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涙腺 2 『たーちゃん』 で 迷った事 たかが紙切れ一枚の契約

居酒屋 とり万で 綾子は拓巳に 「私と結婚したい?」と質問する場面あります。実はその後 続きを加えようか迷った挙句 本編では削除しました。その迷った部分を掲載してみました。

★ 度々 投稿した作品を加筆したり 一部を削除したり 変更したりします。

時は昨夜に戻る 居酒屋 とり万         テーブルで向かい合って座っている拓巳と綾子 居酒屋のテレビを観ながら 焼酎を飲んでいる拓巳 少しほろ酔い加減の綾子            

綾子                    (拓巳の顔を見ながら)           たーちゃん これからもわたしとずーといたい?

拓巳                   (間があく 綾子の目を少し逸らしながら)   なんだよ 急に 毎日一緒にいるじゃねーかよ 今更 何を言ってんの どうした? 赤霧島で酔ったか?

綾子
そうだねぇ 少し飲み過ぎたかも

長い沈黙 再び テレビの方を観ようとする拓巳        

綾子                    ねぇ たーちゃん
(長い間)                 私と結婚したい?

---ここから 付け加えようか迷った部分---                

私をたーちゃんのお嫁さんにしてくれる?

拓巳                    結婚なんてさぁの たかが紙切れ一枚の契約だろ 俺たちの仲はそんな紙切れ一枚で左右される間じゃねぇーだろう そんなんで 俺 縛られたくないんだよどうした?今日 変だぞぉ?

綾子                   (心の中でつぶやく)            紙切れ一枚か ...

--- 場面は自宅のアパートに戻る 本編に戻る ---

自宅アパート                場面は再び 自室 手紙を書いている綾子 綾子の足元にはスーツケース

綾子
(手紙を読みながら)            たーちゃん
ゴミ捨ての時はちゃんと分別しないと大家さんに怒られちゃうんだよ
たーちゃん
お風呂場の排水溝は詰まりやすいから 定期的にお掃除しないとダメだよ            たーちゃん
私 こうるさいおばさんみたいだねぇ
私もおばさんになってきたんだねぇ (笑い)

たーちゃん
栄治さんからおしえてもらったもつ煮込み冷蔵庫にあるから 電子レンジで温めて食べるんだよ 今回は上手くできたから 電子レンジはスタートボタンを長押ししないと動かないからね

たーちゃん
たーちゃん
たーちゃん

続編じゃないけど ... 

綾子は手紙を書き終え その手紙をテーブルに置くスーツケースを持って 部屋の鍵を閉め (手紙にも書いた通り)合鍵を郵便受けの中に入れて 綾子は 7年間住み続けた部屋を出ていく

その頃 居酒屋 とり万

もう暖簾もしまわれ 「本日閉店しました」という看板が掛けられている。店内は栄治と拓巳の2人だけ 栄治はカウンターで明日の仕込みの準備をしている 拓巳は(いつも以上に長居し) テレビを観ながら 酎ハイを飲んでいる

栄治                    拓巳 早く帰ってやれよ 綾ちゃん 待ってるだろぉ 本当 あんな良い子がお前の彼女なんてなぁ 不思議なもんだなぁ もう何年一緒にいるんだっけ?

珍しく 栄治に苛立ちを覚える拓巳

拓巳                    なんか今日うるさいっすねぇ 更年期っすかぁ

栄治 カウンターをでて 拓巳のテーブルに近づく

栄治                    オイ!お前 誰に向かって口聞いだぁ

拓巳                   (冷静になって)              すみません 今日はもう帰ります

拓巳は席を立ち 店内にしまわれた暖簾をくぐって 店を出ようする 栄治は拓巳が座っていたテーブルに紙袋が置き忘れられているのに気づく

栄治                    (拓巳がわすれていった紙袋を持ち上げて)  おい 忘れもんだぞぉ

栄治は たまたま その袋の中身が目に入ってしまう  袋の中身は紙切れ一枚と指輪ケースが入っている 少し驚く栄治

拓巳                   (首筋をかきながら)            柄じゃないっすよねぇ。でも 昨日 あいつに『結婚なんて紙切れ一枚だから そんなのに縛られたくない』なんて言っちゃたんすよ。もし 俺が 家庭ってやつを築けるのなら それは ... やっぱり ... あいつとじゃなきゃ ダメなような気がします。それに   たかが紙切れ一枚っすからねぇ。それであいつの笑顔がひとつ増えるなら ...

あとがき                  『私と結婚したい?』って台詞はとても力強く この台詞で終わった方が良い気がします。初めて 綾子が自身の強さを見せれた台詞です。その後の『私をたーちゃんのお嫁さんにしてくれる?』って質問は 拓巳への懇願で 今までの綾子と何も変わらない拓巳任せの綾子って印象を受けます。まぁ 映像になったら 役者さんの力量で また違った感想になるのかもしれませんが ...

結局 2人での幸せは実現しませんでした。しかし  綾子は拓巳との別れで 女性として より魅力的になって行くと予想してます。拓巳はどうなんだろう?綾子の事をずーと引きずって行くのかな ...





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