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私を病院に連れて行って

先週インフルエンザに罹患した夫は、熱はすぐに下がりましたが、解熱後2日間は外出禁止で会社を休んでいました。大事な会議に穴をあけ落ち込んでいる夫を残し、私は友人と出掛ける用事があり家を空けていました。

ピンポーン、とインターホンが鳴り、夫が出ると

「隣の〇〇です」


お隣の女性とは全く交流はありません。


このマンションに越してきた時、二週間以上毎日お菓子を持って訪ねましたが居留守を使われ結局ご挨拶が出来ませんでした。
管理人さんに相談すると「一人暮らしの女性で相当変わり者だから放っておいた方が良い」と言われ、以来たまにエレベーターホールで顔を合わし挨拶をしても、女性は軽く会釈をするだけで声を聞いたこともありません。

こんな調子でしたので、今年のお正月に突然玄関に来られた時は驚きました。

「お宅からすごい騒音がして耳が痛いんですけど」

その時は家族四人で、テレビはつけずに夕食を取っていました。

夫がすごい勢いで玄関まできて

「家は物音一つ立てず、静かにご飯を食べていたんですよ。この家のどこからそんな大きな音が出るんですか?」

「でも、耳の中で大きな音が……」

「それはあなたの耳がおかしいんですよ! 直ぐに耳鼻科に行った方がいいですよ!」

「わかりました、すいません」

的外れですが近所から騒音で苦情が来たのは初めてのことでした。女性と話したのもこの時の一度だけです。


今回の要件は

「足が痛いので、私を病院に連れて行ってください」

夫はどこかの家と間違えていると思い

「訪問する家をお間違えじゃないんですか」

とインターホンを切ったそうです。

気になってドアの穴から覗くと女性がまだ立っていたので仕方なくドアを開け

「申し訳ないですが私はインフルエンザで外に出られないんですよ。救急車を呼んだ方がいいんじゃないですか?」

「管理室に行ったけれど、管理人さんはいないし……」

一階まで降りて行けるなら大丈夫だと思った夫は

「インフルエンザをうつすといけないので」

と、ドアを閉めたそうです。

女性がその後どうしたのかはわかりませんが、いつも有り得ないほどのボリュームで、深夜2時頃まで音楽をかけてます。非常識というよりも認知症なのではないかと思っていました。
年齢は70半ば位だと思います。今後はこのような認知症の人が増えてくるのかもしれないと思うと怖くなりました。

今年の一月の件がなかったなら、夫がインフルエンザにかかっていなかったなら、もっと親身な対応が出来たのかもしれません。

家に居たのが私だったら、どうしていただろうと考えてしまいました。

また、どうすることが正解だったのでしょうか。

               ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇


数日前に近所で、ショッピングカートを引っ張りながら、ゆっくり歩いている女性とすれ違いました。元気なことが確認出来てホッとしましたが、足が悪いのは本当のようです。私のことをお隣さんと認識しているのかどうかは、挨拶しても無言でしたのでわかりません。


年の瀬にちょっと考えさせられた出来事を、最後までお読みいただきありがとうございます<(_ _)>

どうぞ良いお年をお迎えください。


追記(2023年12月26日)

今日管理人さんからお話を伺うことが出来ました。
あの日、管理室に「病院に連れて行って」とやってきた女性を、管理室にあった車椅子に乗せてマンション前でタクシーを待っていると、たまたま出入りしていたケアマネージャーさんが通りかかり、その人が一緒に病院に付き添い、帰りも送ってきてくれたそうです。そのケアマネージャーさんがすぐに動いてくれて、福祉課や保健所等とも連絡が取れているので、今後は介護保険を使ってケアしてもらえるのではないか、とのことでホッとしました。
ご近所とトラブルはなかったか聞いたところ、近所の人に嫌がらせをされているとか、意地悪をされたと以前から度々訴えていて、管理会社の人が出向いて話を聞いたら支離滅裂だったそうです。あそこまで被害妄想が激しいのは病気なのではないか、とのことでした。
普通ではないとのことなので、もしかしたら認知症の初期段階なのかもしれません。
「お宅のご主人から怒られた話も聞いています」と言われ「ひゃー💦」でした。
女性はかなりの難聴で、両耳に補聴器を入れているそうです。無視されるのも、深夜の大音量の原因もわかりスッキリしました。又、年齢は70代前半でお仕事もされているそうです。
皆さまから親身なアドバイスをいただいたお蔭でいろいろわかりました。
今後は、何かあったらすぐに管理人さんに報告し、又、自分に出来ることがあれば協力したいと思います。
ご心配いただき、本当にありがとうございました<(_ _)>


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