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ビワと水仙

私の好きなビワの木がある。

知らない家の庭に植っている。

その家は外壁がゆるくカーブを描いていて、建物自体もいつも気になっている。
いつも「あぁ、いいな」と思っている。

今朝、通勤しながらいつも通り眺めていると、これまで気づかなかったけれど、白と黄色の水仙が咲いていた。

コントラストも良く、配置も良かった。

どんな人が住んでいるのだろう、と思う。

ただそう思っているだけで、別に具体的に知り合いになりたいわけではない。
そうやって、ぼんやり空想するだけで十分なのだ。

いろんなことが、そんな感じだ。

別に手に入れなくても、それを目にしたときにしあわせになれる。

これは、いいことなんだろうか…と、ぼんやり思っている。