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【桜の躍進】 2022/4/2 川崎フロンターレvsセレッソ大阪

▼ 2022/4/2(土)15時 kickoff
▼ 等々力陸上競技場
▽ 川崎フロンターレ vs セレッソ大阪

※試合内容から見たい方は目次のフォーメーションをクリックしてください

試合前情報

磐石の王者フロンターレ

ACLのため、前倒しで2試合を消化済みで5勝1分1負。5年で4度のリーグ優勝王者は今年も盤石。CBジェジエウが昨年の秋から負傷中だが、昨季得点王レアンドロ・ダミアン、Jリーグベストイレブン家長、マルシーニョの超強3トップに、脇坂・橘田の超人中盤コンビ、神セーブ連発のチョン・ソンリョン。監督の修正力、勝者のメンタリティ含め今年も絶対王者としての存在感を放っている
▼スーパーセーブに松田陸と杉本健勇のシュートを挙げたチョン・ソンリョン

あえて狙いどころを探すとするならば、DFライン(特にサイドバックの前後)か。山根は攻撃面では抜群に素晴らしい。ただ、川崎の最終ラインのボールの出口は、①最前線のダミアンに当てる②優秀なボランチか家長が引いて支えてくれる、がメインのため、広島のように①もさせずに早めにプレスができればチャンスは生まれる。いかに相手のDFラインで勝負できるかが鍵

※広島もシュートチャンスは多かった

川崎はルヴァン杯のグループステージが免除なので、3/19から休暇。4月15日から始まるACLでの中断に向け、ここ3試合は勝ち点を落とさずにいきたいところ

前節のセレッソ

ルヴァン杯で大分トリニータ相手に6-1の大勝(6得点以上の勝利は2016年以来)、2022年ホーム初勝利。相手がメンバーを落としてきた中で手放しには喜べないが、毎熊や鈴木徳真、岡澤など新戦力の台頭があり、チームとしての底上げが見えた一戦だった

なお、ミッドウィークにはベトナムとの代表戦があり、我らが桜の戦士ダン・バン・ラム選手がセレッソの若手より早く地上波デビュー。100人以上は日本よりダンバンラムを応援してたみたい

川崎に対しては、レアンドロ・ダミアンとボランチ対策が必須。前回は西尾がダミアンをかなり封じ込めていたので今回も期待できるし、ヨニッチや鳥海も外国人相手にかなり厳しく対応できる。ボランチに対しては、プレスバックできるFWと対人が強い鈴木徳真が対抗策になるか

フォーメーション

川崎4-3-3 セレッソ4-4-2

■セレッソ
ジンヒョンとヨニッチ含むDFライン、中盤は現在はこれが基本布陣のよう。注目の北野は連戦続きでお休みで、FWは加藤・山田のペア。ヨニッチスタメンに加え、新加入のパトリッキをベンチメンバーに加えた

■川崎
チャナティップも復帰し、現時点のベストのメンバーで挑む。セレッソはここ数試合で戦い方を大きく変えているが、鬼木監督は特に対策をしていないようなコメント。なお、大島僚太はベンチ入りもしなかった

前半

ややオープンな展開の試合の入り

  • 両チームのファールを取らない審判

  • ホーム無敗記録がかかった大事な試合にごたつく川崎

  • 川崎相手に力みミスするセレッソ

序盤セレッソは予定通り、前線2枚とサイドハーフに加え、ボランチ2枚が精力的にアプローチしていたので、ある程度攻撃の回数は確保できていた
対するフロンターレは、随所に川崎イズムを見せるが、「あれ、フロンターレってこんな感じだっけ」と、強いことには変わりはないが圧倒的強者ではなかった(鹿島とFC東京の方が怖さがあった)

川崎もDFラインの対応は怪しいものが多かったが、セレッソも川崎相手に焦りがあったのか、ミスを連発。それに加えてレフェリーが両チームに対してかなり多くのファールを流していたので、最初10分はなんともいえない展開だった(主審はこの試合通して一貫して微妙なレフェリング基準)

セレッソが前半3得点

12分ー【1-0】得点者:乾
9分に川崎はマルシーニョの抜け出しからチャンスを迎えたが、直後にセレッソが先制。加藤が相手のビルドアップを引っ掛けたところから、中原が優しいスルーパス、加藤はDFを引きつけたタイミングで、中にいた山田へ

山田のシュートは谷口に当たるが、ゴールポストで跳ね返ってきたところに乾が詰めてゴール。この場面、加藤が引っ掛けたタイミングで川崎の右SB山根が乾がいるにも関わらず高い位置を取りすぎていたので、乾を追いかけた時には、山田・乾vs谷口の2vs1の状況になっていた

