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技術と発信だけでは勝てなくなってきている今、僕が考えていること。

こんにちは。

青山にてフリーランス美容師をやっております加藤亮平と申します。


2021年が終わり2022年を迎えました。

個人的なことではありますが今年個人事業主としての活動が7期目に入ります。

こないだ小学校一年生だった子が中学一年生になりました。

今回は、これまで業務委託と面貸しを経験してきたフリーランス中学一年生の観点から、これからの美容師におけるフリーランスという働き方をちょっと考察してみたいと思いますので是非お付き合いいただけたら幸いです。

ですが、先にお伝えしておきます。

個人の主観モリモリなところはご容赦ください。


⬛︎フリーランスの課題は「集客」である。

いきなりですがフリーランスとして美容師をしていく上で「集客」というのは不安要素の一つだと思います。

年齢や美容歴、どんなに優れたキャリアであったとしてもプレイヤーとして美容師を長く続けていくのであれば多少なりとも頭の片隅には存在しているはず。

とはいえ僕が業務委託という働きから始めた7年前は、個人でバチバチに集客をしていると認知されていたフリーランス美容師さんはいなかったように思います。(もしいたらすみません)

そもそも面貸しとして独立をするのであればたくさんのお顧客を抱えてないとできない働き方であったはずだし、集客という観点で話をするのであれば業務委託サロンが主流だったこともあり、大手集客サイトによる店舗や会社単位による集客がメインだったように思います。


むしろ個人での集客力のすごい美容師さんがいたとしても今のように認知されるための場所がなかったはずです。

お客様にも自分以外の美容師さんにも。


そこから数年経ち美容師個人単位での集客にシフトチェンジしようとしてる今ですが、今後どんなにフリーランスに特化した集客のためのハブやサービスが登場しようと集客という課題は消えることはないと個人的には思っています。

それはなぜかというとそれらはあくまでプラットフォームや手段であって、結局のところ自己集客というのは自分自身で行動し継続しなければいけないものだからからです。

お客様がゼロの状態でフリーランスをはじめた美容師さんであれば当然急務であるのは集客です。

逆にお客様がある程度いるキャリアのある美容師さんであったとしても今いるお客様が一生通ってくれる保証はありません。

そのために個人で活動をしていくのであればやはり「自分」という看板のもとで集客方法を構築しておく必要があります。

ここが自己責任であるフリーランスの宿命ですし、仮に集客という課題を何かに依存することで回避できるのであればそれはもはやフリーランスではない、もしくはよりフレキシブルな別の新しい働き方が登場しているときなのかなと思います。


少し話はそれてしまいましたが、そもそも僕たち美容師というのは大前提としてどんなにいい技術を持っていてもお客様に認知されなければその価値を提供する場がありません。

つまりお客様がいなければ成り立たないということです。


これは働き方は関係なく美容師であれば、です。


例えばどんなに美味しいケーキであってもまずは知ってもらわなければ食べてもらうことはできませんし、家に居ながらにしてスムーズにサクサク買い物ができるECサイトであっても知ってもらわなければ購入以前に体験すらしてもらうことすらできない。

それと同じです。

⬛︎美容室検索から美容師検索へ

僕はフリーランスになった最初の頃こう思っていました。


SNSを使って個人で発信をしている美容師さんに対して「髪の毛を切ってもらいたい」と思う人はそんなにいるはずがない。


美容師さんに限らず個人のアカウントを通してメッセージを送るなんてしたことがなかった僕にとって、オンライン上で個人とつながるということは未知の領域でした。

なぜならその人のことをまず知らないし、どんな人かもわからない。

スタイル写真やテキストだけでは美容師個人に対するパーソナルな魅力を感じる要素としては足りないと思っていたっからです。


対個人へのこの感覚というのは、例えばネットで美容室を検索して「このお店に行ってみよう」と思うこととは少し違うように思います。

また例え話がケーキになってしまうのですが、ネットやテレビで美味しそうなケーキを見つけた時に思うのは「このケーキ食べてみたいな、このお店に行ってみよう」であって、「この人の作ったケーキを食べに行ってみよう」と思う人はあまり多くはないと思います。

ただし有名なお店であったり名前が知られている職人さんであればそう思うかもしれません。


美容室や美容師も同じで、少し前まではヘアスタイルを変えたい時、新しく美容室を探すときに先行していた感情は、「このヘアスタイルいいな、このお店に行ってみよう」であって、「このヘアスタイルいいな、この美容師さんに切ってもらう」と感じるお客様は割と少数だったように思います。

