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リアルな部活動文化を変化させる勢いを感じさせる、未来像。ドラマ「映像研には手を出すな!(第2話)」

この原作の面白さは、様々な部活動が出てくるところにある。それは、アニメの中でも、結構うまく使われていた。芝浜祭のバックに流れる客寄せの声など、好き勝手なクラブ名が連呼されている。そして、対生徒会という構図の中では、この辺りが大事なのである。それを最大限に前に出してきた、この実写版はそれだけで成功だろう。そして、それがオリジナリティをもたらして、視聴者を惹きつけている。

学校の部活動など、私たちの世代は、根性と精神力を養うような場であり、大学はレジャーの一環としてそれがあったようなところである。私などは、それのどれにもあまり馴染めずに、帰宅部していたが、このドラマのような自由な部活動が許されるなら、結構面白かったかもしれないと思うのである。

だいたい、前回の「野球部」が外野手たちの不満から「内野部」と「外野部」に別れてしまう面白さ。そして、応援する人を応援したいという変な「応援部」の悲しさからして、かなりシュールだったのだ。

そして、今回は、音楽の細分化により、同じような部がいっぱいできてしまい、違いがわからないという話で笑わせ、7年間、号外が出せていない「号外部」が号外を配る練習をしているというシュールさを見せる。

そして、なんか、それぞれが、実際にリアルに存在してもおかしくないように見えてくるからこそ、ドラマが活性化するのだろうと思う。そのくらい現代は、皆の足並みが揃わない。

だいたい、ここでの主役の三人は、全く部活動に向いていない三人である。だから、よくある部員募集的な話にはならないのである。「映像研」はこの3人でしか成立しないということだ。

そう、日本の学校の部活動など、所詮、軍隊の流れの中にあるようなものである。何か問題を起こせば、集団活動だ、コミュニティー能力だとか、小賢しいのである。そして、それが、いじめを作り出すエンジンにもなってしまう。そういう意味で、この原作に共感するものは、ある程度のオタク気質を持っているわけで、その反体制的な自由な気質に惹かれるところはあるのだろう。

今回もプロペラスカートを実写化してしまうなど、なかなか見所は多かった。部活を認めさせる、あの転落映像も、なかなか完成度が高い!そう、原作にある過程を端おって、ここに直結させるのもなかなかうまいシナリオだ。

最後は、スタント部とか格闘技系の部活が勧誘にくる中で、号外部が号外を出す!「映像研、爆誕す!」このインパクトたるや、実写版、面白すぎる!

ということで、来週から、アニメ制作の段階に入る。今度は何部が出てくるか楽しみである。

とにかく、この日本国中巣篭もり状況の中で、今年初めから映像化を一気に放送してブームを起こしているのは、偶然ではない気がしてきた。そう、原作者いうところの、これは2050年のお話。それならば、この時代の転換期に投じられた大きな宝箱がこの原作のような気がするわけだ。

そう、生きるためにさらに自由になる時代がくる。そして、一つの高校に400もの部活が存在するようになれば、なんか、すごい面白いことが起こる気もするわけで、原作を楽しむとともに、未来を妄想させる、とてつもない、時代の象徴となる作品に化けてきた感じがする。この今の非常事態を飛び越えることで、原作も変化していくことと思うが、それはそれで楽しみである。

もはや、次の時代に生き残るために、「映像研に手を出せ!」と言いたい感じな2回目であった。3回目が早く見たい!


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