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何がしたかったのか

まだ上野市に住んで居た頃
コンビニも無く
夜中は誰もいない
静かな町へ自転車で走った
カップ麺の自販機でお湯が出るタイプ
そこの前でカップ麺をよく食べた
近くには伊賀上野駅があり
タクシーも人気もない
近くには知ってる奴の家が点在していて
まだ起きてないかなって
思いながら自転車でぷらぷら
起きてる訳は無い
ヨナカノ2時をまわってる
家はすぐに抜け出せる
こっそりと玄関を出るだけのこと
なにも無いけど目の前の163号線は
トラックが夜中もよく走る
それもかなりの勢いで走るから
寝ていても気にならなくなった
家に2階の階段の小窓が
好きだった
顔を出せるぐらいの小窓
目の前のラーメン屋には
意外と人が入って来る
その光景が好きだ
食後に自販機でジュースを買ってる人も
よく見ていた
その内に飽きてしまうけど
なぜか毎日
その小窓から顔を出していた
友達と夜の自転車が好きだった
それに誘う理由で銭湯へ行こうと
よく誘った
銭湯から出たら
十時近くまで夜の町を自転車で走った
本当に意味も無く走ってるだけで楽しかった
あの楽しさはあの頃しか無理だ
金なんて欲しく無いけど
金が無いと欲しく無いと言えない
夜に自転車を乗るだけで暮らせたらいいのにな
それでお金が貰えたらもっといいのにな
そして金なんていらないって言えたら
もっといいのにな
そんな事を考えていたのかも知れない
体が冷えて来たら家の布団で
夜の自転車の夢を見てた気がする

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