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プラモデル製作記 タミヤ 1/72 マクダネル・ダグラス F/A-18 ホーネット

タミヤ ウォーバードコレクションの「1/72 マクダネル・ダグラス F/A-18 ホーネット」を作りました。型番は「60702」です。

映画「トップガン マーヴェリック」で活躍した「スーパーホーネット」ではなく、いわゆる「レガシーホーネット」と呼ばれる機体です。

パッケージ

キットは中古で購入したもので、シュリンクがパッケージに貼りついてしまっていました。
この頃のタミヤはイタリアの「イタレリ」というプラモデルメーカーと提携していたため、パッケージや説明書にもイタレリ製である旨が記載されています。

しっかり「ITALY」です

このように、内袋にも印字がされています。
当時としても安価で割と充実したラインナップで、家電量販店等でも入手しやすかった記憶があります。
タミヤのウォーバードコレクションは、同スケールのハセガワと比べて箱が大きいこともあり、並んでいるとちょっと豪華な雰囲気でした。
(今となっては入手が難しいものも多く、もっと買っておけばよかったです…)

1/72のホーネットのキットは、ホーネット自体人気があるため、それこそどこのメーカーからも出ている定番キットとなっています。
現在新品で安価に組むのであれば、ハセガワのキットが組みやすいのではと思います。
タミヤ・イタレリのキットは現在は中古でしか流通していませんが、あえて選んだ理由として、付属するデカールがワールドワイドであることが挙げられます。
付属デカールで再現可能なものは、

  • アメリカ海軍 第106戦闘攻撃飛行隊 "グラディエーターズ"

  • アメリカ海軍 第82戦闘攻撃飛行隊 "マローダーズ"

  • カナダ国防軍 第40訓練飛行隊 "クーガーズ"

  • スイス空軍仕様 "J-5002"

となっており、「アメリカ一択ではない」選択肢が気になっていました。特に私にとってのホーネットといえば「F/A-18 Swiss Hornet Solo Display Team」のデモンストレーションでの派手な飛行が印象的で(ある意味異端な人です)、今回「スイス空軍」の機体を作りたいがために選んでいます。

実際に作ってみると、国籍デカールがオーバースケールで実機の塗装位置と異なっていたり、実機にあるはずの編隊灯や機体左側のスポットライト(輸出仕様の機体には標準装備)がデカール貼り付け指示に無かったり、また機体番号が「J-5002」なのに機首の番号が「05」になっていたりと、デカール自体の質はいいのになあという所感でした。
このあたりの時系列を調べてみると、

1992年
イタレリのキット No. 016「F/A-18 C/D Wild Weasel」の発売
1993年
タミヤの当キットの発売
スイス議会でF/A-18の調達が最終決定
1996年
スイス空軍向けF/A-18C/Dの1号機の配備

とのことで、このキットが出た当時にはスイス空軍塗装の実機が存在していなかった、と考えてよさそうです。(イタレリのキットにはよくある話らしいですね)
ちなみに、スイス空軍のF/A-18C(スイス空軍では当初F-18と表記していましたが、現在はF/A-18と表記しています)は「J-5001」から、複座のF/A-18Dは「J-5231」から振られていますが、それぞれ1号機はアメリカ製、2号機からはスイスの「F+W Emmen」(現RUAG)での組み立てとなっており、この機体「J-5002」はスイス組み立ての1号機とのこと。

イタレリのキットですが、試作機や量産初期型の機体をベースに付属パーツを替えて対応していることがよくあり、組み立て説明もどこか大雑把なところがあります。
例えばこのキットでは初期型のクラック対応で取り付けられることになったLEXフェンスの位置が説明書では違っていたり(タミヤのパケ写真は正しい)、他にも気になる点が多く、あまり修正にこだわらずにこちらも大雑把に完成させることにしました。
完成写真はこちら。背景は「紙模型工房」様の「背景支援」よりダウンロードしたものです。

完成写真1

塗装が実機本来のグレーではないですが、実機を再現するとちょっと色褪せた感じとなってしまうので、重厚感を出すためにちょっと濃い目にしてみました。
兵装はスイス仕様なので対艦・対地兵装は積まずに空対空仕様にしています。

完成写真2

以前トールハンマー演習だったと思いますが「3本タンク+AMRAAM 4発」という構成の写真を見たときに重厚感があってよかったので、こちらを再現してみようとしました。
ところがキットを確認すると330galタンク(FPU-8/A)が2本しか入っておらず、標準だとワイルドウィーゼル仕様のキットのため1本だけをセンターに搭載する指定になっています。(タンクもパッケージでは315galとなっていて、これは楕円のFPU-6/Aのはず)
というわけで、3本タンク仕様を再現するために3Dプリンタでタンクを自作することにしました。

タンクを一本だけ自作(右端)

目立たないよう元のイタレリ仕様に合わせたあっさりディティール(ただし凹線にした)です。

機首回り

さて、元より胴体両脇のスパロー用ステーションには何も積むつもりはなかったのですが、このキットでは照準ポッド用パイロンとスパロー用のステーションが一体化パーツとなっており、キットにスパローが2本付属しているのにそのままでは付けられない仕様となっています。
照準ポッドはFLIRのAN/AAS-38が付属していますが、スイスでは後継のATFLIRしか運用していないはず(運用能力自体はあるらしい)なのでちょっと削ってATFLIR風にしてみました。(パッケージでは「AN/AAS-83」に誤植していますが、ハセガワも同様に誤植しているので、どこかの誤植が各社に広まった気がしますね…)
AMRAAM用ランチャーのLAU-127をLAU-115C/Aと組み合わせ、AMRAAM(あえてのAIM-120B)を計4本、翼端はAIM-9Mを搭載しました。こちらはハセガワのエアクラフトウエポンIIIとVIIIから使用しています。

箱と合わせて

そんな感じで、久しぶりのホーネットはスイス空軍の吊るしもの多めな空対空仕様となりました。

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