その少数のお客様を取りに行っていたのは雑誌やヘアカタログに載っている有名な美容室であったりそこで働いている美容師さんであって、全体の母数で見ると本当にごくごく少数。

有名店と言われる美容室に就職したいと考える美容師さんが多かったのもこれが一つの要因だったと思います。


美容室検索から美容師検索になりつつある今、お客様は名も無い個人を選ぶ場合に何を基準とし、何に興味を持っていただけるのか。


ひとまず美容室検索における場合を考えてみます。

これまでの会社や店舗単位での一般的な集客であれば、

・お店のネームバリュー
・立地、人気のエリア
・施術の金額

この3つが主軸になっているかと思います。

もう一度言いますがあくまで一般的な美容室単位で考えた場合の集客であり、かつ僕の個人的な主観です。


するとどうでしょうか?

美容師個人が検索されるようになった今、この3つのポイントをそのまま置き換えると少し違和感がありませんか?


では美容師個人での集客を考えた場合、フリーランスである僕たちは何を考て発信をしていかなければならないのかを考えてみます。

・作るスタイル(お客様が求めるものかどうか)
・打ち出している技術(技術力)
・自分の強み(得意な技術・お悩み解決・提案力)

どんなお客様にきていただきたいか、自分ならそのお客様のために何ができるか・どんな価値を提供できるか。

それが明確にわかるよう情報発信していくことが「美容師検索」にシフトチェンジしていく今、生き残っていく上で最低限抑えておくべきポイントなのではないかと思います。

⬛︎個人であるフリーランスにおいて発信はもはや呼吸することと同じ

先日「wi-fiがないと死んでしまう」と言っている美容師さんがいました。

酸素がないと呼吸がでいないのと同じように、今では集客のためのSNS発信は呼吸をすることと同じくらい当たり前に取り組む美容師さんが増えたようにも思います。

最初にもお話ししましたがフリーランスにおいて今も、そしてこれからも集客が一つの課題であることに間違いありません。

とはいそれに対する意識が「タスク」という対象ではなくなってきているように思います。


そして何より集客の為とはいえ、自分を発信することを自体を楽しむ美容師さんが増えました。

その中で感じるのは、逆に呼吸するのと同じくらいナチュラルに発信を楽しむスタンスでなければ負担に感じ継続が困難になるのかなということです。


フリーランスとして自分を発信するというのは、集客を考える上でも必要なタスクです。

ですがまずは集客=タスクと考えるのではなく「自分という美容師はここにいますよ!」ということを知ってもらうために発信を楽しむことが重要です。

そしてその発信するコンテンツの中に自分の魅力を存分に詰め込んだポートフォリオをしっかりと用意し興味を持っていただく。
(画像なり動画なりテキストなり)

発信する上で何を使うかは伝えたい内容と相手によって様々だと思いますが、自分の強みを伝えやすい方法で届けることが集客を考える上で重要です。

そしてそれ以上にまずは自分自身がそれを楽しむと言うことが発信を続けていくための押さえておきたいポイントになるのではと思います。

⬛︎自己集客というハブに飛び込んでみて気づいた「勘違い」

「会ったこともない個人の発信に興味を持って来てくださるお客様なんているのか?」


そんなモヤモヤを抱きつつも、何か発信をしていかなければいけない。

疑心暗鬼を振り払い、「えいっ!」と自己集客というハブの中に飛び込んだことで気づいたことがあります。

それは、そもそも難しいと思っていた「見ず知らずの美容師に髪の毛を任せようと思って頂くこと」を考えることなんてまだまだ前段階だった、ということです。


どういうことかというと、先ずはお客様に興味を持っていただくどうこう以前の問題。

そもそも自分という美容師を見つけてもらうことからスタートしなければいけないというハードルの高さにぶち当たりました。

つまり、自己集客の難しいところがどうしたら来てもらえるのか、ではなくどうしたら見つけてもらうことができるかということだったことに気づいたんです。


僕はフリーランス(面貸し)になりブログで集客を始めたのでSEOという戦場に飛び込みました。

立ち上げから新規のお客様が来てくれるようになるまで半年ほどかかりました。
(これが早いか遅いかは個人差があると思いますが。)


