花房賢祐(Ryo Hanabusa

生産流通のコンサルタントを35年続けています。およそすべての商材についての産業に関わり…

花房賢祐(Ryo Hanabusa

生産流通のコンサルタントを35年続けています。およそすべての商材についての産業に関わりましたらか、モノの扱いには不安はありません。在庫の理論や販売価格と物流サービスで、減収増益とか赤字でもキャッシュ獲得などの裏技もたくさん見てきました。世の中のお悩みは、ヒトとモノ。よろしくね

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  • ロジスティクス・トレンド

    マーケティングとロジスティクスのコンサルティングテーマを取り上げています。

  • 物流の今とこれから、新刊アイデア

    久しぶりの原稿

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第1回物流ビジネスの契約と保険

物流活動はシステムと呼んで良いほど、きちんとした目的と手続きの連続で構成された活動です。商品の受入、保管から作業、配送、受け渡し、債権の移動という決められたことが連続して進められる、一連の活動です。システムですから、入力と出力、条件と結果は理路整然と整理されていますので、天災や事故以外、契約書に表現することの難しさはあまりないと考えられてきました。しかも、物流活動を委託・受託する場合には、天災は免責、事故は原因追及に応じた賠償で済ませることは双方合意となることが通例です。  

    • 連載:物流のコントラクト・マネジメント

       今日は『コントラクトマネジメント(契約)』を扱っていきます。コントラクトとは、契約書のことです。「契約書がどうした?」と思われた方もたくさんいることでしょう。先輩や得意先から受け取って、さらっと見ただけ、コピーを受け取っただけ、という経験の方がほとんどだと思います。  昨今のコンプライアンスとかリスクマネジメントという用語は、実はこの契約の上に成り立つ概念なのです。法令遵守とは、刑法や民法のように国の定めた法律以外にも、契約で取り交わした双方企業の約束が大切です。しかも、こ

      • 20年続く勉強会【物流塾】でNTS社長が講演します

        今週末、土曜代々木で4時から吉田社長が講演します。 テーマは『地域創生への新しい取り組み方提言』を遠野物語のように、地域を舞台にしたサイエンス・ファンタジーを展開します。 物流塾は私的勉強会として、毎月第2土曜に連続20年間開催しているユニークなセミナーです。東日本大震災では「物流マンの活動に敬意を示すために休会」しましたが、それ以外はコロナ禍でもZOOM連続20ヶ月、延べ140回を超える長寿セミナー会です。 物流とは生きること:日通幹部、平原直の金言です産業の黒子、生活

        • 複雑社会をシステムで〜プロローグ〜

           人類社会は多くの経験を積んできました。はじめの1000年は、暗黒の中で猛獣から逃れながら、小さな獣を狩猟し食料を得て生き延びました。武器を磨きながら次の1000年では火を手にし、明かりと熱を手に入れて、人同士も争う中で生き延びてきました。次の1000年は一体どんな社会が訪れるのかと大いなる希望と野望に満ちた時代のはずでした。  人は奇跡の星に住んでいます。43億年の地球の歴史はまだまだ続き、宇宙はビッグバンから生まれましたが、まだまだ膨張を止めることがないと言われています

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        記事

          ビジネス・ロジスティクス ビジネの経営課題はロジスティクスで解決できる 〜原因はヒトとモノ。ロジの守備範囲だ〜

          はじめに 世紀の今日、地球世界規模では人口が 75億人から急増しており、2050年には100億人を越えると 試算されている。あふれあまる人口と生きるために消費するモノたちの行方が心配だ。億年の地球誕生から見て火山噴火や彗星の衝突、氷河期以上に地球の地層環境は大きく変化しているそ うである。人類による地球資源の大消費が進み、新しい地球世代とみなせるという。氷河期が終わり1万年 以上続いた完新世(かんしんせい)から、人新世(ひとしんせい)の時代に突入しているそうだ。そのために気

          ビジネス・ロジスティクス ビジネの経営課題はロジスティクスで解決できる 〜原因はヒトとモノ。ロジの守備範囲だ〜

          至上命題、生産性向上

           生産性は金額で測るもので、一人あたり付加価値額で示します。付加価値とは売上から仕入れや他社への支払い額を除いた、「自社が生み出した差額」です。  決して働き方を変えたり残業を減らしたりしても、付加価値は変わりません。「高品質を低価格で」などという間違った価値観で取り組めば、生産性向上どころか更にジリ貧になります。勘違いが横行しています。  経済最優先だという政策もほとんど勘違いしています。働き方改革や裁量労働制などの残業カウントを除外するのは、明らかな誤りです。最低賃金を

          至上命題、生産性向上

          超高齢社会となった日本を支える物流とは

          アジアで一番の超高齢社会となったニホンは、後を追ってくる世界のためにも解決策を繰り出し続けなければなりません。誰も経験したことのない高齢社会とは、活力が止まり、補修や整備が行き届かずに知恵も工夫も施されずに家が朽ちるよう地球そのものすらが滅びてしまうかもしれない大危機なのです。日本は未だに目立った動きも始まらず、このまま2020骨太の方針という誇大広告だけでは、コロナ禍で影が薄くなるばかりです。リアルとバーチャルを混在一体化できるインターネットを活用して、風の谷である地方の再

