議員生活一年を終えて(一般質問編・中)

前回の続きです。
今回は、令和4年度に4回行なった内の、3回目の一般質問についてです。

令和4年6月議会 〜町とデジタル〜

12月の定例会では、デジタル関連のことについての質問を行いました。
総合的に、町のデジタルに関しての総点検的な意味合いで行いました。
デジタルやシステムは人手不足を解消する魔法のツールのように謳われることがままあります。
しかし、今までよりも労力は減っても別の手順が増える、仕事のやり方が変わっていくことも同時に起こります。

妥当性を導く難しさ

これは真鶴町に限らずですが、
デジタルに対する理解が曖昧だと、値段の妥当性についても説明ができず、
または導入したはいいけれど検討が突き詰められていないといざ実務で使ってみたら思った通りにはいかず、当初の目論見通りの運用ができていないなんてこともあります。

言ってしまえば「デジタル化」より先に「解決しなきゃいけない課題」があって、それを解決する一つの新しい道具として「デジタル化」があるわけです。
確かに「デジタル化」していること自体が、求められることでもあるし、
一見華やかで非常に行政として進んでいるような印象を受けます。
でも、実際の課題に対して道具として扱う認識がなければ、
そして使い倒さなければ町の人たちのためにならないし、
予算を多額に使って華やかなだけなら私は花火でもあげた方が心躍るものだと思ってしまいます。

現状はケースバイケース

例えば同じシステムにまつわる「委託料」と言う言葉が付く項目が、
予算書の中にいくつも出てきます。

例として「町例規集データベースシステム管理委託料」があります。
これは令和5年度予算で昨年比増額となりました。
例規集は町の様々な条例・規則を一覧できるものです。

実際に、条例の元となる法律が国の方で変えられたりすると、こちらも整合性の確認が必要になってきます。
また、そうなると条例同士の関連についても調査が必要になったりと、かなり大変な作業になります。
このデータベースシステム管理委託料は業者側で様々なプランが用意されており、金額により関連法の調査であったり、国の法律が変わる際の期限が来た時に再確認をしてくれるサービスなどがあります。
今回、人手不足によりここを増額し、委託業者の作業範囲を増やしました。
ここは、町が課題としている「業務逼迫」解決へのアクションとなります。
これについては先に出した例で言えば「業務逼迫」と言う課題に対してシステムをうまく使えた例だと思っています。

ただ、例規集とは真逆にあまり突き詰めて考えられていないものがあるのも事実です。
「デジタルプラットフォーム管理委託料」と言うものがありました。
「身近な公園作りプロジェクト」や「子育て・教育課題の解決」のレポートなどが掲載される「公民協働プラットフォーム」と言うサイトです。
自分で調べた限り高機能で優れたシステムではあったものの、
使いこなせているとは言えない状況でした。
サイトにある「カレンダー」には、実際に採択された団体がイベントを行う予定がある日も空っぽであったり、この事業はデータをデータを公開すること一つに売りにしていたのに去年の分も今年の分も「ここからデータをダウンロードできます」と言うボタンを押しても「まだデータがありません」となってしまいました。
これは何より運用が出来ていない事例であって、しかも町長が再三実績として取り上げる、比較的注目度のある事業のはずでした。
AppleWatchの一般質問でも疑問視した「行政側がよくシステムを理解しているか、その上で運用に積極的か」というところに、またぶち当たった気がしています。

簡単にいってしまうと、採択された団体は自分たちが行ったイベントの様子や予告を写真付きでわかりやすく掲載していました。
また、委託を受けた業者側も一応不具合等なくシステムを導入・設置してくれたように思います。
ただその間に立つ町役場が担う運用の部分で手が回っていないのが一見してわかる状況でした。

無関心さが一番の問題

にも関わらず、この状況を誰も気づいていないし、そのままになっている。
何より採択されて事業を行なっている団体は主に町民です。
その人たちに対して失礼じゃないのか、このプラットフォームに予算を注ぎ込むくらいならこの事業の中でも他に使い所があったんじゃないのか。

投げっぱなしに映るこの役場の無関心さこそが、これからデジタル施策を成功へと導く際の最大の障壁になると思って指摘しました。

その後、すぐにカレンダーが空とか、データがダウンロードできないといった問題は解決しました。
ただ、本質的な問題はそこではなく、その後の色々なやりとりを経て、
事例を見ても根本的な改善に至っていないことから実感しています。

ことデジタルにおいてこれが良くないんだよ、
ここが変われば仕事も楽になるし町も良くなるよと、
どうすれば町側にも町民の方にもわかってもらえるか、
今任期中には必ずこれ、解決します。

良かったこと、変わったこと

予算審議でも改めて指摘しましたが、令和4年度予算に組み込まれていた
町の公式SNSが、ギリギリ滑り込みで3月末に開始されました。

公式LINEも同時に開始されています。
予算をとって、委託業者の整備が終わっても中々開始が出来ていない状況でした。
かなり担当課に荷重がかかっているのは承知していましたが、
委託事業者が半年前に完成させていたものを役場側のセッティング出来ていない、活用に至っていない状況でした。
もう少し早く、という思いもありましたが最低限年度内に開始できたのは担当者の方の頑張っていただいたからで、素直に感謝します。

しかし、予算を投じて行なっているものでも放置にある状態は、
役場全体でこういったデジタル施策の重要度や理解度が低い状況にあるからです。
正しい理解を指摘や事例を通じて積み上げていければと思います。

町民の皆さんでTwitterご利用の方、ぜひフォローしてご感想をお聞かせください。

3月の質問は明日に続きます!

お読みいただきありがとうございました。

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