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白夜

あわれ女は未来が見えず
男を追いかけ、分かれ道。
変わる背中に迷いをのせて
昔のままだと信じ込む。

あわれ男は足元見えず
走って手探り、迷い道。
変わる世界に不安をのせて
焦って背中を丸め込む。

陽はまた昇れど世界は暗く、
いわば極夜の闇の中。
ふたりが重ねた長い時間も、
いまや極夜の闇の中。

何年生きるか知らないが、
時間は二度とは戻らない。
記憶を愛して、記憶に沈む。
名も無き男女の言語り。

・・・・・

「あの朝日眩う夜へ
もう一度連れていってほしい。
息冷ます風と響くメロディ。
微かで醒めない夢。

眩す夜と、色と。
貴方を、見上げていた空。
通り過ぎる今も、止まる過去も、
吹き荒ぶ蜃気楼。

眩す夢みし夜に
貴方を閉じ込めていてほしい。
いつまでも胸に響くメロディ。
彩る、分かれ道。」

・・・・・

ねえ、どこなの?
ねえ、どこなの?
ねえ、焦ってどこへいくの?

ねえ、聞こえる?
ねえ、わたしは
ねえ、いつでもここにいるのに。

もう、見えない?
もう、わからない?
もう、声は届かないの?

…どこなの?
ねえ、どこなの?
ねえ、どこまでいくの?

もしも二人、ここで枯れて
砂になれるとすれば
それは幸せな奇跡。
遠く見えぬ場所を目指し
走る理由などないのに。

ねえ、もしも二人ここで離れ
すれ違う世界線、
それぞれの道を歩く。
そんなことが出来たら
今こんなところにはいない。

いつか二人、命枯れて
風に舞う砂となる。
だから意味なんてないの。
わたしは隣にいたい。
記憶で微笑む貴方の…。

・・・・・

「あの朝日眩う夜へ
もう一度連れていってほしい。
息冷ます風と響くメロディ。
微かで消えない夢。

眩す夜と、色と。
貴女と、笑えていた空。
通り過ぎる今も、止まる過去も、
耐え難き蜃気楼。

眩す夢みし夜に、
貴女を抱きしめていたい。
いつまでも胸に響くメロディ。
光なき、迷い道。」

・・・・・

鏡張りの心でひとりきり。
未来を描いて、泣いて叫ぼう。

だけど、動けない。
世界は廻り、過去となる。
「誰か」の姿を重ねて焦る。

貴女のその声も、
届かぬ振りをして。
もう、そろそろ消えようか?

さあ、
ふりさけみる世界でラストダンス。
俺の吐く呼吸を消せ!時の鐘。
矛盾と嘘と貴女とラストダンス。
命奪う声よ鳴れ!時の鐘。

・・・・・

先のない未来は、運命の彼方。
今いるこの私を抱きしめて!

時の鐘、貴方とラストダンス。
さぁ、
重ね合う記憶と、命の音。

・・・・・・・・・・・・・・

「あの朝日眩う夜へ
もう一度連れていってほしい。
息冷ます風と響くメロディ。
微かで醒めない夢。

眩す夜と、色と。
あなたと、見上げている空。
通り過ぎる今も止まる過去も、
砂と舞う蜃気楼。

この朝日眩う夜に
ふたりを閉じ込めてほしい。
いつかこの空へ溶けるメロディ。
響かせる、うつつ道。」

・・・・・・・・・・・・・・・・

何年生きるか知らないが、
時間は二度とは戻らない。
記憶を愛して、記憶に沈む。
ふたりの白夜は夢の中。

/作詞曲 みみみ
※みみみの前ユニット『メロディ・クロック』の楽曲です。



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