          超高齢社会となった日本を支える物流とは

          これからのビジネスは競争理論では成り立たない

          ●競争から非競争、共創時代に向かって  コロナ禍がもたらした反省は、資本主義の選択と集中というカネの稼ぎ方だった。規模の経済を追求すればするほど、人々は都市化を当然のように許容して通勤電車も狭い家も高層化していれば良しとしてきた。これからしばらく10年以上は密を避けなければならないだろう。安宅氏が言うような風の谷を目指して、開疎化がキーワードになるだろう。カネより命が大切だからだ。そして誰しも親のことを心配に思うからだ。守銭奴も親の恩だけは忘れてはいけないものだ。  選択と集

          これからのビジネスは競争理論では成り立たない

          AIはアブラカタブラ? アルゴリズムは黒魔術でなかったか

           むかし、むかし。AIは何でもできる魔法の技術、その開発者に説明を聞くと「アルゴリズムが特殊です。非開示特許なんです。」と聞いても、何度聞いても、ちっともちんぷんかんぷん。それなのに、莫大なVCを集めて起業家が雨後の竹の子のごとくに立ち上がって行きました。そして、残された私達の周りには未だにペンペン草しか生えていません。足長おじさんたちから巨額な投資資金を集めて、本当に成功している企業はまだわずかであり、孵化器から保育器へ移動できても、そこから外界に抜け出ていない赤ん坊のほう

          AIはアブラカタブラ? アルゴリズムは黒魔術でなかったか

          物流もシフト経営体に

          コロナ禍という不確実性が襲ってきた今年、経営に迷いも不安もあるに違いない。世界も国家もただただ慌てて、繰り出す打ち手が空振りであったり、効果が僅かだったりと停滞ムードが続いている。大きな嵐が再び襲う気配もあり、ロックダウンの解除や行動制限が続いている。日本でも国民のコロナショックを支えるために一時給付金や経営者には持続化給付を提供している。この恩恵をありがたく受け取りながら、次の段階を構想する時期に来ている。 この図に何を見ることができるだろうか。2頭のうさぎ、2匹のアヒル

          物流もシフト経営体に

          次世代店舗4連作 Amazon kindle

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          未来の成長分野アイテム 2020-07-12

          ■生活・文化・情報 教育・EdTech 動画配信/制作技術 G空間・位置情報サービス コミュニケーションロボット・パーソナルロボット Web 3.0 / P2P(peer-to-peer) 次世代ディスプレイ 省エネ家電・ICTインテリジェント家電 導電性高分子・有機エレクトロニクス 有機EL・フレキシブル照明/ ディスプレイ パワー半導体 不揮発性半導体 次世代デジタルサイネージ エネルギー変換・トランスデューサー

          未来の成長分野アイテム 2020-07-12

          物流DXへのアプローチ 〜ペーパーレス、プラットフォーム整備〜

          およそすべての産業界で7割経済が深刻化している。基幹産業の自動車、建設、不動産開発はかつてない程の落ち込みを見せており、関連する物流事業者も悲鳴を上げている状況だ。当面の資金繰り策に目処が立っても、融資には返済が必要だし助成や給付はいつまでも続かない。この半年で蒸発した需要を埋めるほどのV字回復は今後もうありえないし、世界の企業はすでに全く別の風景を見ようとしている。 当面想定できる順風産業は医療、介護、食料、教育、ITとその人材派遣などであろう。特にITでは2025年の崖

          物流DXへのアプローチ 〜ペーパーレス、プラットフォーム整備〜

          ポストコロナのビジネスモデル〜2〜

          7割経済が当然となり、3密を避けるために飲食商業店舗では入場制限、交通機関は間引き運行、劇場や映画館では座席半減と採算など全く視野の外に置かれるようになった。製造工場や物流施設内部でも人的接触を最小限度に抑えるため、生産性も度外視されている。芸術文化活動やエンターテイメントは、元に戻れるはずもなく水族館のガラスで囲まれた水中ショーの様相になるだろう。消費需要と生産供給の両面が蒸発状態となり、戦後最大の不況が街を覆い、消費活動も心理的にリベンジは期待できない。我が国主力製造業の

          ポストコロナのビジネスモデル〜2〜

          ポストコロナのビジネスモデル〜1〜

          工業指数、生産量、消費も激減しているポストコロナの時代をどうやって生き延びるか。 およそ500万人が従事している飲食サービスでは、明日ではなく今日の問題で切羽詰まっているが、感染症は行動自粛でも終息するわけではなく、穏やかに広まるから、狭い室内の密接空間を楽しむような飲食業にこれからも通常復帰はないだろう。明らかに事業転換を図る必要がある。接待を伴うクラブバーもこれからは成立しないだろう。7割経済では収支が成り立たないからだ。  どうすれば良いのか、ポストコロナのビジネスはど

          ポストコロナのビジネスモデル〜1〜

          コロナ禍での経営〜ヒトとモノを分ける〜

          緊急事態宣言が解除され、街が戻りつつあるが消費者の弱気はいぜんと続き、中断された営業活動は元には戻ってこない。今、これから、何をすべきなのかと空を見上げるだけでなく、やるべきことをチェックしてゆきたい。それは次のような、4つに分かれるだろう。  事業計画のあり方  業務推進のリモートワークや働き方  資金繰りに合わせた財務計画  生産性向上のためのデジタルトランスフォーメーション  経営5大要素とは、ヒト・モノ・カネ・情報・不動産というのがセオリーだろう。これらの経営

          コロナ禍での経営〜ヒトとモノを分ける〜