ダミアンを使えない川崎

攻撃時のレアンドロ・ダミアン、家長ー山根のラインは驚異的でこの試合も家長ー山根は躍動していたが、あまり数は多くなかった。脇坂はかなり橘田に指示出ししていたが、、チャナティップと橘田との三角形の形が悪いので中盤からボールが入らない。とするとDFからダミアンに放り込む方法を使ってくるが、パスの距離が長いので、ヨニッチも予測がつきやすくほぼ完璧に潰せていた

27分ー【2-0】得点者:乾
前に来ていた川崎を奥埜から乾へのフィードでひっくり返し、加藤がタメを作ったところで山中が追い越し、中にパス。山中は状況に応じていろんな選択肢を持っている

中央で受けた中原に対してDFが3枚いたが、①シュート②前の山田とのコンビネーション③右に上がってきた原川という選択肢があったが、相手が寄ってきたところで④追い越した乾にパスを選択。中原のまたまた優しいパス、乾の右足アウトのファーストトラップで勝負あり

前回も書いたが、ペナルティエリアに侵入する人数の多さがここ数試合際立っており、ゴールへ向かう選択肢が多い。チーム内共有もできているので「チャンスをゴールに結びつける」というセレッソの意識が確立されてきた

35分ー【3-0】得点者:山田
少しアバウトなクリアを受けたから加藤から山田へ。山田は結構こういうトラップをするので、一発で仕留めようとする谷口の判断も悪いが、抜け出した山田が上手かった。ストライカー山田の本領発揮というところか

山田と加藤は、お互いの位置関係が絶妙に良い。1点目も得点に絡んでいたが、近すぎず遠すぎずが(お互い見ているのかわからないが)常にできているコンビ。上門・北野もそうだが同じメンバーでやり続けることも大切な要素

守備時は10人で守り、時間を使うセレッソ

セレッソは自陣まで攻め込まれた時は、FWのどちらか一方とDF,MF全員でブロックをつくり守っていた。そのため、川崎のパスの数は増えるが、ブロックの外からの攻撃しかないので、「相手に持たせる」時間帯をつくり集中して守備ができていた。川崎はパスワークの連携で崩すことを得意としているが、個で1人はがせる選手(ドリブルで勝負する)がマルシーニョしかいない+中盤があまり機能していなかった、のでガチガチのブロックを組むと崩される気はしなかった

またセレッソは、相手陣内でプレーするために技術のある乾貴士の左サイド(相手の右サイドバック付近)でできる限り相手を追い込み時間を潰すことを意図的にやっていた(かも)。ここに関して川崎は、体幹MAXの家長がサポートに入ることでなんとか打開していたが、家長がこの位置まで降りてくると川崎としては攻め手にかけるので厳し区なっていた

後半

川崎は後半開始から4選手交代

◆川崎フロンターレのハーフタイムでの選手交代
 レアンドロ・ダミアン→知念
 チャナティップ→遠野
 橘田→小塚
 山村→塚川

鬼木監督は修正力のある方だが、ちょっとこの交代は理解できなかった。3失点して何も変えないわけにはいかなかったのだろうが、山村は悪くなかったし、ダミアン・マルシーニョ・家長の3トップの方が嫌だった(封じ込めて交代させたヨニッチと西尾の勝ち)

最後まで得点を狙うセレッソ

過去のセレッソであれば、リードがあればそれを守りきり勝利を狙っていたが、今シーズンは一味違う。時間も使いつつ、守りに固執せず狙える時は得点を積極的に狙っていく。リードしても相手陣内での時間が増えるので、結果的に攻撃は最大の防御なり、となる。以前の川崎のよう

67分ー【4-0】得点者:山田
中原がこぼれ球を奪取し、サイドのパトリッキへ。パトリッキは追い越してきた原川に絶妙なラストパス。出すタイミングも強さもコースも完璧。これはサブイボ

テンポの良いパスなので、相手のマークが追いつかず、1枚ずつズレて対応することにより、中の山田がフリーになった。パトリッキは別の場面でも同様の(相手DFがギリギリ足を出せない)パスを出していたので多分狙い通り。パスも抜群に上手い

チョン・ソンリョンは素晴らしいGKで、ビッグセーブもしていたが、ここまでフリーにさせてしまうと流石にノーチャンスの4失点

プレスの遅さから失点

交代で入ったメンデスとパトリッキ。彼らの良いところもあるが、プレスに関してはスピードとコースの切り方の判断が遅いと感じていたところ失点。小菊セレッソは前線からのプレスが生命線なのでこれができなければスタメンは厳しい。ここが穴となって相手の中盤に自由に動かれたため、たちまち後半途中から川崎フロンターレは息を吹き返した