僕はSEOを選びましたがSNSを使った発信媒体は画像や動画、テキスト媒体など色々あります。

・Instagram
・YouTube
・TikTok
・twitter
・Facebook
・LINE


フリーランスは自己集客ができないと難しい、こう思っている方が多いでしょうし僕自身今でもそう思っています。

とはいえこの数年で、SNSの発達と普及により美容師の集客が個人においても可能になったのは間違いありません。

さらに美容師側が発信出来るようになったということに加え、SNSを使って検索するという文化が浸透しました。

この流れが美容室検索から美容師検索に切り替わるきっかけとなり個人の存在と価値を届けるパイプが確立されたことは、個人集客を可能にさせた一つの要因としては十分だったと思います。


ですが自己集客において気をつけなければならないことが一つあります。

それは何かと言うと、自己満足にならないようにするということです。

先ほどもお話ししましたが、集客のための発信であってもまずはタスクと考えないこと、呼吸するように考えず楽しむということが大事なのですがそこには注意すべき落とし穴が存在します。


ブログにはPVなどの指標や、各SNSにはいいね数やフォロワー数など、可視化できる数字によって満足感を得られてしまう仕組みが備わってしまっているんです。

これが少し厄介。

あくまで集客における発信の目的は数字を稼いで承認欲求を満たすことではありません。

集客における最終的な目標はCVR(コンバージョン率)をあげることです。

そのためには届けたい価値をしっかりと自分の中で定義し、「自分はこんなことができる美容師です」というポートフォリオをしっかりと用意すること。

大前提として発信というのは数字を稼ぐことでもなければ、いきなり来店していただくことを考えるものでもありません。

可視化できる数字に惑わされず、自分が提供できる価値をしっかりと掲げ興味を持っていただける(見つけてていただける)ようにすることが大事になります。

⬛︎技術と発信と〇〇

難しいながらも個人での集客は可能になりましたが、これは働き方を限定したことではありません。

フリーランスになった初期の頃に難しく感じていた見つけてもらうことも、ここ数年少し様子が変わってきたように思います。

それは、全ての美容師が「よーいどん!」で発信できるようになったことで今度は「見つけてもらう」だけでなく「選んでもらう」というハードルが上がったということです。



例えば自分がお客様の立場だとして美容師さんを探していたとします。

SNSを使って検索していると同じような発信をしている美容師さんを見つけました。

自分が求めるスタイルと希望の予算、そして通える場所、この3つにそれほど大きいな違いがなかった場合何を基準に選びますか?


そもそもお客様は美容師個人を検索しているとはいえ、フリーランスの美容師を探しているわけではありません。

働き方がどうなのかということは個人を検索する際の判断基準としては意味を成さないし、働き方という括りを取っ払ってしまえば当然みんな同じ美容師です。


さらにInstagramやYouTube、TikTokのアルゴリズムや攻略方法などいろんな人がいろんなところで共有し始めたことによって、手を替え品を替え一筋縄ではいかなくなってきました。

その中で勝負していくためには当然技術は必要だし、発信は呼吸をするかのようにしなければいけない。

それに加え、他の美容師さんと差別化できる「選ばれる何か」が必要になってくる。


この記事の最初にフリーランスの課題は「集客」とお話しましたがもはやこれ以上に課題だなと感じるのは選ばれることであり、さらに言うともうちょっと踏み込んだその先。

選ばれ続けることがフリーランスとして最大の課題であると言うことに気がつきました。


技術×発信×選ばれるづけるための何か


そのために必要なのは、

・大前提として求められる価値をきちんと提供できること
・さらにその先の求められる価値以上のものを提供できること
・自分が提供できる価値を先まで創造していただくために提案できること

選ばれ続けれために何が必要なのかは人によって異なります。

とはいえこの上記3つが選ばれ続けるために必要な最低限の構成要素であり、最大限に発信していかなければいけない必要があると僕は思います。

⬛︎選ばれ、残っていくために考えるべき指標

ここでフリーランス美容師としてのKPI(重要業績評価指標)は何なのかについて考えてみたいと思います。

まず目指すべき成功の形というのは人それぞれ違うはずです。

とはいえ美容師としてサロンワークをする以上、一般的に可視化できる「売り上げ」という一つの指標は無視する事はできません。

SNS上でも月間売り上げ「〇〇〇万円」という美容師さんを見かけたりしますが、個人の限られたリソースの中で大きな生産性があるというのは美容師としてもフリーランスとしても魅力的だと思います。

そうなってくると美容師としてのKPIは「売り上げ」であるはず。


ですが僕は上記でも挙げたようにフリーランス美容師が最も大事にすべき点は選ばれることよりも「選ばれ続けること」だと思っています。

ではKPIは果たして「売り上げ」が正解なのか。

もちろんこれは「選ばれる」という意味で短期スパンで考えると間違いではありません。


問題なのはフリーランスにおいて必要なのは選ばれ続けることです。

であればもう少し長期的な目線で捉えていかないといけないのではないか。


つまるところフリーランス美容師にとってのKPIとは売り上げではなく、長いスパンで考えた「LTV(顧客生涯価値)」であるべきだと僕は思います。


LTVについてはこちらの記事でもお話しさせていただきました、是非読んでみてください。


そう思うと目の前のお客様や自分の発信に対しての取り組む意識や姿勢が少し変わってきませんか?

