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#4 ペットのおはなし①

 私はうつ病を患っていて、毎週心療内科に通っています。毎度先生に伝えることは決まっていて、その中の一つは、“日中どんなことをして過ごしているか”を伝えます。
 2週間前の診察で、主治医の先生に「それはいいですね!ぜひ今後も続けてください!」と、ゴリ押しされたことがあります。それは…。

飼っているカメを眺めること

 カメを眺めているとあっという間に時間が過ぎます。嫌なことを考えることもなく、ただじっと眺めるだけです。
 餌やりをしてゲージの掃除をするので一時間。餌を食べているところを眺めて一時間。これだけの間ストレスに触れず過ごせることは、うつ病の治療中に効果的です。※私の場合です。

 犬を飼っていたり、猫を飼っているのはポピュラーですが、我が家には“ギリシャリクガメ”の“亀吉(かめきち)”がいます。

 そして、可愛い可愛い“チワワ”の“まろん”もいます。

 今回は、“ギリシャリクガメ”の“かめきち”をみなさんに紹介します。

 かめきちが我が家に来たのは今から10年前、私の弟が買ってきました。私の弟は生き物が大好きで、フグを買ってきたり、ウーパールーパーを取ってきたり(ゲームセンターのUFOキャッチャーで取ってきました。)、我が家は小さな動物園のようでした。
 かめきちは、もう10年我が家にいるのですが、私が世話をし始めたのはつい最近です。なぜなら…。

私は爬虫類が大の苦手だから。


 視界に入れることも、同じ部屋に入ることも、鳥肌が立つくらい嫌でした。

 そんな私が、なぜかめきちのお世話をし始めたかというと、「かめきちの爪が伸び切ってしまって可哀想だった」からです。

 亀の爪ってどうやって切るんだ、というところから始まり、検索して人間の爪切りでも切れるということが判明し、かめきちの爪を切るところからのスタートでした。

 爬虫類が苦手すぎて、直視ができず、初めは大変でしたが、なぜか私はワニが好きで、かめきちの手足をガン見して「ワニみたい、ワニみたい。」と暗示をかけていたら、いつの間にか慣れました。

 あれ?弟は、かめきちの面倒見ないの?

 弟はなんと…。

 
 お婿に行ってしまいました。



 しかも、一年前に。

 残された家族は、「いつか引き取りに来てくれる」ことを信じていたのですが、弟はかめきちを迎えに来ません。かめきちが大きくなったら近くの幼稚園に寄付しようと父は企んでいました。

 しかし、弟がお婿に行き、世話をせざるを得なくなり、色々調べていくと、“ギリシャリクガメ”は、成長すると30㎝くらいまでしか大きくならないことが分かりました。
 1mくらいの大きさになるのかと思っていたので、30㎝なら私がお世話できると思い、日々の餌やりとそうじは、なんとなく私が引き受けることになりました。


かめきちのチャームポイント

 かめきちのチャームポイントは、食事姿です。  

 平たいお皿の上に野菜やリクガメの市販の餌をあげるのですが、首を伸ばして食べる時に、餌がないところをパクパクしたり、食べるのが上手じゃありません。それを見てると、時間があっという間に過ぎます。

 最近は、私のことが分かるようで、お皿に噛みついてご飯を要求するようになりました。

 ちなみに、かめきちの本名はかめきちではありません。私が勝手につけた愛称です。名付け親はもちろん、私の弟なのですが、ついこの間帰ってきた時に、「亀の名前ってなんなの?」と、聞いたら、

「ぺぺ」

と言われました。
 なんと可愛い名前でしょうか。でも、私は“かめきち”の方がしっくりくるので、これからも“かめきち”と呼んでいきたいです。ストレスが溜まったり、嫌なことを考え始めたら、かめきちに会いに行こうと思います。

 なぜ、チワワのまろんではなく、ギリシャリクガメの亀吉なのかというと、犬は「遊んでほしい」という気持ちがあるので、構わないと怒ったりします。※我が家の話です。
 うつ病で気力も体力もないので、たまに一緒に遊んでいると疲れてしまいます。
 しかし、ギリシャリクガメは、こちらに対して直接的なアクションがないので、ただ眺めているだけで時間が経ちます。
 

 「なにか眺めているとあっという間に時間が過ぎてしまう。」というものに出会えると、その間嫌なことも考えず、ストレスフリーに過ごせるのでおすすめです。


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