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黒と翠の胡蜂

色と香りにざわめく都会で
数え切れない今日を繰り返す。
偽りだけ身に纏って
嘘を嫌う矛盾の現実。

そんな顕世のビルの隙間で
巣も作れず夜を迎えてく。
傷つくのを恐れるたび
針を出して飛び回る

どれほどの涙を重ね今を生きるの。
自分の影に憑かれた告白。

・・・

汗と、渦と、冷めてく身体と、
庇う黒地、月の観覧車。
この口から出る言葉の
意味を消して閉じて夢の中。

明日を流す勇気がないなら、
過去を無くす覚悟がないなら、
その瞳もその心も毒に濡れて消えればいい。

「今はまだ浸りたい」
なんて辛い感覚。
渇いた喉をその手で包んで。

いつも夜の中、紛れた胡蜂(すずめばち)。
無くした黄色さえ貶しながら飛ぶの。
貴女まで届ける「さようなら。」
期待を込めた目とこの針で壊すの。

・・・

自覚なくも夜露にまみれて、
跡は荒地に生く箒草。
この口から出る言葉の
意味を捜し閉じて夢の中。

愛を流す勇気がないなら、
繋ぎ止める覚悟がないなら、
その瞳もその心も毒に濡れて消えればいい。

「そのままでいて欲しい」
なんて素敵な言葉…。
光と水で未来が出来る。

わたし儚くて、翠の胡蜂。
小さな鼓動でも今を生きて飛ぶの。
貴方まで届ける「さようなら。」
恋して味わってこの針で壊してく。

・・・

…ねぇ、冷めた世界で夢見てる。
孤独の夜に咲くルージュと涙。
鏡の中では輝いて。
破れるその日を恐れてる。

今日も生きていて。傷ついて。
無邪気な衝動に意味をつけてもがいて。
あなたまで届ける「さようなら。」
いつかはわかるでしょう…。
みんな同じ胡蜂。

/作詞曲 みみみ
※みみみの前ユニット『メロディ・クロック』の楽曲です。



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