「DX」という言葉が流行った理由

2022年12月22日号の日経コンピュータにあった、編集委員の木村さんの記事です。
ITベンダーに辛口で有名の木村さんです。


「BT」ではなく、「DX」が流行した理由

今やどの企業の経営戦略にも「DX」という言葉が入っています。
ちなみに、私の妻は未だに"デラックス"と言っています。(本気です)

今更ですが、Digital Transformation → Digital X-formationの略です。
「DT」ではなく、「DX」と名付けられたおかげで、"変革"の強いイメージと語感が力強くシャープな響きになります。
デジタル変革という方向性が明確になり、経営者の心にも刺さったのではないでしょうか、

日経コンピュータの当記事では、十数年前にも「DX」と本質的には同じ意味の「BT」という言葉が使われていたと紹介されています。
「ビジネストランスフォーメーション」の略で、ITを活用したビジネス構造の変革を目指す取り組みを指す言葉だったようで、「DX」と同じですね。

システム開発者の身としては、「BT」と聞くと"バッチ"をイメージしてしまいますが、言葉の選び方ひとつで訴求力が大きく変わった良い例だと思います。

言葉の力を侮ってはいけない

システムの開発をしたことがある方は同意してくれると思いますが、名づけ(ネーミング)はとても重要です。

There are only two hard things in Computer Science: cache invalidation and naming things.

Phil Karlton

(和訳)
コンピュータサイエンスの中で難しいのはたった2つだけです。キャッシュの無効化とネーミングです。

有名なソフトウェアアーキテクトのマーティン・ファウラーの記事でも紹介されています。

身近なネーミングの例としては、プロジェクトで管理される課題管理表の"課題名"のネーミングは重要ですよね。
"課題名"がイマイチな場合、会議の度に"どんな課題だったっけ?"となってしまい、毎回課題を説明しないといけなくなります。

有名な課題名でいうと、「2025年の崖」。これはキャッチーでしたよね。
多くの企業が、自分事としてシステ”ムの近代化に取り組み始めました。

言葉の力、ネーミングの力は侮れませんね。

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