※加入後初出場にそこまで求めるのは酷かもしれないが、、

85分ー【4-1】失点
パトリッキのプレスが遅くなり、ボランチがカバーに入ったところで逆サイドに振られ、毎熊・ボランチ・ヨニッチと1枚ずつずらされて失点。川崎フロンターレの真骨頂のようなゴール

ストライカー小林悠が入ってきて、アディショナルタイムにも攻め込まれる時間が続くが、最終的にはスコアは動かず、王者相手に4-1の勝利となった

試合終了

桜の季節、大量得点の大勝利

小菊セレッソはここ数試合でやってきたことの完成度をさらに高めて絶対王者に勝利。首位川崎フロンターレは、ホーム無敗が25戦連続続いていたが、セレッソが不敗神話を破るチームとなった。川崎相手にシュート数20本は上出来。川崎のシュート数は17本だが、前半は5本しか打たせなかったことがすべて
王者相手に勝利するのは特別な気持ちになる

前回の記事でも書いていた相手のDFラインで勝負できたことが大きくて、川崎相手にもかなり準備し、それを実行した選手たちと采配ピタリの小菊監督に大拍手

セレッソの選手はクオリティの高い選手が揃っている上に、移籍組も想像以上のフィットをみせているため、チームとして噛み合えば負けないセレッソへ変貌できるはず。カップ戦やミッドウィークでも同じクオリティの選手が同じ戦い方をできているのは、他チームと比べてアドバンテージが大きいので、ここからもう一歩上位へ食い込んでいきたい

多様な得点者

このチームの強みは細かい連携か縦に速い攻撃で相手ゴールに迫ること。誰もが得点者になるようペナルティエリアに侵入すること。これを体現するかのように多数のメンバーが得点者として名を連ねている

vs清水 奥埜、上門
vs札幌 山田、メンデス
vs大分 毎熊、中原、岡澤、加藤、乾、山田
vs川崎 乾、乾、山田、山田
直近の得点者

今節のピックアップ選手

◆DFライン
まず忘れてはならないのは、相手の超強力3トップを前半0点に抑えた4バックの面々。ヨニッチと西尾の安定感はもちろん。家長やマルシーニョに対峙する難しい役割を無難にこなしたサイドバック2人も、目立たないが素晴らしい働きだった

あとヨニッチの試合前に味方を鼓舞する感じがキャプテンシーを感じた

◆原川力 
ボール奪取、こぼれ球奪取、判断、最近の試合から調子が良すぎる。加藤も山田も乾ももちろん良かったが、本日のMOMは原川。現在のセレッソのシステムにおいての心臓部分になっており、鳥栖にいた時の存在感が戻ってきた

◆中原輝
数字には出てこないが1試合を通して抜群の輝きを放っていた。松田陸との関係性も仕上がってきており、抜け出してクロスも出せる・囲まれてもドリブル突破・ラストパスの丁寧さ・奥埜や他選手とのダイレクトプレーと多彩な変化をつけられる選手になってきた
前半30分、猛ダッシュの戻りで相手の攻撃を防いだ場面も素晴らしかった

◆ジェアン・パトリッキ
後半途中からJリーグデビュー。守備時に少し不安はあるがまだ1試合目。一瞬の抜け出しの速さとシュート力、思い切りの良さなどスーパーサブとしてかなり期待できる。自我の強い選手ではなく、時間を使ったりパスも出せるところもセレッソに合いそう。体幹も強く、前向きにすると厄介なので後半途中から外国人と組み合わせて時間を使ってくれるとなお心強い(今日はメンデスと2人で4人を引きつけていた)

初出場が川崎フロンターレ相手でここまでやれる選手ってなかなかいないんじゃないだろうか。さすが日本代表守田のお墨付きの選手(守田とは以前チームメイトだった)

おまけ

加藤陸次樹のペットボトルチャレンジ
53分加藤が、ピッチ外にそっと投げたペットボトルがワンバウンドしてきれいに立つ。DAZNでは53分40秒。何回見ても笑ってしまう、持っている男、加藤

次節 個の強さを持つ柏レイソル戦

ジュビロ磐田に勝利し、6試合で4勝と現在リーグ4位につけている好調レイソル。ドウグラス、小屋松、細谷、マテウス・サビィオ等強力な個の力を用いて少ない手数でフィニッシュまで迫ってくる。ただ、ともに連戦を控えた中2日のミッドウィーク決戦。柏はジュビロ戦で主力メンバーがほぼフル出場。セレッソの選手層の厚さが必ず活きてくる。そろそろ山下がみたい

ご覧いただきありがとうございました。勝っても負けても引き分けても、あくまでも前向きに。セレッソの良かったところと悪かったところについて書き続けてみようと思います

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