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摩訶不思議、家とのご縁の物語

見えない何かに導かれたり背中を押されたりする事ってある。
我が家が手に入るまでの経緯がそうだった。

転勤族の夫と共に熊本に転居して、慣れた頃に子供たちが「もう転校したくない」と言い始めた。
翌年から長男が中学生になることもあり、次からは夫が単身赴任することに。
熊本勤務の間は社宅に住めるが、次の転勤までに母子3人が住める住環境を整える必要があった。
住んでいたのが文教地区だったためか、近隣の賃貸住宅は家賃の相場がかなり高めと知り、家を購入することも視野に入れ始めていた。

ある日、長男の誕生日を祝うために行ったレストランの側に住宅展示場があった。
そもそも私は家の間取りや、展示場を見るのが好きだが、夫は全く興味が無い。
ダメ元で「今から住宅展示場に見に行ってみる?」と誘ったら、「そうだね、行ってみるか」との返事。
それが運命の扉が開いた瞬間だった。

いくつか展示場を回ったが、その一つで営業マンとの「運命的な出会い」があった。
会話の中で彼の前職が全く畑違いの夫の同業だったと知ることに。急速に打ち解けて、親身に家探しの相談に乗ってくれた。
そして、私たちの希望に限りなく近い物件を紹介してくれた。
私たちも、他のメーカーのも見に行ったが、結果、今の家に決めた。
展示場に行ってから契約するまでの期間はわずか1ヶ月。
ホントに家が向こうから転がり込んできたイメージ。
おまけに担当の彼は、その後まもなく退職している。
家とのご縁を結ぶお役目を何者かに仰せつかって遣わされたのか?!

シンクロニシティは続く。
契約の数ヶ月前に夫の父が急に他界していた。亡くなる前に父の実家を売りに出していたらしく、売却したお金の一部が思いがけずポンと入ってきた。それはそっくり頭金になった。
そして、父が元気だった頃、同じハウスメーカーで家を建てる計画をしていた、と聞かされて鳥肌が立った。
亡き父の意志に導かれたとしか思えない、摩訶不思議なお家物語。

以上

エッセイ塾の「ふみサロ」
本からインスパイアされたテーマでエッセイを書くというビブリオエッセイ。
2月のお題は「先祖探偵」新川帆立著でした。

見えないチカラに導かれて出会ったり、不思議な縁が重なってクライアントや自らのルーツが判明したり。

そもそも、ご先祖自体が「見えない存在」。

「見えない存在に導かれる」をテーマにしよう、と決めた時に、マイホームと出会った時の摩訶不思議なエピソードを思い出したので、エッセイに書いてみました。

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