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(2024年)中国-韓国航路の現状と仁川-青島フェリー乗船記

2024年3月(2/29-3/1)に中国の144時間トランジットビザ免除制度を利用して韓国の仁川から中国の青島にフェリーで入国したので、その時の話を書きます。

【ルート】
仁川→(フェリー)→青島→関空


【2024年 中国-韓国航路の現状】

現在、中国各地と韓国(仁川、平沢)の間には多くの国際航路が就航しています。全ての航路が運行しているか確認できていませんが、少なくとも仁川発着便は大体動いています。

このサイトで航路の一覧を確認できます。

中国ビザを取得すればどの航路でも使えますが、144時間トランジットビザ免除制度を利用する場合は出入国できる空港/港が指定されているため、利用できる航路が限られます。そのため、現状では仁川-青島、仁川-秦皇島、仁川-天津の3つの航路のみトランジットビザ無しで利用できます。ただし、天津航路は2月時点で運休中でした。

🇨🇳144時間トランジットビザ免除制度について

コロナ禍以降、中国に入国にするには基本的にビザが必要ですが、いくつかの条件を満たした場合のみビザ無しで入国できます。ここでは144時間トランジットビザ免除制度について、重要な条件のみ簡単に紹介します。

*他には72時間以内のトランジットや24時間以内のトランジットでもビザ無しで中国に入国できますが、ルールが少し違うので気をつけてください。

①第三国へ144時間以内に出国すること
 要は、中国滞在はあくまでトランジットである必要があるのです。ただし滞在中は観光もできます。(例:🇯🇵→🇨🇳→🇰🇷、🇬🇧→🇨🇳→🇲🇾)台湾、香港、マカオは別の国判定のようです。
 
②出入国には指定された港/駅/空港のみ利用すること
中国国内の全ての空港が利用できるわけではありません。
 
③指定された省でのみ滞在すること
一部例外はありますが、基本的に入国した空港のある省でのみ滞在できます。

他にも国籍やらパスポートの残り期限やらいくつかの条件がありますが、トランジットビザ無しで入国する場合は上記3つの条件が最重要でしょう。

↑中国政府による、トランジットビザ免除制度の説明。
本記事執筆時(2024/03/04)時点では、中国政府が2023/11/17に発表したものが最新情報です。

144時間トランジットビザ免除制度を利用して乗船できる中韓航路

(仁川-青島)
中国のチケットサイトCtripで予約できます。私はこのサイトで予約しました。運航会社HPにも予約ページがありましたが、運行会社HPを閲覧するにはVPNで韓国からアクセスしなくてはいけません。また、韓国語か中国語が話せれば電話予約も可能です。
https://www.weidong.com/


(仁川-秦皇島)
運行会社のHPで予約できそうです。ただし、予約時に韓国の電話番号が必要になるため外国人は利用できません。難易度は高いですが、おそらく電話予約可能です。

【仁川→青島フェリー乗船記】

今回私が利用した仁川-青島航路の予約から中国入国までの流れを紹介します。

予約

私はCtripで予約しました。
*Ctripで本航路を予約できるのは中国国籍を持つ人だけのようですが、日本国籍でも一応予約できました。

Ctripでは予約時に部屋の等級を選択できます。今回は5人部屋のビジネスクラスを選択しました。運賃は495元(約10,000円)なので、飛行機で仁川から青島に行くのとあまり変わりません。ですが、海路入国はコスパではなくロマンなので全く問題ありません。

乗船

この航路で144時間トランジットビザ免除制度を利用する人は少ないはずなので、乗船可能かどうかフェリーターミナルで搭乗前日に確認しました。

 

チケットオフィスにて、
・明日の青島便を予約していること
・中国ビザを持っていないこと
・144時間トランジットビザ免除制度を利用すること

の3点を伝えたところ、どうやら職員は144時間トランジットビザ免除制度を知らなかったようで、制度の説明に1時間くらい要しました。ビザが無いことを理由に一度乗船を拒否されましたが、青島側に連絡してもらったり、周りの人にも手伝ってもらったりして何とかチケットをゲットできました。

