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作った詩を載せます。気分によって重いものから明るいもの多岐にわたります。
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記事一覧

春の慈しさ

春を過ぎる。 愛を求めて姿を変える落葉の秋の心が。 ああ桜はなんと侘びしく儚いものだろうか。 去り際に人一倍、美しい姿をみせて散っていく。 泣いているような笑っているような。 うすももいろの花弁が濡れて透明になっていく。 旅立つためにすべてを置いて行ってしまうように 無に帰っていく。 はらりはらりと折り重なったひとひら達は 重なりあってその身を再び赤く染め上げる。 散りゆく桜の花弁が包み込むように。 春の雨とはだれが言ったのだろう。 白く冷たくいてつく雨が抱きしめ

おくりもの

Time is money. The past is gone. The future will come soon. You are having a gift , which God give everyone. That is a present that is called "the Present" 時は金なり。 過去はもう過ぎ去った。未来はもうすぐやってくる。 あなたは平等に与えられる神からの贈り物を手にしている。 今という贈り物を。 ◇◇◇ 大学受験の時、

息吹

草木はみな、お日様目指して手を伸ばしている。 冷たく凍てつく秋の心の風が吹き荒れたって手を伸ばしている。 彼らはお日様のあたたかさを知っている。 来春のあたたかさを知っている。 こうべを垂れる草木だって枝先はお日様を見る。 植物は素直だ。 強がって凝り固まったこの体を目いっぱい伸ばして、お日様に手を伸ばそう。

クジラのハミング

僕らの暗号 秘密の暗号 僕らが作る海の歌  海に溶ける泡の音符 さぁさぁ さぁ よく聴いて  朝日に届け 目覚めの歌 お腹が空いた お昼の歌 船とのバトル  かけっこの歌 雨とのセッション 嵐の歌 満月さまのアイロニー さざなみの歌 ふんふん ふん ふんふん ふん ブォー 僕らの暗号 シングソング 大声上げて ブォー  やかんのふたが鳴るように 僕らの受信 僕らのお歌 秘密のおしゃべり シングソング 白い髭を震わせて 高く伸びやかな親戚と 重なり合わせるハー

車窓

しんしんしん 一枚隔てたガラスの向こう 地球がおしろいを塗って わたしのために 雪化粧 はぁと窓に吹きかける くすんだ窓に指を向け 自然のキャンパスに思いをのせる 四角をひとつ まるをふたつ ぼうがみっつ てんもみっつ まんまるぼうずが現れる 畑に 山に 川に トンネル 着たり脱いだり大慌て ころころ変わる まんまるぼうず 首をもたげてため息もれる 繰り返しすぎて小さいぼうず くすんだ窓が 透明のガラスに帰っていく さあさあ おかえり まんまるぼうず また息を吹き

お芋のソフトクリーム

鼻が凍る寒空の下 冷たい君を一口食べる 甘くて甘くて甘い 一口食べるとふわふわする 冷たくて冷たくて 一口食べるとキンキンする 瞬きの間に君は小さくなる とろとろとろりと お芋の匂いがいっぱいに パラリラパラリラ あっという間にお別れを なんだか体が ほくほくしてきた

人肌

ビュウービュウー キィキィ ブウォォー 風が悲鳴をあげる 目を釣り上げて 口が裂けるまで こちらをみる ギュッと抱きつく真白の手 ガクガク ブルッブルッ ギュッギュッギュ ムズムズ シクシク 鼻があたる 耳があたる 大丈夫 手を繋げば 大丈夫 手を握れば 大丈夫 抱きしめて 近くにいれば 大丈夫 氷の鼻も溶けてくる 黄色くまるく あたたかい さぁ おやすみ

青いサンタクロース

赤い貴方は耀く夜空の一等星 青い僕はあなたのための道標 今夜も 僕は耀く貴方の紫黒になろう 赤い君が 誰かの願いを叶えるなら 紺い僕は 誰かの涙をもらおう 赤い貴方が 夜の帳を下ろすなら 青い私は 夜明けを告げる鳥になろう 真紅の貴方が勇気の花を渡す時 碧い私は誰かの幸せを願おう ニシシ ニシシと笑って 独りの君の隣にいよう 青く淡いあなたは この世の全てに存在する 青く淡いあなたが動く時 世界はあなたを遠ざける 朱い私に何ができよう 誰かが僕を忘れても 青い僕は

優しい瞳

どうしたの  どうして  君は 海なんだい どうしたの  どうして 君は 赤いんだい ぺろりとひとくち きみのうみ ぺろりとひとなで きみのあか けらけら くすくす くすくす けらけら ぽすんとまわるまっかな手 もぞもぞ すうすう すうすう もぞもぞ そのまなこが開くとき 君は忘れるよ 君は 忘れているよ そしてまた 君は 海になる ぽたぽた ぷくぷく ぷくぷく ぽたぽた

ひかり

ひかりが差し込む 目が覚める すくっとひとつ 電気をつける ふわりと広がるカーテンが  やさしく なでる わたしの頬 ピカピカひかる四角い箱 とくん とくんと  ねむりの歌をたれながす ひかりが差し込む 目が覚める ジリジリと ジリんジリんと にくがやける ペタペタ ぺたんと 床と足裏 ごあいさつ 光がひかる 目が醒める はいろうよ はいろうか 赤の世界 黄色の世界 かつん かつんとなる君は 我が家のお蔵の奥の奥 君のお顔はまたいつか 光がひかる 目が醒める 青く