〈最終回〉政令指定都市めぐり【第20回】

最終回となる今日は、さいたま市で締めくくる。

「さいたま市」という都市名は、最近できたものではないのかと思っている方は、ズバリそのとおりである。

実は、21世紀の幕開けとなった2001年5月に、浦和市と与野(よの)市と大宮市が合併して、「さいたま市」が誕生したのである。

さいたま市が、政令指定都市になったのは、これら3市の合併によって人口が100万人を超えたからであり、2003年に指定された。

さらには、2005年にお隣の岩槻(いわつき)市とも合併して、4市の集合体として巨大な自治体になったのである。

さいたま市誕生の1年前には、JR大宮駅と浦和駅(高崎線・宇都宮線)、大宮駅と与野駅(京浜東北線)の中間駅として「さいたま新都心」駅も誕生した。

また、行政区は全部で10区あるが、そのうち大宮区と浦和区と岩槻区は、市から区に変わっている。そのほか、中央区・西区・北区・南区・桜区・緑区・見沼(みぬま)区がある。

さいたま新都心駅と大宮駅は、大宮区にある。

では、さいたま市役所は中央区にあるよね?と誰もが思いそうだが、実は、もとの浦和市役所の建物を使っている。

つまり、市役所の所在地は浦和区なのである。

だが、市議会などの20年にわたる議論が続き、つい1年前の4月末に、現市役所(=旧浦和市役所)の移転先は、さいたま新都心駅周辺が望ましいとして、大宮区に移転が決まった。

ちなみに、中央区は、旧与野市エリアである。

埼玉といえば、「翔んで埼玉」の映画で知名度が上がっているが、私が子どもの頃(1980年代)は「ダさいたま」という不名誉な呼ばれ方で注目された歴史もある。

しかし、サッカーファンならご存じかと思うが、大宮アルディージャと浦和レッズの2チームは、埼玉県のJリーグサッカーチームとして有名である。

また、さいたまスーパーアリーナは、コンサートやスポーツなどのイベント会場として全国的によく知られている。

東北新幹線と北陸新幹線の乗り継ぎができる大宮駅は、JR在来線なら埼京線の始発駅の顔もあり、そこからお台場のある東京テレポート駅(りんかい線)まで直通で行くこともできる。

逆方向なら、川越線の起点でもあり、大宮駅から小江戸・川越まで約20分で移動できる。川越の古い街並みも、歩きながら見て回るとなかなか趣深くて良い。

以上、神戸市からさいたま市まで、20の政令指定都市を巡ってきた。

もし手元に100万円があったら、交通費や宿泊費込みで1都市5万円の予算で旅してみるのもおもしろいだろう。

現実には無理でも、プランを立ててみて、果たして100万円以内で全都市を回れるか、計算してみるのも楽しいだろう。

全20回ご愛読いただいた方、どうもありがとうございました。






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