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手術から1週間、回復期病院への転院を蹴って自宅退院してくる祖母【機能不全家庭育ち&元専門職の記録】

↓祖母の入院シリーズ

助けてくれ。父方祖母が腰部脊柱管狭窄症で手術をしたにも関わらず、1週間で退院しようとしている。
要は手術の傷が完全には塞がりきっていない、動くのに不自由さも抱えながらの状態であるにも関わらず、リハビリ病院への転院を拒んでいる。

祖母の回復力を信じ、完全に状態を戻すために最低1ヶ月の入院がいいところかと私は思っていた。
転院前だが、「私の手が空いているうちに」とリハビリ病院に提出する写真計70枚(現状の家の内部写真)を準備したばかりだ。
医療職の父に「介護のことは専門外だから」と意見を求められた元作業療法士わたし、やっぱり荷が重すぎる。
1週間で自宅退院??
家の環境、何も整えてないんですが??
自宅環境整備、専門家に見てもらわずに私がやらなきゃいけない感じ??
私も元専門家だけど、私1人で??

現役時代、どれだけ薦めても担当さんの意志が変わらなかったことが何度もある。他のスタッフが入っても変わらなかった。
私の担当さんは総じて我が強かった。
そのループに明らかに入ってしまっている。

元作業療法士かつ家族関係が複雑すぎるサバイバーなので、どちらを薦めるといいのかわからなくなってくる。
祖母が残された家族(主に祖父や父)を心配する気持ちもわかるのだ。
機能不全家族の複雑性が介護問題に直撃した。



私の毒母と毒妹は自己愛性人格障害

実家

私の母や妹も父方祖父母と同敷地に住んでいて、父方祖父母から様々な援助を受けている。
それでも彼女らは、自分たちがもっと恩恵を受けて幸せになりたくて仕方がない。
っていうか母は、父方祖父母の子供にあたる父や叔母すら飛ばして自分を特別扱いしてほしい。

祖父母からの金銭援助など通常では考えられないほど優遇されているのに、彼女は不満だらけだ。
我々には母自身の生い立ちの不遇など関係ない。30〜40年以上前のことがそんなにつらいのなら、どこかで気付いて治す努力をするべきだった。
そこに微塵も気づかない人に用はない。
今回はエピソードを端折るが、残念ながら彼女らは自己愛性人格障害の可能性が高い。

母と妹が父方祖父母を善意で助けることはない。
かえって彼女たちに手を出されると迷惑なほどだ。
父方祖父母も彼女らに助けられることは拒否している。

祖母が入院している間、残された祖父のために、私は実家に何度も潜入する。
実家近辺で母や妹に遭遇しないよう、主に彼女らがいない日を狙う。刑事ドラマの主人公になった気分で実家にそっと近付く。

どうも私は人を助けなくてはならない宿命を背負っている気がする。

「自己責任だからいい」と言い張る祖母

※何度も言うけど、回復期リハ病院で専門家集団にいろいろ決めてもらうのが最善です。
状態が悪くなっても責任とれないので。

自宅状況や本人の心身状況等によって対処の仕方も様々です。この記事が直接他者に当てはまるとは限りません。
私の経験してきている例は介護サービス等を本人が蹴ってしまって、介護者側が困るケースが多かったので記録として書いています。

この記事を書いている時に祖母から電話が来た。
「るりちゃん電話かけた?知らない番号から来てるけど」

ああ、このタイミングは私が率直な意見を伝えるラストチャンスなのだ。
そう思った。

いくら元気な祖母でも手術から1週間で退院は無茶な気がする。
うちにはベッドも玄関の右手すりも高さのある風呂イスもない。
1〜2週間だけでもいい。リハビリ病院に短期間転院して、こちらにも最低限準備する期間が欲しい。
少しリハビリすれば階段も安定して上がれるようになるだろう。
しっかりしている祖母なら、リハビリ病院への入院期間は祖母の意思が尊重されるはずだ。
騙し討ちのようにそう長く入院させられることはない。
病院内で平面しか歩いていないのに、いきなり家の15cmの段差昇降をするのは怖すぎる。

病院に行った方が良くなる可能性がある。
それでも聞かないのなら私はもう後悔しても知らない。


祖母は意外とこちらの話を聞いていない。
いつもこういう話を患者さんとしているとき、あんたにこちらの気持ちがわかるはずがないと暗に言われている気がする。
説得が無駄なことはわかっていた。

