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我が家は独立採算制

つい先日、立て続けにマジック関連の書籍を2冊購入した。大して厚くもないのだが、1冊は5720円、1冊は5000円だ。届いた本を見ながら、雑談のひとつとして愛妻に「こんな薄い本が5千円もするんだよ~」と話をしたら、予想外なことに愛妻に「働いているって素晴らしいね」と言われてしまった。
ニュアンスとしては、現在育休中で収入が給付金に限られる愛妻としては、高い買い物を我慢しているということらしい。

私たちは夫婦なのでもちろん支え合って生きてはいるが、大原則として独立採算制を採っている。
ひとつの家族なのに独立採算制とはどういうことか。簡単に言えば、家族としての生活費は分担制だ。食費と子どもの日用品は愛妻が、それ以外(家賃、光熱費、ネットやサブスクの固定費、子どものおもちゃ、外食費、観劇のチケット代、遠征時のホテル代など)は私が負担することになっている。
それら共同生活(観劇含む)を除いた各人の趣味に関して、独立採算制と言えばよいだろうか。彼女のいちばんの出費は洋服だと思われるし、私は観劇以外の大きな趣味である奇術(マジック)や書籍代が主な支出だ。

さて、ひどい旦那だと思われるかもしれないが、育休の給付金が出ている現時点では、愛妻には特に生活費すら渡していない。つまり食費と子どもの日用品の費用は、愛妻の育休手当から出ているのだ。現時点では(課税されないとはいえ)給与の50%しか出ていないので、愛妻も自然と財布の紐が固くなっているのかもしれない。

あと数ヶ月もすれば、(保育園に入れなかったわけではなく、自らの意志で入らなかったため、2年目からの)育休の給付金もゼロになる。もちろんその場合は生活費を渡すつもりだが、現時点では愛妻のやりくりに甘えさせてもらっているのが実状だ。

しかし冒頭のように「(5千円の本をポンと買えるなんて)働いてるって素晴らしいね」と言われてしまうと、ちょっと心が痛んでしまう。言い訳になるが、一応彼女にはクレジットの家族カードを渡してあり、買いたいものがあったら買ってよいと伝えてあるのだが、彼女は彼女で遠慮がちなところがあり、使うことも気が引けるようだ。

思い返せば韓国に住んでいた頃、同様に愛妻には(一人目の子の)育休の給付金が出ていた時期もあったが、いずれにせよ韓国ウォンの収入は私にしかなかったため、その当時は独立採算制というよりは、生活費を渡すスタイルでやっていた。あの頃が自分の人生で唯一、「大黒柱」として家族の生活を支えていた時代と言えるかもしれない。
とはいえ、毎月日本に帰国していろいろ買い物をするのはやはり独立採算制だったので、彼女の趣味(洋服)まで面倒を見ていたわけではないのが微妙なところだ。

結婚してから8年以上が経過した。
私が専業主夫だった時期はさすがに収入が足りず、愛妻にも心配を掛けてしまったが、それでも生活で苦労を掛けることはなかったと思う。それ以外の時期は、人並みの生活ができる程度にはお給料をもらってきた。
5千円の本くらいは(だって観劇ヲタクからしたら、B席1回のお値段だよ!)自由に買ってほしいと思う反面、これから子ども二人も大きくなっていくので無駄遣いはできないという気持ちもわかる。

やはり収入が足りないのが最大の問題だ。
愛妻の育休が明ければダブルインカムになり、買いたいものくらいは買える生活になると思う。しかし育休中の彼女につらい思いをさせるのは本意ではない。となると、収入を増やすしかないではないか。
専業主夫時代に収入として得ていたトレードか、あるいは輸入マジック販売を再開させて、愛妻が5千円の本くらいは躊躇なく買えるような生活にしてあげたい、と思いを新たにしたのであった。

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