【秋華賞】最終結論

【レースのポイント】
今年の3歳世代は、リバティアイランド以外は混戦で、実際桜花賞とオークスの2.3着馬の顔は全く違う。世代間は "適性" よりも "能力" 重視と言われるのが正しいのなら、桜花賞やオークスでも好走馬は殆ど似た顔ぶれになるはずだが、今年も例年通り異なる。

桜花賞2着コナコースト→オークスで7着
桜花賞3着ペリファーニア→オークスで12着
オークス2着ハーパー→桜花賞4着
オークス3着ドゥーラ→桜花賞14着

つまり、桜花賞・オークスとでは、能力より適性面に強さが生じてしまい、両方好走できる馬の割合はかなり低いことが分かる。
最近の傾向から、桜花賞は1400mも対応できるスピード能力、オークスはバテあいに強いスタミナ能力の相反する力の求められ方が、適性面の強さを強調してるのである。
しかも、追い討ちをかけるように、トリッキーすぎる京都2000mというのがより適性面の強さを強調させる。スタートして、1コーナーまでの直線が短く、内回りでラストは平坦なので、前有利かつ前目で競馬したい騎手心理が働く。となると、どんなメンバーであれ、前半速く余裕で60秒を切ってくるし、59秒台以下になる年も普通にある。これだと、能力を発揮しやすい王道の東京2000mとかに比べると、能力全開になりづらく、前半が速いので差せる馬は必然的に狙っていきたい存在。また、器用さだったり、Hペース適性や、昨日降った雨馬場による重適性、は非常に重要になってくると判断。

【見解】
重要なのが、リバティアイランドがどんな競馬をするのか?というより、リバティアイランドより前なのか?後ろなのか?で好走できる馬のタイプは全然異なるのではないかというのが肝。
京都2000mの3コーナ付近から下り坂に入り、直線短いが故に、早々と進出し、できるだけ4コーナーを早めに通過したいのは例年と変わらない秋華賞になる。ただ、大きな違いがリバティアイランドの存在で、"強烈な末脚を持っている" というのが、展開を難しくさせているように感じる。
おそらく、3コーナーから早めに動くであろう馬が、ハーパー、コナコースト、グランベルナデット、ドゥアイズ、ラヴェル、ヒップホップソウルなど。有力馬かつそれで実績を残して来た馬が殆どで、直線リバティアイランドをいかに離しているか?これが上記の馬たちのポイントになり、好走の大条件。
しかし、京都は結構雨が降った関係で、道中速いペースで走っていると尚更、スタミナ消費するし、秋華賞のレース質からも狙い馬は、リバティアイランドよりも後ろで競馬をする2.3着狙い馬を狙う方が良いのではないか?と判断したい次第である。

正直、これは賭け。私の展開予想が外れれば、前目で残る馬の好走が全然あってもおかしくないし、コースは東京2000mではなく京都2000m。混戦すぎるメンバーなので、"適性面" を軸に展開、能力、諸々総合的に判断した3頭印で勝負させていただきます。
これで外しても、悔いのない3頭なので宜しくお願いします。
 


【印】予想
◎リバティアイランド
〇モリアーナ
△ドゥーラ

本命、◎リバティアイランド。今年は、オークスのレベルが段違い。例年に比べても、オークスはトップレベルにあるというのが私の考え。
このレースのラップ→12.3ー10.5ー12.3ー12.6ー12.3ー12.0ー12.0ー12.0ー12.0ー12.0ー11.6ー11.5。正直、3歳牝馬GIでこんなラップは見たことない。まずテン2F目が10.5。これから2400mを走りきる牝馬にとって、直線長く末脚を持続させる必要があるのにも関わらず、テン2F目の10.5は相当速い。しかも、そこから13秒~14秒にラップが急激に落ち込めば、その区間で脚を溜めることができたが、一番緩んだ箇所でも、テン4F目の12.6だけ。そこから残り8F全て減速することなく、淡々とラップを刻み続け、前半1000m60.0秒の3歳牝馬にとってはまさに地獄のようなスタミナ戦に。そこから、ラスト4F12.0ー12.0ー11.6ー11.5を楽々ちぎったリバティアイランドはもはやヤバイ馬という存在だし、想像をはるかに超えた馬になっている。
オークスの走破タイム2:23.1というのは歴代2位の値で、上述した後半5Fが加速ラップというのは、過去に3頭しか記録していなく、ジェンティルドンナ、オルフェーヴル、そしてリバティアイランド。しかも、ジェンティルドンナとオルフェーヴルが接戦を演じたジャパンCと同タイムで駆け抜けていることからも、将来相当楽しめる馬になるのは間違いない。