やっぱり現役時代に私の担当さんが頑なに提案を拒むことがあったのは、私が引き寄せていたのだろうか。

「すまなかったね、あんたに迷惑はかけないから」

ああ、本当にどこかで聞いたセリフばかりだ。結末は嫌というほど知っている。
こうなったら緊急退院を見据えて私が主導で最低限自宅に足りないものを整えるしかない。

腰部脊柱管狭窄症の手術から一週間。1~3カ月程度のリハビリ病院への入院が必要であることが多い

硬性コルセットをつけて祖母は退院する

よほどの健康体であっても腰の手術は大手術だ。
手術直後は固定性が弱いため、樹脂製の硬性コルセットをはめて生活しなければならない。
次第に軟性コルセットへと変わっていくが、原則としてコルセットを付けなければならないことに変わりはない。
特に手術から1~3カ月というのは無理な体制を取ってはならない。
手術が大掛かりなものであれば腰を過度にひねることなどはドクターストップレベルだ。
一方で負荷がかかりすぎないレベルで鍛えていく事も健康維持には必要となる。

回復期リハ・訪問リハ・外来リハの各役割

介護認定が出てないと
訪問リハなどの慢性期のサービス使えないよー(-_-;)

回復期リハの作業療法の場合だと、腰に負担のない家事や生活動作のやり方を指導することも多い。
患者さんの身体機能等を鑑みて、退院前には自宅環境を整える提案や訪問・デイなどの次のステージに向けての介護サービスの提案も行うことがある。

急性期から回復期リハへの転院を蹴って自宅退院となると、いくら病院内は杖で歩けるとは言っても機能改善や階段などの動作訓練、生活指導、環境整備がごっそり抜けている。
我が家は介護認定も受けておらず、介護保険のサービスである訪問リハに一度見てもらうことも祖母は渋ったようだった。
急性期終了後、いきなり外来リハ(医療保険内)に通うようだった。

外来リハは自分たちで通うんだもん。
明らかに自宅環境問題などをクリアした次の段階だよ


回復期リハで行っていることを私がたった数日で全てやれと?
おまけに少しずつ変化する状態の加味も??
私はずっとぶち切れまくっていたし、元同僚たちも「あー好きにやらせるしかないね。ご苦労様」って反応だった。

本当は介護認定が下りていれば訪問リハビリを使って自宅生活の適切な支援が受けられる。
外来リハは医療保険で若い人でも必要があれば受けられるリハビリ。マッサージを少し受けられる程度だ。自宅状況を考慮したリハビリは行われない(回復期の仕事だから)。
高齢者が大きな怪我の後に介護認定を待たずに自宅退院してきてしまうと損なのである。

せめて訪問リハを早く使えるようになりたい。
1人じゃ無理!助けてくれ。

今回の場合、通う予定の外来リハで介護認定の打診を早めにして、少しでも訪問リハなどの介護サービスが受けられるように切り替えた方がいいと思う(外来リハと訪問リハ併用ができないので)。
全て蹴ってきてしまっている以上、それしかない。


父とホームセンターへ買い出しに向かう


※介護用品も、介護認定が出れば保険適用内でいいものが入手できる可能性もあるから(受けられるサービスに限度があるので確実に入手できるとは言えないが)、素直に回復期病院に入院するのがオススメだ。
介護認定が出ていない段階だと今回のように全てを自費で購入するしかない。

介護用品専門店に行くのがいいのだと思うが、急には場所が思いつかなかった。
最初にニトリに行った。4つ脚の45cmの風呂イスを見つけた。
祖母のレベルなら今のところ背もたれは必要ないし、高さのある軽いイスは便利そうだ。
余分に買って帰ろう。
なにせ床に座ることも多い家だから、イスは多くあっても困らない。
父が椅子の高さが高いことを気にしていたため35cm、45cmの2つの椅子を買った。
(家に置いてみた結果としては45cmイスが便利なので買い足そうということになった)

今回は軽量イスで十分だけど、
イスも高さ形状重さ様々だから専門家に相談してくれ!

