忙しい人のための数学②(補足)


はい、これの補足です。

ウソは言ってないけど正確ではない。こういうのを詭弁と言います。

前回は-5ってなんだ?ということを考え、「0より5小さい数」ということにしました。それはつまり、「数直線上で0から左に5進んだ場所」を意味しています。

ということは、「左に一回進む操作を5回繰り返した場所」であるとも言えますね。言えますか?頭の中で確認しながら聞いてもらえたら嬉しいです。

式で表しておきましょう。

-5=(-1)×5

このようになります。


ところで、かけ算には「交換法則」というルールがあるのはご存知でしょうか?かけ算なら順番入れ替えて計算しても答えは変わらないよ、というやつです。

2×3=3×2だし、0.375×16=16×0.375です。
愛があるからSEXするのだし、 SEXしたからには愛があるということですね、違うか。

それはさておき、-5です。

-5=(-1)×5ならば、-5=5×(-1)も成り立つはずです。


…?
マイナス5は、5のマイナス1倍…?

マイナス1倍ってなんだ。


謎の計算が出てきてしまいました。


しかし案ずることなかれ、マイナス1倍がわからなくても、私たちは答えを知っています。

5のマイナス1倍は、-5です。

はじめに「-5ってなんだ?」という問いから、「それは5のマイナス1倍である」という答えに辿り着いたのだから、マイナス1倍の意味がわからなくとも、5にマイナス1をかけたら-5になってもらわなきゃ困る。

5×(-1)=-5

であるはずなんだ。

じゃあマイナス1倍は置いておこう、わからんから。

でも「5」と「-5」なら数直線上に書けるはず。

5は0より右に5進んだ場所
-5は0より左に5進んだ場所

おっと。

なんだかうまくいく予感がしませんか。

ここから先は頭の中で数直線を思い浮かべながらお聞きください。実際に紙に書いてもらえたらよりわかりやすいです。

「数直線上の5に対して、謎の操作(マイナス1倍)をすると、-5になる」

ではこの謎の操作とは何を意味している?

そう、ひっくり返している。

回れ右だ。

向きだけ180°ひっくり返る。

回れ右するたびに身長が変化する人はいない。

回れ右を2回繰り返せば元通りだ。

大きさは変わらない、向きは反対。

これがマイナス1倍の意味だ、ということでどうでしょうか。

初めて勉強する人ならこの理解で十分だと思っています。実際はもっと深い意味もあったりしますが、それは後々の話。

というわけで冒頭の(-3)×(-4)の話です。


-3=3×(-1)
-4=4×(-1)
よって、
(-3)×(-4)=3×(-1)×4×(-1)
            =3×4×(-1)×(-1)   交換法則
    =12×1      3×4と、回れ右を2回
    =12

ということで12です。負の数を見た時に、「正の数のマイナス1倍だ」と認識出来るかどうかが大事です。計算ルールではなく、自分の認識や理解を深めていきましょう。お疲れ様でした。

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