唯一、不安な点としては、内枠ぐらい。上がり3F10秒台を新馬の時マークしたが、本質的に一瞬にキレるというより、持続面でのスピードが抜き出ている印象で、アルテミスのように前が壁で追い出し遅れた時のリカバリー力は気になる。それでも、適性異なる桜花賞、オークス連続好走、オークスの方が着差が広がる完璧な競馬で、死角は少ないと判断している。
 

対抗、〇モリアーナ
リバティアイランドの2.3着拾いに一番可能性のある馬がモリアーナ。元々、ラストの末脚の質というのは、新馬で後半4F45.7という破格の数字をマークしているぐらいレベルは一定のモノがあったが、その後結果が奮わず形上、紫苑Sで優先権を取れて出走できたみたいな感じ。ただ、これまでの敗因はしっかりしており…阪神JFは、初の長距離輸送、レース中の不利、本質的に前半から急がせる1400m向きのマイルは合わないなどで12着。クイーンCは、稍重で1:33.1の好タイムが出るぐらいのハイレベル戦をコーナーで徐々に外に進路を切り替えながら、一気に先頭に立つも最後失速で同じ脚色になってしまい3着。ニュージーランドは、外目から早々と仕掛け、手応え良く直線走れていたが、ラスト坂越えで失速の4着で早仕掛けが敗因。NHKマイルCは、終始死んでいる内を走らせれ、かつ直線外に切り替える出走馬の中で一番横にスライドした動きが目立った6着。と敗因は早仕掛けや展開、適性合わず…が殆どで、どれも力負けではなく、脚の使い所がこの馬はポイント。
それをしっかり披露できたかつ本来の走りが紫苑Sの走り。この馬は、ピッチ走法が故に、使える脚の短さとそれをフルに最後活かすためには前半の向き合い方が重要になってくる。なので、理想距離は前半速くなるマイルではなく、1800m〜2000m。そして、早々と先頭に立たせない脚をいかに最後まで温存して追い出せるかがカギであって、それを実際体現してくれた鞍上と共に適性が向きそうな今回、面白い存在。馬場が渋った中でも実績あるし、何より札幌実績のある本馬は、前半スピードとラストはスタミナの両方求められる秋華賞は、ドンピシャな存在。ここは、2番手として大きく狙って行きたい。

3番手、△ドゥーラ。
今年のオークスを最大評価。今年のオークスは、リバティアイランドが抜き出ている印象が強いが2〜6着馬までは十分世代間での能力値というのは評価できる。それは何故かと言うと、スタミナ消費が激しいラップと展開の中、タイムを縮めながら好走できるというのは、能力自体の証明になるから。また、昨年の例だと、2:24.3を切ったスターズオンアース、スタニングローズ、ナミュールがそのまま秋華賞ワンツースリー。19年のタイム歴代1位の2着カレンブーケドール、3着クロノジェネシスがそのまま秋華賞ワンツーと、オークスでタイムが速い=スタミナの証明と能力があるという2側面から評価はできるし、ドゥーラは、リバティアイランドよりもかなり後ろにいたが、上がり差は0.1秒しか変わらない…最後のフットワークもスタミナあるからあれだけ軽々しく追い込んでこれるのだろう。
そして、モリアーナと同様に札幌実績。これがとても今回活きるのではなかろうか。タフな経験値を持っており、2歳時点で牡馬相手に差し切る力、3歳夏に古馬重賞勝てる馬は、過去にもそんなにいない背景から、ここは強く推したい3番手評価とさせていただく。


以上が、秋華賞の最終結論です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
外れても悔いがない予想ができましたし、最高の形として結果がついてくれば…それだけの想いでレースまで待ちたいと思います。

そして、来週の菊花賞もしっかり分析してまいりますので、宜しくお願いします。
いつもありがとうございます。

 

ruis

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