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建築・不動産業界のInstagram活用法

ファッションや飲食など「衣」「食」は、Instagramの初期から主要ジャンルですが、近年では「住」に関しても建築・不動産業界を中心にInstagram活用が盛んになってきています。

その背景には、生活が豊かになる役立つライフスタイル系のコンテンツが伸びていてユーザーが関心を持つジャンルの一つとなっています。

ビジネス活用の面でも、一般の工務店や不動産会社が積極的にInstagramを活用している印象がありますが、効果を実感できているところは意外と少ないのではないでしょうか?

そこで今回は、建築・不動産業界のInstagram運用について現状の課題と参考になる活用例を紹介します。

【課題】施工事例ギャラリー化問題

建築・不動産業界では施工事例や物件写真など、普段から写真や動画を使っているのでInstagramとの相性も良いように感じます。
始めたばかりのアカウントでもカメラマンが撮影したであろう綺麗な写真が並んでいて「おっ!」と感じるケースも多々あります。

■ どのアカウントも同じに見える問題
こだわって設計した住宅や現在イチオシの物件を写真や動画でユーザーに届けて問い合わせにつなげたいですよね。大手メーカーやデザイナーズ物件専門の企業のInstagramを見ると綺麗な写真がズラッと並んでいます。

しかし、一般の工務店や不動産会社が大手メーカーのように綺麗な外観や内観の写真をUPしても効果はほとんど得られません。

なぜなら、一般ユーザーは
その会社を知らない(フォロワーや露出が少ない)
フォローするメリットが分からない
からです。

企業としてのブランド力も要因の一つです。

以前はライバルが少なかったので施工事例のギャラリー化でも効果があったかもしれませんが、今では多くの建築・不動産会社がInstagramを始めています。ハッシュタグ検索など、投稿を一覧で見ると写真が綺麗というだけでは他の投稿に埋もれてしまって差別化を図れません。
※運用方針としてカタログのように活用する場合は問題ありません。

消費者にとっては衣食住の中でも「住」は大きな買い物です。Instagramを見てすぐ購入を判断することはなく、入念に下調べをするはずです。

「こんな家に住んでみたい」というイメージを探す場合、恐らく、名前の知れた大手メーカーなどのアカウントを参考にするので、一般の工務店や不動産会社は他にやることがあるはずです。

ユーザー目線に立ち、「自社のアカウントをフォローするメリットは何か?」を考えるとInstagramを活用する目的が見えてきます。

Instagramを活用する目的を明確にする

売上への貢献を望むのは当然ですが、SNS運用は短期的に売上に直結するものではありません。中長期的視点で目的・目標を決める必要があります。

運用目的を決めるためには以下の問いについて考えましょう。

・「なぜInstagramを使うのか?」
・「に見てもらいのか?」
・「を発信するのか?」
・「どのように感じてほしいのか?行動してほしいのか?」

以下は建築・不動産会社がInstagramを活用する主な目的です。
Instagramの運用目的が分からない場合は参考にしてみてください。

ユーザーにとって役立つ情報発信
市場調査
・ファンや同業者とのコミュニケーション
認知度・知名度の向上(ブランディング)
来店促進

運用目的を明確にすることで効果の実感にも大きく影響します。

【活用例】参考アカウント

1. Woman.CHINTAI
https://www.instagram.com/woman.chintai/

Screenshot_2021-05-14 Woman CHINTAI( woman chintai) • Instagram写真と動画

表紙のイラストがとても素敵でひと目で「Woman.CHINTAIだ!」と認識できます。お部屋探しのサイトですが、Instagramには物件情報はありません。

特徴は紹介するエリアのカフェなどのお店を取り上げ、その街に住むとどういう生活ができるかイメージできることです。また、カルーセルの最後に紹介エリアの「路線」や「家賃相場」がまとめられているので保存して後から見返したり、比較する際に役立ちます。

他にもライフスタイルを中心に役立つ情報がイラストを交えながらまとめられているので家探しの時だけでなくてもフォローし見続けたいと思う仕組みづくりとなっています。

2. madree(マドリー)
https://www.instagram.com/madree.jp

Screenshot_2021-05-14 Instagramユーザー madree(マドリー)( madree jp) • 写真と動画1,042件

間取りに特化したアカウントです。テキストが入っていて見やすく、より分かりやすさが増す投稿です。

間取りは建築・不動産には付き物。一般ユーザーも知っていて損はない役立つ情報ばかり。
投稿を見ていると将来の家づくりや暮らしがイメージでき、インスタを見ながら気軽に話し合いができる仕掛けになっています。

3. リノベーションサービス DIYer(s)
https://www.instagram.com/diyersjapan/

Screenshot_2021-05-15 リノベーションサービス DIYer(s)( diyersjapan) • Instagram写真と動画

リノベーションメディアのDIYer(s)では、ユーザーからのリノベーションに関する情報発信や暮らしに役立つアイデアについてUGC(一般ユーザーによって作れられたコンテンツ)を活用して紹介されています。

先に紹介した2つのアカウントと比べて「統一感や世界観は?」と思うかもしれません。
文字入れされている投稿やそうでない投稿があってバラつきがありますが、リノベーションに関する役立つ情報を発信するスタイルは統一されています。

今回ご紹介した理由は、試行錯誤が伝わる実践的な運用をされているからです。

「Instagramといえば世界観や統一感が大事」といわれ、同じテイストのまま投稿しがちですが、効果測定しつづけ、どういう投稿をすればユーザーに喜ばれるか?探りながら運用し続けることはとても重要です。

成約後もフォローし続けたくなる仕組みづくりを

物件情報を発信することも重要ですが、それだけでは成約後は不要な情報となってしまいフォローし続ける意味がありません。

一般の建築・不動産会社が取り組むべきことは、Instagramを見ると「生活がどう快適になるか?」「役立つ情報か?」について深掘りすることです。

また、ハウスメーカーなどの大手とは違う自社の強みやこだわりをInstagramを通じて視覚的に伝え続けることが重要です。
※「視覚的」=「綺麗な写真や動画」とは限りません。

業界業種を問わず、まずは自社の強みやこだわりを再認識し、誰に、何を発信してどう感じてもらいたいのか?を決めていくと自ずとInstagram運用が上手くいくでしょう。

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