私の性別は

「お前は男子トイレだろ?なんで女子トイレ入ろうとしてるの?」


私は生物学的な性別は女だし、
ジェンダー的な性別も女だと思っている。

もしかしたら恋愛対象は男性ではなく女性になるかも知れないし、
まぁこれからどうなるかはわからないけれど
とりあえず、現状の自覚は女である。


さて、冒頭の言葉に戻ろう。

これは中学時代、私の学年の先生の一人によく言われた言葉だ。

他クラスに入ってはいけないという謎ルールのあった私の中学では、
他のクラスの子と話す時、廊下というか、トイレ前が溜まり場になっていた。

そうしていると当然、教室移動している先生方にも会うわけで。

そこで冒頭の言葉である。
「あれ?こっち女子トイレだよ?」と。

そして私はいつも少しおちゃらけて返す。
「いや、女子なんですよ。」
「女子トイレであってるんですよね〜」と。





ここまで読まれて、
私はこの先生の言葉に傷ついてきたと思った方もいるかも知れません。

けれど、私は中学生の時、一度もこのやり取りで心を痛めたことはないんです。
冒頭の文章と私の返事も、威圧的な教師と嫌そうな顔をしている生徒ではなく、
楽しそうに話しかける教師と明るい声で返す生徒にイメージを変えただけで
随分と言葉の響きが変わるのでは無いでしょうか。

性別的なことではなく、
「今友達といい話してる最中だから話しかけないで!」とか
「ちょっと今日しつこいな」みたいな
状況的に嫌だったことはあるけれど、
むしろ一つのコミュニケーションで、 
先生にちゃんと覚えてもらってる、くらいのポジティブな感覚でした。

見た目もショートカットで、
制服以外はスカートを持っていない。
かっこいい男性を見ても
「付き合いたい!」より
「その顔になりたい!」「その仕草真似したい!」
という視点で見ることが多く、
おそらく、いわゆる『男性的』として
形容される様子に憧れが強い私は、
「かわいいね」も「かっこいいね」も
「女の子っぽいね」も「男の子っぽいね」も
特にこだわりがなく、
どちらかの性に当てはめられて
傷つく経験をあまりしてきませんでした。

女の子だけど男の子っぽいって言われて
嫌な気持ちになる人がいることはわかっているつもりでしたが、
はたから見れば、
自分も女なのに男と言われている張本人だったと気付いたのは
大学生になってからです。
それくらい、日常の些細な会話が
受け取り手の経験とか、想いとか、プライドとか
色々な要素によって
傷つける言葉にも、いじりにもなるんだなぁと
気付いた瞬間でした。

人を傷つけるために発する言葉が
私は好きではありません。
でも、傷つけるためでなくても
傷つけてしまうことがあると思うと
言葉はやっぱり難しい。

一般的、から外れると単語として表現しにくくなるし、
誰しもが型にはまらない部分があるんだろうなぁと思います。


これからもきっと私は女子トイレを使うし、
制服で女はスカートと言われれば反対せずに身につけるし、
性別回答も女の項目を選ぶけれど
私や世の中が思う「女の子らしさ」に
わざわざ合わせていく必要はないかなぁと。

自分の強みとか弱みとか
自分ってなんなんだ、と見失うことはとても多いのですが、
自分の性別的な話に関しては
なぜか、このままでいようと
いつからか意志を持ち、特に疑問を持たずに生きてきたので、
私は女、だけど女にわざわざ当てはめに行かず、女になろうとせず
これからも生きていくんだろうな、
そう思います。


P.S.
文面にしたことで自分の中で整理された反面、
やはり人に伝える文章を書くのは難しいと痛感しました。
なんだかまとまりの無い文章になりましたが、
お読みいただいた方、ありがとうございました。

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