【短編小説】トモダチ タクサン アタシハニンキモノ
とある女は、友達が多いことを何よりの誇りとしていた。言い換えれば、友達の多さを、ステータスとしているようなところがあった。
女は、世間様の役には立つが、けして楽ではない職についていた。毎日がため息と辛苦の連続であったが、女がその仕事…正確にいえば職種…から離れられないのは、単に適性の問題であった。
平たくいえば、その職種以外に就くことは極めて困難なのである。
そうなると「友達」の存在というものは実に有り難いと思うのは至極真っ当なことである。
女は、きつい仕事が