のーたいとる

ときどき
"この人ある日突然消えてしまうんじゃ…?"
と思わせる雰囲気を持つ人に出会う。

どういう人?と聞かれたら答えられないが、

どことなく、熱くもなく冷たくもない雰囲気であまり、物事に関心がなさそうな、

それでいて、群れない。


実際に会ったことのある人もそうやし、
テレビの中の有名人とか、
小説家とか。


西加奈子さんの小説の

登場人物は、特にそれを感じさせる。

読むとちょっぴりトラウマになる
(いい意味で)ので、



毎回瞬きするみたいに一気に
読んでしまいたい…!

と思うけど、実際には休憩しながら
読まないとその世界観についていけない。

西加奈子さんは、どんな人なんやろう…



高校の時、数学でお世話になった先生は

まさに そういう人 だった。


はっきりとした年齢を知らないけど、
60代の男性で、常に遠くを見て話す人だった。

50分の授業時間のうち、
最初の10分だけ問題を一つ解いて、



あとは誰に聞かすわけでもないように、
まるで独り言みたいに、
生きていく上で、こうでありなさい

という話をしてくれた。

私はその人から
「愚直でありなさい」
と言われ、


ぐちょく という言葉の意味を知った。

1割の生徒は先生の話を聞いて
9割の人たちは、お喋りしたり、
他の科目の勉強をしていたような記憶がある。


誰が聞いていようが、誰かが寝ていようが

先生にとってはまるで関心のないことの
ようだった。


私は先生への興味と、先生の話への興味から
結構その独り言を聞いていた。


ききながら、
ある日突然、私たちの前から
いなくなってしまいそう…と思ってしまった。



高校時代の先輩でも、そういう人がいた。


いつも、口角が上がっていて
静かに笑う。

めちゃくちゃ明るい人とも仲が良いし、
とても静かな人とも気が合うようだった。


私にすごくよくしてくれて、
出会ったその日から呼びきりで名前を
呼んでくれた。

ふたりでどんな話をしていたのか
あんまり思いだせないけれど、

話す温度を合わせてくれて、

いつもヘラヘラしていると思われがちな

私の話を、干渉しすぎず聴いてくれた。

卒業式の日も、
寂しくて泣いている私に
いつもと変わらず静かに笑って、なんてことないように手紙をくれた。

また明日も会えるみたいに
軽いばいばいをされた。(笑)


結局、卒業してから一度も会っていないけど


私は何度かその先輩のことを思い出していた。


もらった手紙には、
「やらんといかんこともやりつつ、
好きな時に休んで、好きなことたくさんして、サボったりもして、あいみらしく、ゆるく頑張ってね。」

とかかれてあって、
名前が書いてなくても、先輩が書いたとわかるような手紙やな、と思った。


今はSNSで居場所や生活が
わかる時代だから、


その先輩が元気かどうか、
不意に、ほんとにたまに
見れることがすごくうれしい。


昭和の時代に出会っていたら、
多分電話番号は教えてくれなかっただろうな。



ちょっと逸れたけど。。。
とにかく、そういうひとに時々出会う。


でもその雰囲気を含めて、周りの人に魅力的
に映るんだろうな、と考える。

こんなこと、本人には言えない
(他人にもあんまり言えない)ので


実はドキドキしながら書いてます。

皆さんは誰かに対して
そんなことを思ったことがありますか?


共感者がいたら嬉しい。









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