世界一美しくて、欲しいもの、 見つけた。

世界一美しくて、欲しいものを
見つけた。

夢の中で、唐突にその瞬間は起きた。

ボスから仕事の説明を受けるため、
わたしは、ガレージに入った。

ガレージのドアを開けると、そこには、ボスと、

その横に、顔が恐ろしく醜い
小さな、人間が立っていた。
真っ青な人。リトアニアの男の人。
隠し子なのか・・・彼のこと、話に聞いたことがない。

人がその容姿に驚くため、人を避けてきた。

彼はいないものとして、普段扱われているようだ。
彼自身も、ボスの下で働く以外、隠れて生きていたような。

そんなことを、瞬時に悟りながらも、

通常ならそれを口に出さず、自然に無視して接するだろう自分が、

このとき、理性に逆らい、どうしても彼から目を離さなかった。

ボスは、仕事の説明を私にし始めていたが、
私は、頭ではそれを理解しつつも、
醜い人の顔を見つめていた・・・。

顔を食い入るように見つめられていることに気づき、

彼は戸惑い、もぞもぞとした。
彼は情けなさでいっぱいだったのだろうと思う。
自分の見た目に対して、トラウマしかないだろうから。

わたしは、彼が気づき私の目を見たことで、
一瞬だけふと我にかえり、力を抜いて、言った。

それでも、目を彼から離すことはなかった。
「ボス。この人のこと、まだ私に紹介していないよね?」


この時点では、なぜわたしが彼を

ここまで食い入るように見つめているのか、
その理由を考えもしなかった。

ただ、その瞬間に集中していた。

私は周りを気にしようと試みてはみるものの・・・。
彼から目を離そうとしても、自分の理性に反し、
どうしてもカラダは言うことを聞かなかった。

その瞬間、私は、目の前にいるものが何か、気がついた。

こんなに、美しい人、
見たことがない。
私は、この人と、
一生一緒にいたい。

気がついたら、あとは言葉にすることができた。

そして、私は恐れることなく、その瞬間にすべてを悟っていた。

そして、自分の未来をすべて受け入れていた。

わたしは、
「こんなに美しいひと、
見たことがない、、、」
と口にもらしながら、
彼に近づいていった。

自分の突然の想いに
彼が怖がらないように。。
だけど、
理性を抑えることはできず、
真っ直ぐに、言った。
真剣に、そして、穏やかに、
そして、そのまんまに。

わたしは、彼を
愛していた。

日本で育ち、思春期は単身海外で過ごし、独特な感覚を持っています。日本で2年社会経験を積んだのち、現在はアイルランドの小さな街で生きています。