僕は何かと経験してきたから、どの人間が消えてしまうのか、だいたい予想は着いていた。こんなことを言ったら世間からはまた、不思議ちゃんとでも思