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川端のおっちゃん

川端のおっちゃんに
去年の夏休み
20年ぶりだろう
末っ子とおかんを連れて
会いにいった
まあいつまでも変わらず
元気に息子の仏壇のロウソクの火で
たばこに火をつけて
たばこの煙を美味そうに出していた
川端のおばちゃんに「俺、いま何仕事してんの」と
よく分からない会話を見せてくれて
二人は漫才を繰り出し
末っ子は、なれないたばこの煙に不快そうで
おかんは補聴器を付けて無いから
大きな声で好きな事を話す
川端のおばちゃんだけ会話ができる
その後ろで立ちながら仏壇のロウソクと
川端のおっちゃんのたばこの吸いっぷり
おかんの大声での独り言
川端のおばちゃんの冷静な事
川端家とは長い付き合いになる
城ケ丘住宅という市営住宅で川端家とは向かいで
電話を親子電話にして節約したり
同級生のあっちゅんと5歳年上のカズシ君と
よく遊んだ
カズシ君はもうすぐ駅長さんになると聞いた
あっちゅんは19歳で自動車事故で伊勢で亡くなった
その気持ちを「とどきすぎた君へ」という詩にした
その詩の事を川端家は喜んでくれた
うれしそうに喜んでくれた
一昨日のお昼休みに
もう桜が散り出して
その中でもまだよく咲いている桜を見つけて
インスタにあげた
インスタにメッセージが入ってきてた
あっちゅんの川端のおっちゃんが亡くなったやって
情報ありがとうと返事を返した
それにしても川端家は酒が好きな一家だった
いつ顔を出しても一升瓶で酒を呑んでいた
日本酒は苦手だけど
ちょっとだけ
ごちそうさま

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