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信心のラポール

 人間の世界でも相互に一定程度以上の信頼感を持った関係性を築くことが協働的な作業にとって重要となってきます。心理学の分野では、治療側とクライエント側のラポールとも呼ばれます。そして、同じようなことは天部信心においては肝心要。人間に近い存在の天部との関係性は、人間関係に近似しています。特に聖天様は御佛が態々、人間に間近な距離感で救済を為すために顕現させた御化身ですから、実際に目に見える格上の相手と同じ感覚で対することで、その聖旨に適い、ラポールを築くことにつながります。

 聖天様に対して私たちは、精一杯に信頼を奉じて一心に祈ること。全幅の信頼を置いて、何があっても信じ抜くことで相互信頼の醸成ができるのです。人間は弱く愚かな存在なので、疑念が浮かんでしまうこともあるのですが、そこでグッと引き留まり、なおかつ想念を変えて信頼性へと舵を切っていく。聖天様の信心が悪しきになることは絶対にないと確固たる信念をどんなときも保つことは、人間にとって難しい面があるものの、やってできないことはありません。

 信者さんには、聖天信心の専用の日誌をつけるように薦めています。参拝時に受けた感覚、御御籤を引いた内容、聖天様の功徳と思う出来事など、ポジティブな信心歴を一冊のノートに刻んでいきます。落ち込んだ時や不安なときなどに、それを静かに御札の前で読み返すと、信心に伴う大きな喜悦を呼び覚ますことが可能です。聖天信者の人生にも当然山もあれば谷もありますが、聖天様と同行二人のつもりで信頼をもって一緒に歩んで行けば、人生は物質的にも精神的にも豊かになります。至心合掌

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