末っ子の悩み

日記のようなものです。

久しぶりに実家に帰りました。実家が引っ越しをしたので、自分の荷物の段ボールを整理したりしました。見知らぬ天井でも空気感が実家なので、すっかりダラダラできました。日当たりの良い素敵な部屋でした。

私の両親は、家庭内別居とまでは言いませんが、話している姿をあまり見ないくらいの関係です。父親の勤務時間が長いのは仕方のないことですが、私を含めて3人で食卓を囲んでも、私中心にしか会話が起こりません。私が中学生くらいのころからそんな関係なので特に何かを思うことはなかったのですが、私が実家を出るときに急に両親のことが心配になりました。

私は末っ子なので、私が家を出るということは、両親が2人きりの生活をスタートさせるということでもあります。父も母も、あまり趣味のある人ではありません。2人ともタバコを吸うけれども、きっとあと20年くらいは生きてくれると思います。父の定年退職は近づいてきています。母はパートをいつまで続けるかわかりませんが、退職も近いでしょう。私は、仕事を辞めた両親の2人きりの暮らしが全く想像できませんでした。これこそが心配の正体でした。

その後、両親の住む実家が引っ越さなければならないことになりました。引っ越しは家族が協力して進める必要があるため、上手く進むのか心配でした。母からは時折、引っ越しの相談の連絡が届いていました。大変そうで、どうやらメンタルも少し弱っていそうでした。父と日常的に連絡をとることはないので、父の様子はわかりませんでした。ひどい話ですが、引っ越しについて、実家を出た自分に手伝えることは少なかったので、母から来る相談の連絡を少し面倒に感じていました。

引っ越しをする数ヶ月前、私は実家に置いたままの自分の荷物を整理するために実家に帰りました。最近の自分の様子を話したり、引っ越しの進捗を聞いたりと他愛のない会話をしました。この帰省で少し驚いたのは、両親が頻繁に会話をするようになっていたことです。引っ越しに関する必要不可欠な会話ではありましたが、以前よりも空気感の柔らかい会話でした。思えば、私の人生以上の時間を2人は過ごしてきたわけで、いらぬ心配だったのかもしれません。

今週の帰省では新たな実家に帰りました。帰った日は母が夜まで出かけていて、父が実家で待ってくれていました。リビングのこたつに入って久しぶりのテレビを眺めていると、父が無言で缶ビールを持ってきました。お酒を飲みながら仕事の話や研究の話をしました。冷蔵庫に入っていた賞味期限切れの缶ビールの風味が妙に記憶に残っています。

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