ホームセンターには高さが調節できるシャワーチェアが売っていた。
もうニトリの風呂イスは玄関で靴を履くときとか他の用途で使おうと思い、シャワーチェア購入。

シャワーチェアも種類がいろいろだ。
ってか回復期病院で指示受けてくれればいい。

同じくホームセンターでリーチャーを購入。
ダイソーにもリーチャーは売っているが、ものによってはグリップ部分が硬くて使いにくい。
まあリーチャーをめんどくさがる人もいるけど、腰部コルセットを使っているということは腰を過度に曲げることを禁じられているからねえ。
床のものは人に取ってもらうか道具を使うか諦めるしかないよねえ。
グリップ部分が硬くないため、小さなものは掴みやすい。
試しにリーチャーで乾いた洗濯物を物干し竿から取っていったらめちゃくちゃ楽だった。
すごいぞ、コーナンのリーチャー。

リーチャーもいろいろなところに売っているから
もっといいものがあるかも

だがそのコーナンには長い靴べらがなかった。
ダイソーの靴べらの方が長さが理想的だった。

長さ60cmだそうな

帰宅してしばらく調べていてから思ったんだけど、なるべくいい姿勢を保つためにソファとダイニングチェアに適切なクッションが必要だな。
実物見て決めた方が良さそうなので、次の休みにでも行こうかな。

ベッドを置くのも本人は渋っているが、術後1週間かつ硬性コルセットの状態で腰に負担なく布団から起き上がる方法はさすがに自信がない。
「やり方考えたけど私にはわからん。無理」と繰り返し言っていたら、父が民間企業の介護ベッドのレンタルサービスを探してきた。
退院当日には間に合わないがなんとかベッドを確保した。

急性期病院の医者もベッドがないとは夢にも思わなかっただろう。急だったので、退院日を日延べしてもらうように頼むことも忘れてしまっていた。
祖母の布団を強硬で片付けないとたぶんベッド使わないな。
ちなみに祖父母の寝室は横幅3mかつ横壁を覆いつくすクローゼットがあるのでベッドが入れられない。
機能性が考慮されていない「なんちゃってバリアフリー住宅」だ。


自宅環境整備の次は元作業療法士が日常生活動作検討


買えるものは買った。次は日常生活動作を私がすべて再検討。
みんなは病院で専門家集団にやってもらってね。
元作業療法士1人が当時の知識を頼りにやったけど、患者さんの状態によってそれぞれ最適な方法が違う場合もある。
それに作業療法士単独で、同業者に相談できずに決めていくしかないとなると確証がないから。
時々元同僚に連絡を取るけど、仕事レベルのケースだから正直全ては聞きづらい。

私の想定より禁忌肢位は緩いようだが、この段階では全てを考慮して動作を再検討。
風呂、トイレ、玄関、更衣、整容、日中座る場所、安全な車の乗り降りの考慮を一応行う。


野次馬でしかない実母

こういう類いの動作資料を全部作った。
これは大腿骨頸部骨折患者向きの資料だよ。
ネットに落ちてるものを探すより撮った方が早いので。

弟を呼び出して私の指示のもとで私がポーズを取っている動作指導の写真を撮ってもらい、それを元に注意喚起の資料を作成。
念のためパターンを多めにA4の紙トータル12枚の図をプリントアウト。
自分がモデルになっている大量の注意喚起資料を野次馬で1階に来た実母に翌日見られてしまったが、それでもこの時はこの方法しかなかった。
私がいない時でも動作を安全に再現するには指導書しかない。
自宅内に貼る以上、実母に見られるのは時間の問題だしね。

実母の突然の来訪にパニックになって隠れたが、
「実母が本気で嫌がるぐらいおしゃれで自信たっぷりの女にこれから少しずつ変身していこうかな。
私の突貫工事の自宅整備に関心しているようだけど、祖父母には恩があるから行っているだけであって、お前らの面倒は意地でも直接見ないからな。
知った以上は私に頼るために汚い手段を使ってくるだろうけど、絶対に折れんからな」
と後から思った。

退院時に自宅まで付き添うことになる叔母にも最低限の伝達をし、ついでにデータを送っておく。
高額だけど、普通はもったいないとか言わずに退院時に介護タクシーを使うレベルだよ。
回復期病院で家族に介助指導をする過程すら飛ばしているからね。

専門家が知ったら白目剝きそうな臨時ベッドでレンタルベッドが届くまでの数日を過ごさせる計画をしている家族がいるよ…。
言っても大怪我だという認識がつかないのか?
我が家は自宅内SASUKEをやるタイプだな…。



さすがにいつまでも仕事を放り出して介護の援助をしているわけにもいかないので、
今日は退院直前の通路を妨害するようなものの片付けや残りの調べもの、簡単な家事、指導書の貼り付けなど、今日やれることは済ませて一旦終わりにするよ。

専門的すぎて全然伝わらない記事でごめんなさい。余裕ができたら適宜修正します。
では。
台風や暑さに気を付けて、いい日を過ごしてくださいね。


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