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競馬で1,000万円当てた日のこと

(※一番最初に断っておくと、もうそのお金はとっくにありません笑)

トリプル馬単、それはうたかたの夢

あれは社会人1年目のある日、仕事終わりの喫煙所にて。

「『※トリプル馬単』って知ってる?」

競馬好きの同期から、尋ねられました。

※地方競馬における「WIN5」のようなもので、指定された3レースの1着、2着馬を3連続で当てる馬券形式。ようはロトシックスのようなものです。

普段は中央競馬しか買わないので、地方競馬には疎かった僕は、「トリプル馬単」の存在を知りませんでした。

その日はたしか、1,000万円くらいトリプル馬単にキャリーオーバーが発生していたと記憶しています。

南関東4競馬場公式サイトより)

(ここから話がぶっ飛ぶので、めちゃくちゃツッコミが来そうなのですが)そのとき僕は10万円くらいしか持っておらず、なぜか同期に「おっしゃ、お互い10万円づつ、二人で20万円ぶっこもう」と謎の提案をしました。

アーシーの激走、飛び込んできた1千万円

そんな馬鹿げた提案に、なぜか乗っかってきた同期。

そんなわけで20万円分のトリプル馬単を購入。

1レース目、2レース目と、人気どころで決着。
人気馬でレースが決着するほど、投票の口数も多いので、配当金は低くなります。

そして最後の3レース目。

アーシー(netkeibaより)

僕は「ただ名前が好きだ」という理由で「アーシー」という馬を買っていました。アーシーは11頭中の11番人気。つまり一番「来ないだろう」と思われていた馬です。

最終コーナー、猛烈な鬼脚でまくり上げてきたアーシー。

この馬一頭の存在が、僕らにそれぞれ約1千万円をもたらしたのでした。

(証拠の的中馬券です笑)

不合理×不合理=ミラクル

振り返ると、この奇跡は2つの不合理な(馬鹿な)意思決定によって導かれたことが分かります。

それは①10万円しかないのに、10万円をぶっこむ、②最低人気の馬を名前買いする

まじで再現性のない要因によって生まれた奇跡ではあるのですが、競馬でうたかたの夢を追いかけるのであれば、合理性を彼方に捨てる気概が必要です。

もちろん手堅い馬券で回収率を上げる方針もありですし、実際、AIのモデルを使うことによって100%以上の回収率を上げることは可能になっています。(下記は実際に僕が取材した記事)

あぶく銭は、あぶくのように消える

結論から言ってしまえば、的中した半年後にはもうそのお金は無くなっていました。

まず、ギャンブルで大金を当てると、感覚がバグります。

「え、こんなに簡単に当たるなら、もう一回買えば当たるでしょ」との、馬鹿すぎる思考に囚われ、ぐんぐんとお金が吸い込まれていくのです。

あれから随分と時間が経った今であれば、当然そんな当たり前のことには気づくので、「ギャンブルで買ったお金はギャンブルに使ってはならない」との鉄則に則れるのですが。

そんなわけで、3-4割くらいは競馬に吸い込まれていったと記憶しています。

「やべ、やべ」と気づいてからは、しっかりとお金を使うことにシフト。この感覚は理解してもらいづらいと思うのですが、元々があぶく銭だったので、投資や運用に回すのではなく、「さっさと使い切ってしまいたい!」との謎の感覚に囚われていました。

↑のnoteにも書いたのですが、僕は元来、物欲が薄い。

ならばと、地元、高校、大学、同期、とそれぞれの仲良しグループを次から次へと招集し、GIVE&GIVE精神でおごり倒していく日々をしばらく過ごしました。

残ったお金は、当時付き合っていた彼女の欲しいものを買ったり。

すっからかんになったときは、清々しさと同時に、ちょっとした安心感さえありました。

100万円も、1000万円も、1億円も、大差はなく

この経験から学んだことは、「お金は儚い」ということ。

人や立場によって「たった」「たかが」「されど」などさまざまな形容詞がつきそうな「1千万円」ではあるのですが、100万円だろうが、1億円だろうが、使う側のマインド次第で一瞬で溶ける、という当たり前のことを身を以て経験できたことは、これ以上ないファイナンス・リテラシーになったような気がしています(笑)。

ただ、ここに書けない話も含めて、この「競馬で1千円を当てた話」は鉄板ネタとして話すと周りに楽しんでもらえることも多いので、コスパがいい気もしています(笑)。

ケニアで無職、ギリギリの生活をしているので、頂いたサポートで本を買わせていただきます。もっとnote書きます。