美容師として、またフリーランスとして選ばれ続けていくための指標がLTVであると考えたとき、他者にはない部分で差別化を考えるのであれば総じてこれらに紐づいてくるのはやはり「人間力」だと僕は思います。

⬛︎SEOというハブを考えてみる

僕はメンズに特化したブログを書いているのですが、ブログにおいても見つけもらえる確率というのは全体の母数で考えると年々下がってきているようにも思います。


例えば髪型を検索するときに何を使って検索しますか?

少し前であれば「メンズ ショート 髪型」みたいなキーワドをGoogleで検索ですれば大手集客サイトに紐づいたスタイル写真がずらっと出てきていました。(もちろん今もあります。)

もしこのnote記事を読んでくださっている美容師さんの中にもお客様とのカウンセリングの際こういったフローを踏んでいた方も多いと思います。

美容師さん自身もお客様からオーダーがあった際、ネット検索からスタイル写真を探した経験があるはずです。
(もちろん今もこうしている方もいると思います。)


それが今ではどうでしょう。

上記でもチラッとお話ししましたが、お客様の中にはGoogle検索の代わりにSNS検索をする方が増えたように思いませんか?

僕自身SEOでGoogle検索のトップページ上位に出てくる記事をいくつか書いてはいますが、GoogleとSNSを合わせた「検索」というアクションをする人の全体の母数でいうと果たしてどれだけの人が見てくれるポジションを取れているのか。

とはいえブログのいいところは一度上位表示された記事であれば放っておいてもコンテンツとして永続的に集客の役割を果たしてくれるところでもあります。


そもそも僕の場合、ヘアスタイルの紹介というよりは髪の毛や頭の形に悩みを持った方に対して解決策となるコンテンツを作っているので自分の得意なスタイルや提供したい髪型をポートフォリオとして用意しているというわけではありません。

僕が提供しているものは、「自分の技術があればお悩みを解決することができるという」という価値であるのでそもそもの棲み分けが少し違います。

なので自分が来店して欲しいお客様に明確に届けることができているし、そのための導線は作ることができていると思っています。


とはいえGoogle検索とSNS検索の母数とでは圧倒的な差が開いてきていると思いますし、更に言うとSNSにおけるいわゆる「バズった」コンテンツとは瞬間的な爆発力も圧倒的に違います。

ここも自身の指標をどこに置くかで変わってきますが自己満足にならずあくまでCVRを意識するためにはPV数やいいねの数、バズの中でどれが大事かは明確になります。

そういった点でも集客における発信とは誰に何を届けたいか、自分に提供できる価値はなんなのかを明確にすることは、今後フリーランスとして大事にすべき指標であるLTVを考えた上でとても重要になってくるのではと思います。


どのハブに属せば自分の価値を最大限に発揮することができるか。

⬛︎まとめ

美容室検索から美容師検索に移り変わるにつれ、個人の発信も見つけてもらうことが可能になりました。

その反面、美容室のオーバーストア状態のようにSEOやSNSというハブのなかでの個人として発信がオーバーストア状態になりつつある気もしています。

美容師検索に変わりつつある今ですが、もしかしたらこの先また一周回って美容室検索に移行するかもしれません。

その中で個人としてどうやって見つけてもらうか、そしてどうやって選んでいただくか、さらにはどうやって選ばれ続けていただくことができるか。

これが今後のフリーランス美容師として活動していくためのカギになると思っています。


しっかりとした技術と接客力は当たり前。

加えて集客のための発信も当たり前。

そもそもそこにハードルを感じていては集客がタスク化してしまい、ハブの中に飛び込むことですら負担に感じると思います。


約二年間、コロナ渦においてフリーランスを経験してみて感じたことはフリーランスに興味を持つようになったり転向に意欲を示した人がすごく増えたなということです。

(これは自身がフリーランスという視点から見ていたのでポジショントークになっているかもしれません。)

