ファンの熱量を高めるための企画とは

僕は普段、「ブランドのファンの熱量を高めていくためにはどうすればいいか」をテーマにマーケティングと向き合っています。僕たちの会社は2015年ごろから"熱狂"という言葉をマーケティングコンセプトとして世の中に提唱し始めていますが、ブランドのファンの熱量を高めるってどういうことなの?と思われることが多々あります。
そんなときに、僕自身が常に立ち返っているのが、2015年に北米で展開されたトヨタの「Much more than cars」というキャンペーンです。このキャンペーンすごい好きなんです。

以下のAdGangの記事にキャンペーンの詳細が載っていますので、詳しくはそちらを見ていただきたいのですが、トヨタのオーナーに向けた熱狂的なファンの熱量を高めるキャンペーンになっています。

アメリカ人は自分の愛車にニックネームをつけることが習慣になっているそうで(まさに愛着の表現!)、トヨタのオーナーに対して「あなたの愛車のニックネームを、その名前の由来とともに教えてください」と呼びかけ、投稿してくれた人にそのニックネームをシールにしたものをプレゼントするというもの。

今から3年ほど前の事例になりますが、僕はこれまでに見たキャンペーン事例の中で、熱狂的なファンの熱量を高める施策として、これほど秀逸なものはないです。
それは、このキャンペーンがファンの熱量を高めるためのツボをとてもシャープに捉えていると思うからです。

①熱狂的なファンの持つ文脈価値を把握する

このキャンペーン、日本でやってもあまりワークしなかったと思うんです。その理由は、日本で愛車にニックネームをつけるという習慣はあまり一般的ではないからです。このキャンペーンは北米のヒスパニック系の人々を中心としたキャンペーンですが、彼らが愛車にニックネームをつけるという習慣がすでにそこにあるからこそ、今回のターゲットとなる人たちが自分ゴト化し、こぞってキャンペーンに参加をしたといえます。

②個人の特別な体験が熱量を高める

ブランドのファンは、広く多くの人たちが経験できることではなく、自分のなかでの特別な体験にこそ心を動かされます。自分のニックネームが印字されたシールを自分の愛車に貼ることで、街のさまざまなところにあるトヨタ車が、世界に一台しかないオリジナルのマイカーに変わります。通常、ファンへの特別な体験をクローズドなリアルイベントなどで実施するケースが多いですが、シールというアイデアひとつで実現してしまったところがとてもセクシーだと思います。

③購入後の期待値を高める体験設計

ファンの熱量を高めるためには、購入前の事前期待だけでなく、購入したあとの期待値をつくっていくことがとても重要になります。当たり前ですが、クルマのスペックが購入後に高まるということはないので、クルマなどの製品に限らず一般的な商品は購入した直後に期待値が変動しないのがふつうです。それをシールによってマイカーをカスタマイズすることで、購入したあとのクルマへの期待値そのものを高めてしまったというのが、この体験のミソだと思います。

このように、ファンの熱量を高めるためには、ファンならではの熱量の高め方というのが存在します。
まず自分たちのブランドのファンはどんな文脈を持っているのか、そのなかで熱量を高めるためにはどんな体験が心を動かし、ブランドの購入者にとっての期待値を高めていくのかを考えていくのが不可欠。キャンペーン事例を見るのは大好きなのですが、このキャンペーン事例はいつ見てもコーフンしてしまいます。

ファンの熱量を高めるための企画、こういう視点で見ていくと世の中にはもっとたくさんあると思います。見つけたらぜひ紹介してください!

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

ありがとうございます!
34

#マーケティング 記事まとめ

#マーケティングのタグがついた記事を中心に、マーケティングに関する理論や実践についての記事をまとめていきます。
1つのマガジンに含まれています
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。