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お参りの成否

 お参りの成否を分けるのは、参拝者の心持ちです。拜禮の態度が不作法や無禮でないことは当然として、心持ちが浄明正直であるように指向し、心身共に敬虔で神佛に相対することが大事となります。

 お参りに相応しい心身の状態は御靈域に向かうときから調えて行かないと、直前では中々難しいもの。真剣な禱りのために寺社に赴く際には、前の晩から遥拝し、無魔での円満を禱り、向かい始める一歩から心身を調整。道中も祝詞や経・真言等を唱えるか聖典を静かに読んで、御靈域に入る場合には、陛下のおわす宮殿に入らせて頂くような感じで入ります。

 参道を静々と黙して歩み、本殿や本堂など拜する場に至っては、陛下の御前にいる如くに気を引き締めて、あとは禮法に則って感謝から始まり、世の大事から自身のことまでよく拜む。あとは御靈域の内側の御神氣をじっくりと身心全体で味わい、謹みつつ御靈域から出ます。その後は直会など随意に過ごすと良いでしょう。

 この場合氣を付けないといけないのは、敬虔な厳粛な態度をしつつも、大らかに喜悦も伴うこと。批判的な考えをはじめ、怒りの感情なども起こさないように意識を確りと保って、御神靈と接靈という一点のみに集中することが重要です。

 意識して敬虔に御靈域に足を踏み入れている者は、現実的に見れば誰も同じ状態で存在しているのですが、靈的な眼で見れば唯単に御靈域に居る人たちとは靈的な次元の違う形でそこに居るのです。故に周囲が騒がしかろうが不作法だろうが、それに引き摺られてはいけません。

 御靈域に居る間は、神佛と接する何にも増して貴重な機会ですから、常に敬虔さ穏やかさなどを忘れずに、何かの折に宜しくない感情が起こっても、静かに観察し対応して心身を乱さないようにすることも大切です。お参りの第一は神佛と御遭いし親しく交わることですから、それに不要なことは一切捨象するのが良いのです。再拝

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