特にこの一年は周りを見てもその美容師さんの層(年齢やキャリア)に大きな変化があったように思います。

僕らが美容師を始めた頃、フリーランスという働き方に抵抗を示していた上の世代の先輩たちもどんどんフリーランスという働き方に興味を持ち始めた印象です。

・コロナによって雇用に対する意識が変わったから
・シェアサロン普及してきたから
・教育や指導に対する考え方の変わったから

様々な要因があると思いますは一概にこれが原因というのはわかりません。


ですがいい意味でフリーランスになることのハードルはすごく下がったのではないかと思います。

それは決してフリーランスを推奨するというわけではなく、それだけ働き方の選択肢の一つとして受け入れられるようになったということ。


改めてにはなりますが、最初にフリーランスは集客が課題とお伝えしました。

もしかしたらSNSど真ん中で育ってきたZ世代と言われる美容師さんであれば僕ら世代、更に上の世代の美容師さんのようにそもそも集客に対してさほどハードルは感じていないのかもしれません。

実際に年齢が若くなればなるほどSNSに対して向き合い方や対応力は柔軟だと思いますし、極端な話お客様がゼロの状態からスタートしてもしっかり集客できている美容師さんもたくさんいます。

純粋にすごいことだと思います。


ただここで僕自分も含め気をつけなければいけないのは、集客における発信というのは発信が目的になり自己満足を求めるのではなく、あくまで「成約率(CVR)を取りに行くこと」を目的にしなければいけないということです。

各種SNSにおける「いいね数」や「再生回数」ばかり稼いでいて集客ができていないのであれば何を目的としているのか一度考えるべきで、お客様は集客できているけれどその方が2回目、3回目と来店されていないのであれば発信よりも対面でのアプローチに磨きをかける必要があります。

そもそもバズを狙うことや承認欲求を満たすことではお客様に来店してもらうことは出来ません。

仮に一瞬の盛り上がりで集客できたとしても再来につながらないのであれば、リアルでいうところだと「何やら賑わっているからちょっと立ち寄ってみた」、という状況と同じことだと思います。

なんの行列かわからないけれどとりあえず並んでみた、的な。


とはいえ通りすがりの飛び込みのお客様でも来店してくれることはすごくありがたいことです。

大事なのはせっかく来店していただいたお客様にまた次も、その次も来ていただけるようにするにはどうしたらいいか考えること。

そしてそのお客様が期待していた以上の価値を提供して、ほんのちょっとだけでいいから感動を与えることです。


最後の最後で結局それかよと思われるかもしれませんが、優れた技術を持つ美容師さんが増えたことや発信する美容師さんが増えたことで、どうやって差を付けるのかって考えてみたんです。

そうしたらやはり個々が持っている「人間力」というパーソナルな魅力に勝るものはないのではないかと思います。


僕たち美容師は技術職であり接客業でもあると言われているようにすごく特殊だと思っていて、髪型というデザインされた商品をお客様に提供しなければならないし、それに加えてパーソナルな空間をデザインする接客というサービスも提供しなければなりません。

例えば同じ商品でもコンビニやスーパー、家にいながらネットでも買える時代です。

そこを差別化する方法は、値段かもしくは生活の導線上にあるかないかがポイントなように思います。


同じようなサービスであってもどこで差別化をするかと考えるたときに、ちょっとした登録フォームの違いや目的までの導線が一瞬でも面倒に感じるものは排除し、よりサクサク快適な方を選ぶと思います。


とはいえ同じ商品や同じサービスでも上記とは例外を考えたときに動かされる理由はその間に入る「人」が大きいはずです。

この人がいるからこのお店で買おう、この人が携わっているサービスだから使ってみよう。

同じものを差別化するときには必ず誰が提供しているか、つまりその間に入る個人の人間力に魅力を感じることで選ぶことが多いのではないでしょうか。

僕はフリーランスになったことで沢山の人に出会い、人間力という魅力に気づき動かされてきました。


美容師のいいところは、ヘアスタイルにしろサービスにしろ、そのどちらも対面でかつリアルタイムで人の手によって作ることができるところです。


SNSで発信したデザインをお客様が見つけてくれて気に入ってくれた。

興味を持ってくれたお客様に今度はそれを全力で提供する。

さらにお客様との空間をデザインして対面の価値を感じてもらう。

つまるところそれらを差別化するために紐づいてくるものこそが人間力だと思っています。


長々と書いて最後は結局そこかよと思われたかもしれませんが、それ以上の答えは今の所僕は持ち合わせていません。


2022年も全力でフリーランス美容師を楽しんでいきます。


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