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芸術と工学

いつか自分の作った作品で、感動したい、という欲がある。できれば、それは特異でありたい。オリジナルでありたい。そういう自己実現の欲求に駆られる。

工学は欲から生まれた要求を、細かく分解し、一つ一つ、現実に落とし込む作業である。そして、分解して現実に落とし込む作業は、果てしなく地味である。計算式を解く、プログラムを書く、はんだを付ける。気が遠くなる。そこには自己実現の満足もない。

そういう時、音楽や文学、スポーツがうらやましくなる。芸術は、いつだって華やかに、オリジナルなものを作れる。人を感動させられる。

ただ、芸術も、きっと華やかな作品の前に、血のにじむ地味な作業があるのだと思う。自分も昔運動部にいたからわかるが、スポーツは基礎をつくらないと、パフォーマンスは得られない。

結局のところ、何か自己実現をするには、地味な作業に向き合って、何度も挑戦するしかないのだろう。

秋晴れの空のもと、自問自答

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