この時に大切なことは
・144時間トランジットビザ免除制度の韓国語サイトを見せること(あるいは韓国語に翻訳する)
・トランジット入国であることを強調。中国から出国する航空券を見せ、144時間以内に出国することを伝える
・制度について自分がよく理解しておくこと

だと思います。
また、チケットオフィスの職員にはわざわざ対応していただいているので、感謝の気持ちを忘れずに接しましょう。

↓韓国語版の🇨🇳トランジットビザ免除

ターミナル内の設備
ターミナル内にはカフェ、両替所、お土産店、自販機があります。

インフォメーションデスクで交通ICカードのTmoneyカードを購入できます。ターミナルを発着する路線バスでは現金が使えないため、中国から入国したら必ず購入しましょう。カードは1万ウォンで買え、最初のデポジットは7000ウォンです。

乗船までの流れ
15:30-16:30チェックイン
17:00-17:20出国審査
18:30出航

まず、16時に港に着いてチェックインしました。チェックイン時にトランジットであることを伝えると、中国から出国するための航空券を見せるように言われました。

チェックインが終わったらターミナルの四階で17時まで待機

17時前に出国手続きが始まりました。荷物検査と出国審査の後、バスに乗ってフェリーの搭乗口に移動しました。

いざ、乗船!!

船内
乗船したら案内所で部屋の鍵と中国の入国カードを受け取ります。カードは入国までに記入しておきましょう。
まずは部屋へ

ビジネスクラス

ビジネスクラスの部屋はこんな感じ。各ベッドに読書灯とコンセントがありました。冷蔵庫に500mLペットボトルの水、ドア付近の洗面台に人数分のタオルが置かれているので好きに使えます。

船内はこんな感じ。ちょっと古いけどわりと綺麗。

船内にはレストラン、コンビニ、免税店があります。他にもカフェやバーもありましたが、営業していませんでした。なお、レストランは事前予約制なのか使えず、コンビニはカップ麺とお菓子、飲料くらいしか置いていないので食料を持ち込むことをオススメします。ちなみに船内でクレカは使えません。

シャワー室もありましたが、今回は使わなかったので詳細不明です。

朝日

入国

予定より2時間以上遅れた11:30に青島港に入港しました。

下船してバスに乗り、入国審査場のある建物に向かいました。
入国審査場には144時間トランジットビザ免除専用のレーンがなかったので、職員に声を掛けてトランジットであることを伝えると待機するように言われました。

ある職員が帰りの航空券やホテルの予約確認書を回収すると、他の職員も集まってきて何やら話し合いが始まりました。どうやら、トランジットでのビザ無し入国は可能だが、申請書類がここに無いからもう少し待機してくれとのこと。

しばらくすると臨時入国許可証(?)と入国カードを渡され、記入して提出したらやっと本来の入国審査が始まりました。顔写真の撮影や指紋採取の後、7人の入国審査官が話し合いながらパスポートにスタンプを押してくれました。職員もこのトランジット制度に不慣れなのでしょう。また、この時に出国カードを貰いました。これは出国時に必要なので無くさないようにしましょう。
これにて無事入国成功!手続きに1時間半もかかりました。

5年前にできたばかりの新しい港

変なルートで入国したにも関わらず、丁寧に対応していただきました。

出国

3日間中国に滞在した後、青島膠東国際空港で中国を出国して日本に戻りました。
入国と出国の場所が違いましたが、特に何も言われませんでした。入国時に貰う出国カードを予め記入しておくとスムーズに出国できます。

【旅の参考】

中韓航路の情報は非常に少なく、情報収集に苦労しました。naverブログで調べると韓国人旅行者の記録が出てくるので参考になると思います。

仁川国際フェリーターミナルについて

仁川-青島フェリーの乗船記

少々古いですが、中韓航路の貴重な日本語情報もあります。

 
以上。皆さんも良い旅を!

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