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投資の神様が「カジノ的」って言っちゃったよ。って件。

世界で最も有名な投資家というと、皆さんは誰を思い浮かべるだろう。多くの人が「ウォーレン・バフェット」をあげるのではないだろうか。

米国最大の投資会社「バークシャー・ハサウェイ」を率いる超有名投資家で、以前バフェットが「日本の商社いいよね」みたいな発言をした際には、軒並み商社株が上昇をした。個人的にはその時「あなたくらいの投資家がそれ言うって、もう相場操縦じゃない?」と思ったりした。まあ、エイプリールフールに「テスラダメかも」って嘘を平気で言うカリスマ経営者もいるから、それに比べたら問題ないか。

そんなバフェットが自社の株主に当てメッセージを年1回発信するのが「株主への手紙」である。その中で「米国内外の株式相場の高騰は『カジノ的』だ」と発言したのである。魅力的な新規投資機会は乏しく、バークシャーの投資待機資金は最高水準に積みあがっているようだ。つまり、現在バークシャーは相場の高騰に危機感を示し、投資資産をキャッシュ(もしくは米短期債)で持っている比率が大きくなっているのだ。手元資金は23年末時点で1676億4100万ドル(約25兆円)と同年9月末に比べて7%上昇し過去最高を記録。総資産の16%を占めるまでになっている。

バフェットは「米国は投資家にとって素晴らしい国」と信頼を寄せながらも「私が若い頃とは比べ物にならないほど市場はカジノ的なふるまいを見せる。カジノは多くの家庭に浸透し、人々を日々誘惑している」と記した。

また「話題の株の購入に資金を充てる人々はバークシャーの株主像に当てはまらないとし、最近のAIブームで急激に株価上昇している企業について牽制したような表現をしている。
もともとバフェット自身は「自身が理解できないものへの投資は行わない」というスタンスなので、この発言も理解できる。しかしながら、appleやGoogleが台頭してきた頃にもバフェットは同じような発言をしているため、今後もAI関連銘柄の好調が持続すれば必ず投資はしてくるだろう。(現在アップル株はバークシャーのポートフォリオのほぼ半数を占めている)

さらに「有益な変化をもたらしうる投資先企業は米国にごくわずかしか残っていない」「現状で目を見張るような投資収益をあげられる可能性はない」「米国外はさらに機会が少ない」などとネガティブな意見を連ねている。

一方で手紙では日本の5大商社(伊藤忠、三菱商事、三井物産、住友商事、丸紅)にも触れ「適切に経営され評判の高い各社と連携し、世界各地で投資機会につながる可能性があることも恩恵だ」と各社投資に対し前向きな意見を書いている。

こう書かれると「じゃあ商社の株買おう」と思う人もいると思うが(まあそう思うよね)現在バークシャーは各社9%の株式を保有しており、確約で「9.99%以上の株を取得しない」となっているため現状バークシャーの買い増し余地は大きくないことは理解しておこう。ただ買い増しに向けては「魅力的な株価が持続する必要がある」とも書いているため、商社が今後期待が持てる銘柄であることは確かだろう。

と、言うわけで世界的な投資家が「現状株価市場はちょっと投機的な面が出てきているよ」と発言し、実際に資産を現金化して保有しているようだ。
バークシャーはリーマンショックの際に、レームダック状態のゴールドマンサックスの株を非常に有利な条件で買い付け、その後大きな利益を得たことがある。バフェットは今後市場が大きく下がった際の準備として、キャッシュ比率を高めている意味もあると思う。

日本でバフェットと同じような長期投資の神様的存在と言えば「さわかみ投信」の澤上篤人氏だろう。何十年も相場を見続けてきた投資信託の第一人者である。その澤上さんも最近の著書で「近く市場は暴落する」と書いている。澤上さんはずいぶん前から現在の市場の危険性を説いているが、バフェットと同じように何十年も相場を見ているからこそ、同じような感覚になるのだろう。

私も個人的には「暴落とは言えないまでも、大きなリセッションは必ずある」と思う。まあ、多くの人はそう思っているだろうし、運用している側だって同じように考えているはずだ。しかしながら、高値更新などにより、運用サイドとしては「上がっているのだから走り続けるしかない」といった状況なのだろう。みんな誰かが相場から「降りる」ことを待っているのだ。

こんな書き方をすると「じゃあ今投資なんかしない方が良いじゃん」と思うだろうけど、それは違う。確かに、一気に資産をつぎ込むのは間違いだが、コツコツ積み立ての投資を始めるのは間違いではない。だってまだまだ上がるかもしれないし、いつ下がるかなんて誰もわからないからだ。短期売買は「いつ買っていつ売るか」がすべてだが、長期運用は「長く続けること」がすべてだと思う。

「継続が一番大事」というのは投資だけじゃなくて、色々なことにも言えるだろう。こういったnoteもそうだよね。いつも読んでくれている皆さん、ありがとうございます。よろしかったらスキとフォローお願いします。

今日はここまで。

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